[映画紹介]
21世紀フォックスのアニメーション部門「ブルースカイ・スタジオ」が製作していたが、
ディズニーによる買収劇、コロナの影響で
7割ほど完成していた状態でストップがかかっていたのを、
Netflix とアンナプルナピクチャーズが拾い上げて完成に。
物語の舞台となっているのは、
テクノロジーが発達した未来社会でありながら、
中世ヨーロッパのような封建制と騎士道がいまだに残っている王国。
甲冑に身を包んだ騎士たちは、
馬ではなく空飛ぶバイクを乗りこなし、
剣以外にもレーザー銃を使用する。
まあ、「スター・ウォーズ」に似た世界。
バリスター・ボールドハートは、
孤児だったが、女王に見出され、騎士学校を首席で卒業し、
騎士団への入団を果たそうとしていた。
庶民のバリスターが騎士となれば、
1000年の歴史で初めてのことであり、
貴族出身者ではない者が王国を守ることに対して、意見は別れていた。
しかし、入団式典の途中、
バリスターの持つ剣からビームが放出され、
女王が殺されてしまう。
バリスターは、濡れ衣を着せられ、
指名手配の犯罪者として扱われる。
しかし、バリスターを助けようとする存在が現れた。
いろいろな生物に身体を変える能力を持つ、
超常的な存在、ニモーナだ。
変身能力のため、ニモーナは「モンスター」として恐れられ、孤独だった。
お尋ね者となった騎士と社会から排除された存在との間で共感が生まれ、
相棒のようになっていく。
形を変えた多様性の物語だ。
バリスターも実はゲイで、
同期のアンブローシャスとは、男同士の関係だった。
このように、被差別者同士の共闘や相互理解が背景にある。
ニモーナは、ありのままの自分を認めてくれる人を求めており、
何にでも変身できる一方で、
ずっと自分を受け入れてくれる居場所を探していたが、
どのグループからも拒絶されていた。
二人は冤罪を晴らすために一緒に闘う。
ニモーナはその変身能力のために、
友達を失った過去がある。
その変身シーンとアクションが見どころ。
バリスターの姿が哀愁を感じさせる。
カメラワーク、構図も素晴らしい。
N・D・スティーヴンソンのベストセラー、グラフィックノベルを原作に、
監督のニック・ブルーノとトロイ・クエインが映像化。
原作者も監督もノンバイナリー。
ニモーナの声をクロエ・グレース・モレッツ、
バリスターの声をリズ・アーメッドが担当する。
Netflixで6月30日から配信。
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