空飛ぶ自由人・2

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映画『胸騒ぎ』

2024年05月23日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

イタリアでの休暇中、あるデンマーク人夫婦が、
オランダ人夫婦と出会い、意気投合する。
どちらも夫婦と子供一人の3人家族ということで、うまが合う。
後日、オランダ人夫婦からの
“お元気ですか?  我が家に遊びにきませんか?”
という自宅への招待状を受け取ったデンマーク人夫婦は、
週末、娘と共に、車で、人里離れた彼らの家を訪れる。


しかし、会話や行動で、些細な違和感が生まれ、
オランダ人夫婦のおもてなしに居心地の悪さを覚える。
息子は舌がなく、言葉を話せないし、
医師と言っていたオランダ人が、実は働いていないことも分かる。
危機感が高まって、
一旦は挨拶もせずに帰国の途につくが、
娘が大切にしていた兎のぬいぐるみを忘れたことから、引き返し、
週末が終わるまでの辛抱だと自分たちに言い聞かせる。
オランダ人夫婦も態度を改め、
友情が芽生えたかに見えたが、
深夜、あることを見た夫が家族と共に自動車で逃げ出す。
ところが、ガソリンがゼロに近く、
やがて止まってしまう・・・

冒頭のイタリア旅行以外は、
ほぼ二つの家族だけの6人芝居
ささやかな違和感が広がり、
それが徐々に大きくなり、加速度的に高まって、
恐怖に至るまでの
心理スリラー
最近、北欧のサスペンスは良作が多い。

第38回サンダンス映画祭で上映されるや
衝撃的な展開と不穏な作風が話題になり、
各国の映画祭を席巻。

メガホンをとったのは、
デンマークのクリスチャン・タフドルップ監督。(脚本も) 
休暇を過ごした旅行先で出会った家族の家を6カ月後に訪れ、
気まずい思いと我慢を強いられる羽目になった実体験から
本作の着想を得たという。

共通語である英語では無難な会話をするのに、
それぞれの言語では本音が出る。
英語とデンマーク語は字幕が出るが、
オランダ語は字幕が出ない。
何を言われているか分からない不安。
この配慮は日本輸入会社の配慮か? 
それとも、監督の指示? 

じわじわと恐怖が高まる経過が秀逸。
最後になって、オランダ人夫婦の意図がはっきりするのだが、
後味の悪さは天下一品
映画を観ていやな気持ちになりたくない人は避けた方が無難。

オランダ人夫婦を演じた俳優は、
実生活でもパートナーだという。

後味は悪いが、
映画的には成功しているので、
5 段階評価の「4」

アメリカで、ジェームズ・マカヴォイ主演で
リメイクが決まっているという。
アメリカだから、結末を変えるか? 

ヒューマトラストシネマ有楽町他で上映中。

 

 


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