報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

変わらぬNHKの体質

2005年09月21日 22時04分29秒 | □郵政民営化
20日、NHKは一連の不祥事を受けて、信頼回復に向けた経営改革の「新生プラン」を発表した。

「何人からの圧力や働きかけにも左右されることなく、放送の自主自律を貫く。」
と、最初に謳っているが、そんな建前で視聴者の信頼が回復できると思ってもらっては困る。

そもそも自らの不祥事を受けた「新生プラン」の中に、なぜ【受信料の公平負担】などという項目があるのか。NHKの信頼回復への取組みと受信料とは別の話だ。それをセットにするところに、NHKの見え透いた意図がうかがえる。

要するに、この「新生プラン」の本当の目的は、
「NHKは、信頼回復に向けて”プラン”を出したのだから、視聴者も”受信料”を払え」
ということだろう。

こういうのを大名商売というのではないのだろうか。視聴者不在の単なる建前を並べただけの「新生プラン」で、受信料を払ってもらえると本気で思っているのだろうか。失った信頼の回復とは、そんなにたやすいことではない。かえって受信料不払いが増えるだけではないだろうか。

NHKは、自らの不祥事が不払いを招いたにもかからわず、「民事手続きによる受信料の支払い督促の活用」ということまで謳っている。そしてそれを「受信料の公平負担」などという詭弁で正当化している。

NHKは勝手に電波を飛ばしておいて、契約を強要している。まるで押し売りだ。WOWWOWのように電波に”マスク”をかけることは、技術的には簡単なはずだ。それをすっ飛ばしておいて、受信料不払いを犯罪行為でもあるかのように言うのは、卑劣としか言いようがない。視聴者を恫喝しておいて、信頼回復もないものだ。

おそらく、今回の「新生プラン」の本当の目的は、NHKの念願である”法的措置”の導入にあるのだろう。本末転倒もはなはだしい。

受信料不払いは、着実に増えている。少し前まで117万件であったが、いまは130万件に達している。NHKは、なぜ受信料不払いが増えているのか、その本質に取り組もうともしないで、法的手段に訴えるぞ、と視聴者を恫喝する。NHKの姿勢は、どこかの首相と似ていなくもない。