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空飛ぶ自由人・2

旅・映画・本 その他、人生を楽しくするもの、沢山

映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』

2025年05月01日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

宮城県の小さな港町で、
ある家庭に男の子が生まれた。
祖父母と両親は、“大”と名付けて誕生を喜ぶ。
田舎のどこにでもあるような、
祖父母、両親との同居生活。
ただ、他の家庭と違っていたのは、
両親の耳がきこえないことだった。

大の赤子時代、幼児時代、
小学生時代をていねいに描く。
成長するにつれて、
自分の家庭が普通でないことに気づく。
次第に、周りから特別視されることに戸惑い、
苛立ち、母の明るささえ疎ましくなる。
父兄参観日には、来てもらいたくないから、
通知を親に見せなかったりする。


やがて、中学生になって反抗期が始まり、
親の“通訳”をする自分に疑問を感じ、
「こんな身障者の家に生まれたくなかった」
とまで口にする。
志望の高校に受からなかったことを
母親のせいにしたりする。
母親はそんな大を大きな愛情で包む。

東京に出ようとして悩む大に対して、
父親は東京に行くことを勧める。
その時、父母がろう学校で知り合って、
結婚を反対されて駆け落ちし、
東京に出た過去を初めて知る。
そして、妊娠した母親が生むことを反対されたことも。
母親が生む決断をしてくれなかったら、
今の自分の生はないのだ。
東京に出た大はアルバイトをしながら、
やがて出版社に就職するが、
父親が倒れたという連絡を受けて・・・

生まれて来る国と親は選べないというが、
普通でない両親のもとに生まれた
一人の青年の子ども時代から青年期までの
両親との親愛を描いて胸うたれた。

いわば、アカデミー賞作品賞を受賞した
「コーダ あいのうた」(2021)の日本版だが、
リアリティは各段に違う。
それだけに身につまされる。

コーダ・・・CODA, Children of Deaf Adults 。
      きこえない・きこえにくい親をもつ聞こえる子       どものことを指す。

作家・五十嵐大氏の自伝的エッセイ
『ろうの両親から生まれたぼくが
 聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して
 考えた30のこと』(幻冬舎)が原作。
脚本は港岳彦
監督は呉美保


吉沢亮が、“きこえる世界”と“きこえない世界”を
行き来しながら生きる主人公を
繊細に演じた。
父母共に実際のろう者俳優を起用したが、
母・明子役の忍足亜希子(おしだりあきこ)が好演。


日本の母の持つ心情を見事に演じ切った。
昨年度のキネマ旬報ベストテンの助演女優賞を受賞。
(日本アカデミー賞ではノミネートさえされなかった。
 というか、作品賞や主演男優賞をはじめ、
 ことごとく無視された)

日本の家族、親、息子の姿を
ろう者の家庭を借りて
観る者の心に響く映画だった。

公開時は見逃したが、
WOWOWで視聴。

 


スター・ウォーズ セレブレーション・その4 フードとグッズ

2025年04月25日 23時00分00秒 | 映画関係

一番端のホール7は、フードホール

セレブレーションで食事の場を設置するのは、
初めてだそうです。

入口に、メニューが掲示されています。


それぞれのメニューの「スター・ウォーズ」がらみのいわれが書かれています。

ここでリストに個数を書いて注文し、


代金を支払って、食券をもらい、


各渡し場に並んで受け取ります。

赤は帝国軍、白は反乱軍という設定。

この後ろに厨房施設を作ったのか?

この茶店風の台で食べます。

私たちが食べたもの。

ジャー・ジャー・メン

エピソード1で登場したジャージャー・ビンクスに由来。

ウーキー焼きそばは、

チューバッカにそっくり。

禁断の愛おにぎりは、


アナキンとパドメの秘められた恋に由来。


この二人が結ばれないと、
ルークもレイア姫も生まれません。

ドロイドもなかは、

R2-D2、C-3PO、BB-8の三体のドロイドを表わすモナカ。

胡麻シェイクのストローは、ライトセーバーをイメージ。

私たち父娘は、
最初の客でした。

昼時には、2時間待ちだったそうです。

2時間も並ぶなら、
会場を出て、駅まで行けば、
いくらでも食事は出来るのに。

3時半頃、遅い昼食を食べに行くと、
売り切れ続出で、


たこ焼きしかありませんでした。

ここだけ行列。

席も埋まっています。

アクバー提督↓

にちなんだたこ焼き

“It's a Trap!”とあるのは、
6個に1つ、タバスコ入りが隠されているから。
たこ焼き版ロシアン・ルーレット。
ウィンナーソーセージのタコは外人に受けそう。

タトゥイーンわらび餅は、

ルークが育った惑星タトゥイーンの砂漠をイメージ。

楊枝についた二つの○は、
タトゥイーンの二つの太陽を表現。

飲み物はゆずソーダ

ここで、娘が買ったグッズを紹介。

この冊子↓、

右開きのページは日本語で、
裏返して左開きのページは英語という、
工夫がなされています。

ものすごく充実した内容で、
記念になります。

これは、トランプ

J とQ とKは、ライトセーバーを持っています。

このハッピは、
反乱軍と

帝国軍の仕様。

その他。

お守り。

ホール9のグッズ売り場は大変な行列だったそうです。

 


スター・ウォーズ セレブレーション その2

2025年04月22日 23時00分00秒 | 映画関係

スター・ウォーズ セレブレーションが終わってしまい、
何だか淋しくなってしまいました。
あの喧噪がなつかしい。

で、撮った写真をもとに、
当日をレポート。

↓が、「バッジ」と呼ばれる、入場券。

これを首から下げて、入場。
ネットで予約した人は、会場でバッジと引き換えるのですが、
当日では混雑するので、
3日前から引き換え。
私はちょうど海浜幕張で映画を観る予定があったので、
4月15日、引き換えに行きました。

会場はホール9。

こんなガランとした会場。

メールで受けたQRコードを提示すると、引き換えてくれます。

用意したパスポートは不要。本人確認はしない。へんなの。

デザインは、↓以外にも沢山ありますが、自分では選べません。

それにしても、よくチケットが取れたものです。

この行列は、

Tシャツを買う人の列。

自分で印刷するようです。

その後、ホール1から7の本会場に行き、
そこから駅まで徒歩何分かかるかを計測。

そして、4月18日金曜日の当日。

わくわく、わくわく。

開場前の会場。

人のいない会場。

ガランとしたパネル会場。

会場の配置は↓。

メインホールで開催された
「マンダロリアン& グローグー」のイベントを

Galaxyステージの生中継で観ます。

スペシャルゲストのライアン・ゴズリンズが登場して、興奮は最高潮。

ステージを出ると既に混雑。

グッズを買った人はこの状態。

どうやら、グッズを買うために来たらしい。

3時間並んで、途中打ち切りなど、運営上の問題もあったようです。

キッズコーナー。

エピソード6を体感。

これは特製のウーロン茶。高い。

とにかく満員電車状態

いろいろな展示物。

写真撮影会は有料。プロのカメラマンが撮って、プリントしたものをくれます。

サインも、もちろん有料。

聞いた話では、3時間並んで、途中で打ち切られたことも。
やはり、運営上の問題は多かったようです。

これはねぶた祭風の展示物。

座るところがないので、こういうことに。

パネル『文化を越えて物語を語る:「スター・ウォ-ズ」と日本』に参加。

日本人の方も全員英語で。字幕が少し遅れて入ります。

黒澤明監督の「七人の侍」や

「隠し砦の三悪人」との関連も述べられました。

会場はコスプレの方が闊歩。

この方たちは、「写真撮らせて下さい」と言われるのが無上の喜び。

これは展示物です。

今日は、ここまで。続きはまた今度。

 


ドラマ『アドレセンス』

2025年04月10日 23時00分00秒 | 映画関係

[ドラマ紹介]

イギリスのとある町に住む
13歳の少年ジェイミーが、
同じ中学校に通う少女ケイティを殺害した容疑で逮捕される。
ジェイミーは犯行を否定する。
学校では生徒たちの間に動揺が広がり、
ジェイミーの家族・ミラー家は世間の批判にさらされる。

逮捕当日、3日後、7カ月後、13カ月後と、
4つのエピソードによって語られるが、
各エピソードごとに
ワンカットで撮影されているのがユニーク。

つまり、通算3時間48分が4カットだけで構成されている。

第1話は、
早朝、ジェイミーの自宅に警察隊が突入し、
ジェイミーを逮捕して、署に連行、
尋問を始める。
自宅から警察への車内、
警察での尋問と、
ワンカットの映像が緊迫感をもって語られる。

第2話は、事件3日後の学校に
尋問した警部たちが訪ね、
生徒たちから情報を取ろうとする。
カメラは学校内を縦横無尽に移動し、
ワンカットで生徒たちとの会話を描く。
生徒の中には、警部の息子もいる。


警報の誤作動で、
生徒がテニスコートに移動する混乱の中、
カメラはドローンによって
空中に飛翔し、
殺人の現場まで飛ぶ。
そこにジェイミーの父親が花束を持って現れる。

第3話は、ジェイミーが拘束されている少年拘置所を
訪れた心理療法士とジェイミーの対決を描く。
一室の中での心理療法士とジェイミーの対話を
カメラが二人の周囲を巡りながら
ワンカットで撮影する。

第4話は、ミラー家の自家用車に
「NOUSE」(小児性犯罪者)と書かれたのを消すため、
父母と姉の3人でホームセンターに行き、
ペンキを買うが、
その途中、ジェイミーから容疑を認めるという電話が入り、
家族は悲嘆にくれる。
家からホームセンターへの車での移動、また家へと
ワンカットで描写する。

各エピソードは50分から60分かかり、
どんな綿密なリハーサルをしたのだろうと想像する。
特に学校の場面は人数も多く、
すれちがうたびに
対象となる人物が変わるが、
相当準備しないと、出来るものではない。
通常、ワンカット撮影では、
壁が一瞬視野を狭めるなどして、
カットをしたものを
そうでないように見せるテクニックが存在するが、
「アドレセンス」の撮影監督によれば、
本作品ではそのようなことは一切行われておらず、
正真正銘のワンカット撮影がされているという。

撮影監督は語る。
「計画に多くの時間を割きました。
使用するエリアの地図を作り、
その中でカメラがどう動くかを検討し、
私とキャストで、
まるでダンスのようにリハーサルをしました。
その前からフィル(監督)と私は
ロケ地を探していて、
それが決まったら、ルートをプロットし、
パズルのピースをすべて納得がいくまで動かしたんです」

話が展開するにつれて、
事件の背景が明らかになり、
ジェイミーがケイティによって
侮辱されていた事実が現れて来る。
二人はSNSを通じて接点があり、
ケイティは、ジェイミーを
「インセル」だと絵文字で表現していた。
インセルは非自発的な独身者を表し、
「非モテ」「弱者」を自覚する男性たちを意味し、
女性嫌悪や性差別的暴力と深く繋がっている。
ジェイミーは、自分のことを「醜い」と思っており、
それを指摘されたことが事件の背景にある。
未熟な少年ゆえの犯行。
「アドレセンス」とは、思春期のこと。

無実を信じていた父母が
ジェイミーからの電話で
事実を知った後の父母の悲嘆が悲しい。
「私たちは、育て方を間違えたのではないか」との煩悶。
父親役のスティーヴン・グレアム
素晴らしい演技を見せる。

監督はフィリップ・バランティーニ
既にワンカット撮影では実績がある。
「ボイリング・ポイント/沸騰」(2021)がそれ。
あるレストランのクリスマスの夜の
厨房での混乱を90分にわたり、
1カットで描写した。
スティーヴン・グレアムは
この映画で主役のシェフを演じている。
ジェイミーを演じたのは、
約500人の中からオーディションで選ばれた
新星オーウェン・クーパー


第2話での長い対話を見事に乗り切った。
すでに今後複数の作品が決まっており、
「嵐が丘」で、若きヒースクリフを演じる予定だという。

配信から11日で視聴回数6630万回を記録し、
Netflix のリミテッド・シリーズで歴代1位を獲得した。
世界71カ国でストリーミング1位となり、
グローバルランキングで3週連続1位を獲得し、
93の国と地域でトップ10を獲得した。

 


映画『イエスと二人のマリア』

2025年04月06日 23時00分00秒 | 映画関係

[旧作を観る]

2012年、ドイツ、イタリア合作で作られた聖書モノ

↓のような題名のものと、同じ内容。

原題は「MARIA」だが、
邦題で「イエスと二人のマリア」となっているのは、
イエスの周囲にいた、同じマリアという名前の
二人の人物の視点で描かれているから。
一人はイエスの母マリア


もう一人はマグダラのマリア
西欧キリスト教美術においては、
聖母マリアと並ぶ重要な登場人物。
ガリラヤ湖沿いの町マグダラの出身であるために
「マグダラのマリア」と呼ばれたとするのが通説。

その二人のマリアが幼なじみで親友だった、
というオリジナル創作。
もう一人、ヘロデ大王の妻であるヘロデヤが登場し、
二人のマリアに関わって来る。
マグダラのマリアはヘロデヤの陰謀に巻き込まれ、
侍女として、ヘロデアに仕える。

2枚のDVDで構成されており、
1枚目は、ヨセフとの婚約と懐妊、
イエスが生まれた後、
王の幼児殺戮を逃れてエジプトへ逃亡し、
王の死去の知らせに故郷に帰るまで。


2枚目は、成人したイエスの活動にマリアが関わる。
姦淫の罪で石打ちにさかけたマグダラのマリアを
イエスが救う場面も出て来る。
そして、イエスの逮捕と十字架刑。
恐れる弟子たちに、母マリアは子供の頃に迷子になった
イエスのエピソードを静かに語る。
マグダラのマリアは、復活したイエスの最初の目撃者になる・・・

2巻合わせて3時間24分という長尺。
聖書のままではなく、
二人のマリアを、人間として、その苦悩を描き
映画の最後に、「全ての母に捧ぐ」という言葉が添えられている。

聖書では、マグダラのマリアは「七つの悪霊を追い出してもらった」女性であって、
「罪深い女」や「姦淫の現場でつかまえられた女」とは別人だが、
この映画では後者の二人と同一視している。

この映画とは別だが、
イエスとマグダラのマリアが結婚して、
子供をもうけたという俗説があり、
映画「最後の誘惑」(1988)や
ノンフィクション「レンヌ=ル=シャトーの謎」(1982)、
小説「ダ・ヴィンチ・コード」(2003)(2006年に映画化) が
その俗説を扱っている。


二人の婚姻や子どもをもうけた、などと
詳細に記録した古代シリア語文書があるという。

いずれにせよ、2000年前の話だから、真偽は不明。