倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

保育園での虐待事件…その背景にあるもの

2022-12-05 | 日記

静岡県裾野市の認可保育園の3名の保育士が、複数の園児に対し さまざまな虐待行為を行なっていた事件について、裾野警察署は4日 当該の3名を傷害の疑いで逮捕(検挙)したことが報じられました。

 

 

 

 

裾野署によると、11/29の報道で事件を認知し 即日捜査を開始。その後の関係者からの証言などから僅(わず)か5日でのスピード逮捕となりました。

先ずは、この 警察の初動の早さを評価すると共に、これまで曖昧(あいまい)であった これまでの蛮行の「経緯」と「動機」について、司法の手で厳しく調べが行なわれることを期待したいところです。

これらの事案に際し、被疑者は往々にして「しつけのつもりだった」と申し開きをするところですが、実際には それぞれの行為は社会通念上の常識を大きく逸脱しており、(先日も触れましたが)かかる異常な行為が「施設内の常識」としてまかり通っていたこと、そして それらがいかに非道(ひど)いものであったかを 捜査を通じて炙(あぶ)り出してほしいと願う者の一人です。

このこと(逮捕)によって、おそらく行政の内部調査のようなものでは緩(ゆる)くなりがちな(調査の)内容が、事件として扱われるようになったことから一気に具体的かつ厳正なものへと転化します。

そういう点では、(繰り返せば)警察が行政任せにせず 現場に踏み込んでくれたことは英断であり(それも報道で事実を知ってから警察判断での行動喚起)、異例ともいえる今回の摘発は「虐待かしつけか」との曖昧な部分に(これは虐待=犯罪だ)と(司直が)シッカリ線を引いたという面からも、イイ意味での事例となったと(重ねて)評価するところです。

 

また、重ねての報道で 裾野市(行政サイド)が、当該保育園の園長が「この問題を口外しないよう求める誓約書」を全職員に書かせたとして 犯人隠避の疑いで(園長を)刑事告発をする方針を示し、さらに 施設運営の管理責任があるとして、所管の管理者(裾野市職員)はもとより、裾野市長についても(自ら)処罰を検討していることが報じられ、こちらの対応についても評価されるところです。

ややもすると 処罰の対象は犯罪行為を行なった当事者に止(とど)まる…いわば〝トカゲの尻尾切り〟に終始するところですが、裾野市(市長)においては これを連帯責任と捉え、厳正に対処することを表明していることは、いわば「常識」として 他の規範となるべきところでありましょう。

 

これまでの報道によると、当該の園長は〝(前掲の)口外しない誓約書〟の他にも、内部告発した職員に対し 土下座をしてこれ以上の口外をしないよう乞うたとのこと…これは全く〝逆を向いた行為〟と言わざるを得ません。

本来 管理職であれば、万一 職員に不適切な行為があれば、それを指摘し 改めさせるのが職責というものでありましょう。

それが、園長自らが〝もみ消し〟に走り、あげく土下座や誓約書まで書かせて事実を隠蔽しようとしていたとは…。

もしかしたら、一番の悪は この園長(の行為)なのかもしれません。

そのこと(隠蔽工作)によって、被告となる3名は「守られている」と勘違いし、タカをくくって過ごしていたのかもしれません。

 

さらに言えば 事件発覚後に行なわれた保護者説明会では、当該の園長は「申し訳ありません」とか「全て私の責任です」のオウム返しで「どのような経過か」とか「ではどうする」などの具体的説明が無いままに終始し、さらには 本来まっ先に謝罪ざせるべき当事者を同席させないなどの〝中途半端説明会〟となったことが、かえって保護者の反発を招くことになったことが報じられており、ここにも何ともいえない隠蔽体質が現れることになっています。

 

これら全てに共通していえることは「向いている方が逆」ということではないか と。

保育所でありながら、保育をせずに(保育士の気の向くままに)あげく虐待に走る。

事実が露呈しても、真実を語ろうとせずに隠そうとする。

管理する立場でありながら、当該職員に改めさせること無く、他の職員の口を塞(ふさ)ごうとする。

利用者(保護者)に対し、事実(経過)や具体的対応を述べること無く「全て私の責任」で片付けようとする。

 

今回の事件は、素早い警察の介入により 一気に場面は司直の手に委ねられることになりました。

今回の事件→適切対応を好事例とし、ややもすると曖昧のままに終始する福祉行政に厳しいメスが入ることを期待し、ここ(裾野市)に止(とど)まらず 各地で適切対応の輪が広がることを期待して止まないところであります。

また、私の立場においても「福祉」というもの(事業の実態)を 改めて見つめ直す機会としたところでありました。

 


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これほど 職責をはき違えた業務があるか =保育園での虐待事件=

2022-12-02 | 日記

開催中の『サッカーW杯2022年カタール大会』予選リーグで、わがジャパンイレブンは快進撃を重ね、名門ドイツと無敵艦隊スペインを相次いで破り 予選リーグ1位で決勝トーナメントへの進出を決めました。この快挙については今さら申し上げることもありませんが、特にスペイン戦において(私もライブで見守る中)決勝の2点目につながる三苫選手のアシストプレーでのVAR判定について、その結果待ちの時間が何と長かったことか…と、全国のサッカーファンと意識を共有したところでありました。

 

 

 

このうえは イレブンをして〝違う景色〟と言わしめたベスト8をめざして悔いのない戦いに臨んでもらいたいと願うばかりです。

ただ…〝勝てば官軍 負ければ賊軍〟の諺(ことわざ)どおり、一部の心無い俄(にわか)ファンが 例えばドイツ戦に勝てば褒(ほ)め、次のコスタリカに負ければ貶(おとし)めるような言いたい放題のコメントを発(はっ)していることに心を痛めるところであります。

結果が全てとも言えるプロスポーツの世界ですが、この際は そこに至るまでのプロセスにも心をいたし、温かく そして力強く(決勝トーナメントを)応援してゆきたいものです。

 

 

 

 

 

◆これほど 職責をはき違えた業務があるか =保育園での虐待事件=

子ども保育の聖地であるハズの保育園で 常人では考えられない事件が起こされ、にわかに信じられない思いがすると同時に 一連の非道な行為について、この施設の(当該の)職員たちが、本来 為(な)すべき職責をはき違えて業務に向き合っていたこと、そして そんな非道が〝自分たちの常識〟としてこの施設でまかり通っていた事実に、怒りをとおり越して強い憂慮の念を抱かされました。

 

 

 

報道によると、静岡県裾野市の認可保育園の3名の保育士(30~40才代)が 複数の1才園児に対し、さまざまな虐待行為を行なっていたそうです。

園児の頭をバインダーで叩く・給食を食べない園児の脚(あし)をつかんで宙づりにする・「ブス」などと暴言を吐く・園児にカッターナイフを見せて脅す・就寝中の園児に対し「ご臨終です」と言う などの信じ難い行為の数々です。

 

 

 

 

これらの蛮行が明らかになった後 保育園は保護者説明会など釈明の場を設けましたが、その説明内容は曖昧(あいまい)なものに終始し、何より 本来であれば(まだ訴訟等に発展していないのだから)虐待をした当事者(保育士)が出てきて謝罪すべきところ、それも無しということで、不信が不信を招く事態へと まさに泥沼化の様相を呈しているようです。

 

・・・・・・。

今回、なぜにこのような虐待行為が行なわれたのか?

そこには、この保育園や 他にも高齢者福祉施設や障がい者支援施設など、総じて「福祉施設」とされる施設にありがちな〝職員が陥(おちい)る勘違い〟を指摘する向きがあります(以降 保育園であれば「園児」高齢者福祉施設では「高齢者」・障がい者支援施設であれば「障がい者」を、総じて「利用者」と称します)。

 

本来 各施設の職員は 利用者の福祉向上のため、もっと言えば 利用者に不利益が生じないようにに努(勤)めることが職責であるハズであります。

もっと言えば (従前にも触れましたが)利用者を「顧客」と捉え、然るべくサービスに徹しなければならない立場でもあったハズです(但し この場合の「然るべきサービス」とは、単に盲従するのではなく 例えば保育園であれば「親代わり」として責任ある行動(保育)に努めるという意味です)。

 

ところが、例えば この保育園の悪職員は、利用者の福祉向上に努めるどころか 職場(業務)が自分のテリトリーであると勘違いし(すり替え)、自分が上⇔利用者が下 である・自分(職員)が利用者を〝管理〟する立場であると決めつけたことで、かかる蛮行に走るようになったのではないか、と。これが第一の悪。

そして 第二の悪は、そんな〝勘違い〟が「施設内の常識」としてまかり通ることで、同じ職場に居る者たちの感覚もマヒし、その施設内では蛮行が蛮行でなくなり 行動がますますエスカレートしてしまったことでありましょう。

さらに言えば そこには第三の悪も。

今回の保育園の事件は 内部告発によって明らかになり、この事件について 管理する立場である裾野市の市長も「刑事告発を検討」としていいることから、その〝常識ある判断〟には一定の評価がされるところですが、往々にしてありがちなのが、本来 施設運営の過ちを正す(質す)ハズの、先ずは職場の上司 そこから施設長~関係団体の長~所管する行政職員 など順を追っての管理者らが実態を正しく把握せず・または把握していても敢えて改善しようとしない怠慢(馴れ合い)姿勢が、かかる蛮行を助長する〝陰(かげ)の要因〟となっているところであります。

 

 

今回の保育園の事案(事件)は、決して対岸の火事ではありません。

事(こと)ほど左様(さよう)に、人々が暮らす地域社会においても「福祉」の皮をかぶった勘違い行為が横行しているのが実態であることが伝えられており、そこに強い憂慮の念を禁じ得ないところです。

 

今回の信じらでないニュースに接し、私の立場でも 社会に遍在する福祉現場における問題を把握し改善に努めなければならない…職責を強く意識したところであります。


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