大きな社会問題となっている「青木島遊園地廃止問題」ですが、年度末となった31日、長野市の所管課職員が 遊園地の4月30日をもっての廃止、現状復旧工事のための4月中旬をもっての閉鎖を知らせる掲示物を設置したことが報じられました。
かかる看板は、遊園地の出入り口にあたるフェンスに貼られています。
内容は下記のとおり。
青木島遊園地は、令和5年4月30日をもって廃止します。
現状復旧工事を行ないますので、令和5年4月中旬には閉鎖いたします。
長い間ご利用いただき、ありがとうございました。
長野市公園緑地課
以下、記事の全文です。
長野市が、廃止を決めた同市青木島町大塚の公園「青木島遊園地」を4月中旬で閉鎖することが31日、分かった。同日、掲示物を公園に設置。4月末での廃止も記載した。
関係者への取材で、市が地元区長会を対象に原状回復工事についての説明会を6日に開くことも分かった。
公園の土地は借地で利用期限は4月末までとなっている。市はこれまで、遊具を撤去するなどした上で同月中に地権者に返すと説明していたが、閉鎖時期は明言していなかった。
市公園緑地課は取材に対し、閉鎖の具体的な日時は「未定」としている。
公園は2004年4月に開設。「子どもの声がうるさい」といった苦情をきっかけに市が22年2月にいったん廃止を決めた。ほとんどの住民に知らされないまま手続きが進んだことに反発の声が上がり、荻原健司市長が今年2月11日に再検討を表明したが、後利用計画があるとして3月1日に再び廃止を表明した。そのうえで、地元区長会を対象に 原状回復工事についての説明会を6日に開くことも分かったとのこと。
公園の土地は借地で 利用期限は4月末までとなっている。長野市はこれまで、遊具を撤去するなどしたうえで同月中に地権者に返すと説明していたが、閉鎖時期は明言していなかった。
市公園緑地課は取材に対し、閉鎖の具体的な日時は「未定」としている。
公園は2004年4月に開設。「子どもの声がうるさい」といった苦情をきっかけに市が22年2月にいったん廃止を決めた。
ほとんどの住民に知らされないまま手続きが進んだことに反発の声が上がり、荻原健司市長が今年2月11日に再検討を表明したが、後利用計画があるとして3月1日に再び廃止を表明した。
廃止差し止めを求める住民監査請求も出されたが、市監査委員が同28日に棄却した。
自治体の運営(行政事業)は「単年度」を基準として行なわれることになっています。
4月1日をもって始まり、3月31日をもって終わり。これは、事業しかり・会計しかり・人事しかり…あらゆる事務事業が 一年間(一年度)を一期として区切りをつけることが旨(むね)とされています。
そういう意味合いにおいて、今回の「遊園地廃止の掲示物」も 年度末の区切りをもって掲示されたことと拝察されます。
とりわけ、年度末においては「人事」も改編(異動)が行なわれることから、おそらくは 令和4年度に、この遊園地問題に絡んだ職員が現職(担当)のうち(任期内)に何らかの区切りをつけなければ との思惑も絡んで、3月31日のこの日に「廃止を通知する掲示物」を設置したのではないかとも思われます。
「イロイロあったけれど、廃止と(市長が)決めたから、年度内のうちに(廃止を)市民に伝達した」との〝担当(課)としてのケジメ〟をつけたのではないか と。
しかし それ(ケジメ)は、所管(課)の一方的なものでしかありません。
これまでも触れていますが、青木島遊園地廃止問題については 未だ不透明な点が多くあり、あまねく住民が廃止に向けて納得したワケではありません。
市(市長以下 所管課)においても、廃止そのものは市長が表明したものの、それも議会の場と記者会見で行なっただけで 当の地元住民にキチンとして形で行なったものでは何らありません。
いわば 市は説明責任を未だ果たしていないのです。
にも拘わらず、またも市(所管課)は「廃止します」との意思表示を 現場に掲示物を掲げただけで済まそうとしているのです。
廃止を一方的に表明したときに あれほど厳しい批判を受けたのに、またも同じ轍(てつ)を踏もうとしている現場の実態。
年度末の駆け込みというか 人に言わせれば「〝掲示物〟で済まそうといいうのは、市の逃げの姿勢に他ならない」との評価も…残念でなりません。
で…さらにタチの悪いことに、廃止の最終通告の説明を またも区長会だけを対象に行なうとのこと。
さきの住民説明会を開くことになった(開かなければならなくなった)経緯を全く踏まえていない〝おんなじことの繰り返し〟には「どうなっているんだ」と言わざるを得ないところです。
(このことは、さきの住民監査請求に対する監査委員会の報告の中にも。「区長会に説明したことで全ての住民に説明したと解釈し得る」旨の判断には疑問を呈せざるを得ないところでありました)
確か市長は、住民説明会の後に「区長会に任せ過ぎた」と話したハズであります。
それが何故か、またも区長会をハブとして〝住民説明〟に代えようとしている。
〝年度末の節目〟を経て、またも長野市は事態をなし崩し的に前へと進めようとしています。
市民の良識という草の芽が、ブルトーザーで押しつぶされようとしています。