今や社会の大きな社会問題となっている「青木島遊園地廃止問題」は、開会中の 長野市議会3月定例会においても論戦の的となっています。
そんな中 市のリーダーである荻原健司長野市長は、議会初日の施政方針演説の中で「未だ熟考中」としたうえで「近く私の考えを示す」と皆に大きな期待を抱かせたあげく、結局「廃止」を打ち出して大きな落胆を誘いました。
そのうえ、その廃止理由が 今間まで尾首(おくび)にも出していなかった「地主の意向」とし、さらに詰問(きつもん)を受ける中で、例えば2/11に行なった住民説明会の時点でも 地主に借地期限の再延長を交渉している事実を(市民に)報告しないままに市民と向き合っていたことを認め「二枚舌の背信行為」と激しく非難されることになりました。
この顛末は、市が 自らの都合で、区長会(=一部の市民)との取り交わしだけで 土地の返却を(地主に)申し入れておきながら、その後の存続を願う世論に慌てた中で 再び地主に話しを元に戻してくれと乞(こ)うも「何を今さら」と断られた、まさに自業自得を絵に描いたようなお粗末対応でありました。
で、さらに問題視されているのが その間の市(市長)の言動です。
廃止を巡って 発言も二転三転を繰り返し、極めつけは 2/11の住民説明会。
「フラットな気持ちで住民の声を聞きたい」と、いかにもまだ何にも決まっていないような口ぶりで多くの地元住民を集め、その後で「廃止だけでいくのはどうかな…」などと 廃止見直しを匂わせるような発言をして、多くの市民を〝その気〟にさせておきながら 出した結論が「地主都合で廃止」です。
で、あろうことか この間、市(市長)は 地主と借地期限中途解約の手続きを進めており「フラット」どころか大きく廃止に向けて傾いていたのに それを隠す格好で市民と向き合っていたのでした。
こんな理不尽がありましょうか。
今回の顛末は 道義的にも許せないとの思いを強めると同時に、一方で なぜ市(市長)は、こんな風に市民にウソをついてまで「廃止」に拘泥するのか 不思議にさえ思えるところでありました。
せめて、新たな体制(放課後児童の学校施設での受け入れ)が整うまでの間まででも 借地期限を延長してもらえばイイじゃないか。私だけじゃなく、多くの関係者が思うところです。
そんな中、不動産事情に詳しい御仁(Aさん)が 私にこう話してくれました。
「長野市は、もう のっぴきならないとこまで来てるんじゃねーか。」
「去年の段階で 市(担当課)は、地主が「住民の意向と違う」とのまっとうな理由で土地の返却に反対していたのに、それを説得する形で あくまで廃止を申し入れた。それを聞いた地主は 市の(廃止への)ハラが固いと判断して(廃止を)受諾、そうなれば その後は後利用計画へ一直線さ。」
「市は、地主とは それほどの廃止契約は進めてなかったと言うけれど、他方 地主と不動産業者はかなりの事業(契約)を進めていたんじゃないか。そんなトコへ「案に相違して世論が高まったから やっぱりまた借地期限を延ばして…」などと翻意を促してみてもダメさ。ガキの使いじゃあるまいし。」
「たぶん「そこまで言うなら違約金を払え。」とでも言われてるんじゃねーの。オレならそうするね。ここまで振り回しといて「やっぱり止(や)めた」は ねー(無い)ってもんだ。」
「で、サ。」とAさん。
「一番の罪は、住民説明会だ。」と断じます。
「だって 市(市長)は知ってたんだろ。もう 状況がのっぴきならないとこまで来てることを。」
「なのに、それを一切カオにも出さずに「フラットな状態で(意見を)聞きたい」だって?何がフラットだって。市はみんな知ってたんじゃねーか のっぴきならないことを。」
「後でそれを聞いて、オレは思い出したね。終戦間際の大本営発表を。」
「多くの戦地が玉砕 ゞ で敗走しているのに、軍の幹部は 本陣でふんぞり返って、あげく国民には「わが損害は軽微なり」と事実と全く違う報道を流させて場を繕(つくろ)っていた。あれと全く同じじゃねーか。」
「で、これが そもそも悪気(あこぎ)な市長ならまだイイ。ところが、荻原市長はスポーツマンの金メダリスト 清廉潔白をモットーとしていた人だから、その人が表裏(おもてうら)のある行為を承知してた。この 高いとこ(清廉さ)から落ちた(ダーティーな)イメージ悪化の落差は大きいんじゃねーの。」とも。
最後にAさん「荻原市長は完全に失敗したな 今回のジャンプを。部下に押されてジャンプ台を飛び出したのはイイが、世論という風に押されて飛型を崩し 今や大転倒の様相だ。負ったケガが大きくなければイイけどな。」と。
誰がどう見ても理不尽にしか映らない顛末は、第一義に子どもたちの居場所を奪ったままに推移するだけではなく、メダリスト市長をも転倒(=支持率低下)に貶(おとし)めることになってしまいました。
残念に他ならない、これまでの諸行であります。