***吉井和哉的日常生活***

アリ地獄に嵌って14年半 吉井和哉のない生活は、たぶん考えられない

風立ちぬ

2013-09-04 23:03:34 | 映画

 


 

もっと早く観たかったけど、タイミングを逸し今頃になってしまいました。

 

若い頃、堀辰雄に心酔した時期がありまして、
それが元で軽井沢に足繁く通ったり。

堀辰雄が好きな自分が、ちょっと文学少女っぽく思えて好きだった、
そんな年頃(笑)

 

 

で、映画『風立ちぬ』は、

零戦設計者の堀越二郎氏と、
同時代に生きた堀辰雄の人生をモデルにした話しですが、

出来れば飛行機の話しより、二郎と菜穂子、二人の話に重点をおいて欲しかったとか、

もう少し菜穂子の人物像を掘り下げて欲しかったとか、

観る前は、禁煙学会がこの映画の製作担当者に送った要望書のニュースに
「ナンセンス~」と失笑したけど、実際観てみると、
「会話の手段が煙草ばっかって、ちょっと能がないんじゃない?」と
禁煙学会の言うことも少し分かるな~と思ったりとか、

不満点は多々あります。

 

が、この映画、堀辰雄の世界が象徴的にとても美しく表現されているんですよね。


美しい映像を付けた小説、と言ったら語弊があるでしょうか。



二郎の声を担当した方は庵野秀明さんという映画監督さんなのだそうですが、
これがいいんですわ。

良く言えば「抑揚を抑えた」、ストレートに言えば「棒読み」(笑)

余計なニュアンスが無い分、変に肉感的になることもない。
シンプルなセリフと相まって、観るものの主観が入り込む余地が生まれるんです。

主観には自分の人生が反映されます。

小説の行間に自分の人生を折り込み、
二郎と菜穂子の生き方と重ね合わせて観るような、

そんな映画なんじゃないかと。


なので、この映画は年齢を重ねた人の方が、
より想うことが多くなるんじゃないかともと思ったり。

 

「俺は『スター・トレック』が観たいんだ~」と言っていたダンナは、

帰り道、「良かった。見て良かった。いい映画だったな」と
やけに感慨深そうにしておりました。

 

機会があったらもう一度観てみたいです。


 

 

 

 

 

 


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