報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

土壇場

2005年09月10日 08時32分23秒 | □郵政民営化
これまで、「郵政民営化」に関して、いろいろなサイトを参考にしてきた。一部はリンクしてあるが、リンクしていないものもある。リンクしていないものは、たいへん参考にはなるのだが、最終的にどういう人物かよくわからないので、人様に紹介して問題がないだろうかと若干の不安があった。

そういう参考サイトのひとつが、最新の更新で、遠まわしだが「投票は小泉自民しかない」という意味以外に受け取りようのない内容だった。それまでは、『郵政民営化法案はアメリカの国益のためのアメリカの法案である』『世界一安全な日本経済、国民の貯金箱、世界一安心な保険をアメリカのために崩壊させていいのか』と明言していた。

ただ、この方は「郵政民営化」反対ではなかった。
『私の見解は「特に持株会社に4社株放出後一定の買戻し権を持たせる」ことを条件に郵政民営化賛成である。』『貯金会社と(簡易)保険会社が外資のM&Aに対抗できるよう持株会社の4社株買戻し権だけは温存すべきである。』
という条件付での賛成だった。

その考え自体は、たいへん理にかなったもので、間違ってはいない。しかし、小泉首相は、そうした法案修正など口にしていないのに、なぜ小泉自民への投票呼びかけになるのだろうか。別にこの方を非難するつもりは毛頭ない。深い考えあってのことなのだろう。相当頭の切れる人であることは間違いない。投資の世界ではかなり名の知れた人のようだ。肩書きは、国際金融アナリスト。政財界に幅広い人脈もありそうだ。サイトの読者は100万とおっしゃっている。だとすると、発言の影響力はかなり大きい。

この方の書くものは、多少用心して読んではいたが、国際情勢の分析はユニークで、おもしろい。あまりの強気の発言に、そこまで言い切って、もし外れたらどうするのかな、と心配したりもした。そう思いながらも、たいへん参考にさせてもらった。そもそも国際情勢など流動的で本来予測できるものではない。それを言い切る気風のよさがなかなか豪快で好きだった。

投票をまじかに控え、各方面にはかなりの圧力がかかっているに違いない。たとえばサイトをリンクしている森田実氏は、テレビ出演がほとんどなくなったようだ。経済的には大打撃に違いない。選挙後も同じ状況が続くだろう。それでも筆法は衰えない。ちょっとハラハラする表現もあるくらいだ。

最新のニュースでは、「郵政民営化」に反対票を投じた自民の参院議員二人が賛成に転じるようだ。棄権・欠席の8人もほぼ賛成にまわる。反対派参院議員からあと3人が賛成に転じれば、小泉首相は郵政法案を成立させることができる。小泉首相の恫喝もこれから本格的になるだろう。

土壇場になってみないと、人間とはわからない。
そういう意味では、いろいろなものの真価がはっきり見える好機なのかもしれない。