1日だし、水曜日だし、映画を観ない手はない、
ということで“おくりびと”を観てきました。
本日は満員の大盛況。
2列目の一番端っこの席から鑑賞しました(汗)
少しゆがんで見えるスクリーン、ゆがんで見えても、いい映画でした。
笑いながら泣ける映画でした。
モックン(本木雅弘くん)が新米の納棺師を演じてます。
実際の納棺を見たのは母が亡くなった時だけです。
覚えてるのは、幽霊のトレードマークである三角の布(正式にはなんて言うんですかね)と、
白い着物と足袋とわらじと杖と小袋にいくらかの小銭、この小銭は「三途の川の渡し賃」て
納棺師の方は言ってたかな、、
死化粧はちょっと濃いめで、口紅が母に似合わない色だったので、私が塗り直し、、
と、そんなことを思い出しながら見ていました。
モックンの納棺師、はまり役です。
凛とした所作と衣擦れの音は日本の様式美と言ってもいいくらいの美しさ。
納棺会社の社長を演じる山崎努さん、良くて当然という役者さんですが、
これがホントに良いんですわ。
モックンと山崎さん、二人のシーンはどれもいいですが、特に
白子を食べるあのシーンは演技の密度が濃くて見応えありました。
他の役者さんも、余貴美子さん、吉行和子さん、笹野高史さん、、、
渋い方を揃えてますね。
山田辰夫さんを配するセンスも好きですわ~。
ただ、広末涼子さんはイカンです。
ベチャベチャした喋り方と幼稚な表情。
あれが脚本を読み込んだ上の彼女の演技プランなんでしょうか。
彼女がスクリーンに入り込むととたんに映画の質が下がるように感じました。
もったいないです。
それと、終盤の展開ももったいないです。
淡々と美しく叙情的に描かれていた映画が、終盤、変にドラマ性を持たせたために
それまでの透き通るような感動が失われてしまった気がしました。
庄内の野辺でモックンがチェロを奏でるあのシーン。
あのシーンのような余韻を残す終盤であれば最高の映画になったのではないかな、と。
でも、もったいないところを含めても観て損はない、いい映画だと思います。