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引っ越しました~
by lotusruby

『アルフィー』(2004年) vs 『アルフィー』(1966年)(DVD)

2008-04-25 23:50:40 | Cinema な時間



           

『アルフィー』(2004年) vs 『アルフィー』(1966年)
原題:Alfie

左:(2004年 アメリカ)
監督: チャールズ・シャイア
出演: ジュード・ロウ 、 マリサ・トメイ 、 オマー・エップス 、 ニア・ロング 、 ジェーン・クラコウスキー 、 シエナ・ミラー 、 スーザン・サランドン

右:(1966年 イギリス)
監督: ルイス・ギルバート
出演: マイケル・ケイン、シェリー・ウィンタース、ミリセント・マーティン


実は、『スルース』 を見て以来、ジュード・ロウ祭りを週末にひとりで開催。
会社の同僚からも、「ひとりジュード祭りをしている姿を想像すると可笑しい」 とからかわれつつ、見ていない作品も多々あるので、じっくりと攻めていきたいと・・・
ジュード・ロウのカテもいつの間にか作っちゃった。

さて、『アルフィー』。『スルース』 が 『探偵スルース』 のリメイクだったように、ジュード・ロウ主演の『アルフィー』 も 1966 年に製作された 『アルフィー』 のリメイク。それも、やっぱりオリジナル版の主演はマイケル・ケインで、ジュード・ロウはここでもマイケル・ケインの演じた役を演じるという 『スルース』 と同じパターン。

『スルース』 のインタビュー記事にも 『アルフィー』 の話が出ていた。あの時は 『アルフィー』 を見ていなかったので、よくわからなかったけれど、ようやく納得。リメイク版アルフィーにジュード・ロウを推薦したのはマイケル・ケインだったそうだ。

ストーリー
アルフィー (2004年)( link to goo 映画)
アルフィー (1966年)( link to goo 映画)

全体のストーリーは変わらないが、社会における女性の存在の変化にあわせたのか、女性の設定が変わっているのに、不思議とアルフィーの設定がほとんど変わっていないのが面白い(笑)。両作品とも、アルフィーをとりまく女性陣が個性豊か。

この(両)作品の撮影方法は独特で、アルフィーとアルフィーめぐる女性のストーリーとともに、アルフィー自身が心の中をカメラに向かって(観客に向かって)ナレーションする方式がとられている。一方で映画の本来のストーリー、もう一方でアルフィーの語りが同時進行する。

リメイク版では、そのカメラワークがとても面白いのと、ジュード・ロウの切り替えがとても上手い。オリジナル版製作当時、独白劇というわけでもないのにカメラに直接話しかけるという手法は斬新だったそうだ。

オリジナル版ではカメラに語りかける時のアルフィーはほぼ静止状態だけれど、リメイク版はジュード・ロウが歩いて動きまわりながら話しかけるので、カメラも一緒に動く。そのため、この語りかけとストーリー本体との切り替えがさらに難しいように思えるけれど、そこはジュードの演技力に感服

カメラに向かって語りかけるという手法は、観客が目の前にいるかのように意識した撮り方で、とても演劇的だな・・・と思ったら、これは 1963 年ロンドン初演の演劇がベース。当時の大ヒット 「喜劇」 だったそうだ。

先にリメイク版を鑑賞。設定が NY になっている。スタッフの裏話によると、現代ではこういう色男がしっくりはまる街は NY だろうということで決ったそうだ。ロンドンには合わないらしい(笑)。オリジナル版は完全にイギリスが舞台。

アルフィーは、数人の女性と付き合っているが、女は面倒な存在なので決して深く付き合おうとしない。そこそこ楽しんで、人形を取り替えるように次から次へと女をわたり歩く自分勝手な男で、女の敵みたいな存在。

ジュードがアルフィー役だと、たとえ女の敵のような存在であってもどこか許せてしまう 「甘さ」 があって、見終わった後でも 「アルフィーがんばれ」 と旗を振っている自分がいたりする。

演劇では 「喜劇」 だったと読んでやや驚いた。もちろんコメディ的色彩は濃いのだけれど、オリジナル版ではマイケル・ケインのアルフィーに向かって旗は振れない。そんな軽さは許してもらえないというか、いかにも英国的という sarcasm (皮肉)に満ち溢れている。マイケル・ケインはこの作品でアカデミー賞主演男優賞を受賞。