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ポジフィルムは種類が多岐にわたっている。「自然な色合いを出すタイプ」、「原色を鮮やかに出すタイプ」、「温かみのある色を出すタイプ」、「やや地味な色合いになるタイプ」。ざっと、こんな感じだ。しかし、取材の現場ではフィルムを使い分けることはなく、持って行くのは一種類だけだ。僕が、使っているのはコダックのエクタクローム100(日本名Dyna)。アマチュア用に分類されている。世界でもっとも普及しているポジフィルムだと思う。プロ用のポジフィルムは繊細で、温度や湿度に敏感すぎる(らしい)。
昔、バッグパッカー時代、プロ用ポジフィルムの耐久テストをしたことがある。長旅に出る前に各種プロ用フィルムを一本ずつ買い揃え、ジプロックに入れ、ザックの底に放り込んでおいた。詳しくは覚えていないが、たぶん一年くらいはザックに放り込んだままになっていたと思う。ポジフィルムは「13℃で保存せよ」となっている。旅の最後に、トルコでこのフィルムを取り出してカッパドキアなどで撮影した。その後タイで現像。暑い地方、寒い地方を回った後だったので、どのくらい損傷しているものかと期待したが、予想に反して、きれいに写っていた。色の褪色などを丹念に調べてみたが、発見できなかった。カメラ雑誌に書いてあるほどには、プロ用ポジは軟弱ではなかった。
それでも、取材にはアマチュア用エクタクロームを使っている。プロ用よりは耐久性があるとされている。世界中たいていの国で手に入る。一回の取材に、40~50本持っていく。余れば冷蔵庫の野菜室に放り込んで、次の取材に使う。
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コンゴの取材では、APのカメラマンは、ジャングルの真っ只中の無人の町に、現像キットとミネラル・ウォーター一箱、ドライヤー、そして小型発電機まで持ってきていた。昼間ヘトヘトになるまで撮影したあと、夜にネガフィルムを現像し、乾燥し、カットし、選別し、スキャンし、PCで画像処理し、そしてやっとインマルサットで本社へ送信していた。”いや~大変だなあ、こんなジャングルの中で”と思いながら彼の作業を眺めていた。こちらは暇なので、のんきに話しかけたりして、さんざん邪魔をしたのだが、彼は飄々と作業していた。神経質なカメラマンだったら、怒鳴っているだろう。たいへん陽気なタフガイだった。
しかし、いまでは通信社、新聞社は銀塩フィルムから、完全にデジタルに移行した。2000年あたり以降、ほんの数年の出来事だ。プロ用のデジタルカメラの性能が上がり、価格は下がったからだろう。いまや現像キットもミネラル・ウォーターもドライヤーも要らなくなった。カメラをパソコンにつなぐだけで終了する。通信社のカメラマンにとっては、百年に一度の大変革だ。僕も、サブのサブとして、コンパクトデジカメを持っている。友人からのもらい物だが。
今後、デジタルカメラの画質がさらに向上し、価格も低下すると、音楽記録がレコードからCDに取って代わったように、写真も銀塩フィルムから記録メディアに完全に移行してしまうのだろうか。ポジフィルムの透明感はちょっと捨てがたい。
いつもブログ拝見させてもらっております。あの透き通るような空気感のある写真は、かなり過酷な環境で撮影されているのですね。フィルムは人間より暑さに強いことが分かって安心しました。僕も、うっかりするとカメラがアツアツになっていることがあります。一見、華奢なようで、フイルムは案外根性があるんだなあ。
僕の住んでいる地域は夏場の日中気温が五十度を超えます。
前にカメラが熱くて触れなくなるほどネツを持ったことがありましたが、その日に撮ったフィルムを現像したところ、何の問題も見られませんでした(フィルムはB/W)。
その時に思ったことですが、フィルムがイカレル前に人間がダウンしますね。脱水症状を起こして倒れそうになりました・・・
いずれ、こちらから教えを乞いにまいりますので、よろしくお願いします。
でも、私にはどうも難しくて…まぁ何も知識の無いところに英語で全てをやりだしたからでしょうか。ちゃんと勉強して、少しくらいは中司さんのお話に「あ~、うんうん。」とうなずけるようになってみたいです。笑
Yea,TV crews bring huge and heavy bags.
And one TV camera cost hundred thousand dollars.My main camera cost two hundred dollars.
再見
こんなこともあるんですね。
こちら、いまだ世界を転々とし、日本でも転々としているので、連絡不能となった方が多いです。
ご連絡は、下記メールアドレスまで、どうぞ。
leonlobo@mail.goo.ne.jp
当ブログをご覧の方もご利用いただいてけっこうです。
ちなみに、あのカイバルホテルはとっくになくなりました。ご存知でした?
さて、どのように連絡をとったらいいでしょう? 一度来てくれたところからわたしもすでに引っ越しています。1キロも離れていない隣町ですが。
ところでカメラは18年前のものをいまも使っています。ニコンは頑丈ですね。