倉野立人のブログです。

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「サル痘」が国内初の確認 =コロナに学んだハズの健康を守る安全保障を=

2022-07-26 | 日記

7月25日、国内で初めて「サル痘(感染症)」の感染者が確認されたことが報じられました。

東京都内在住の30歳代男性で、先月下旬 ヨーロッパに渡航し今月中旬に帰国していたとのことで、来訪先で感染者との接触があったようです。

 

 

 

「サル痘」とは、サル痘ウィルス感染による 急性発疹などを主な症状とするウイルス感染症で、感染症法では現在4類感染症(主に動物を介してヒトに感染する感染症が該当)に指定されているとのこと。1970年にアフリカのザイール(現在のコンゴ民主共和国)で初めて報告され 西アフリカや中央アフリカで地域的に発生していたものが 今や世界的な拡大傾向にあるとのことです。

現在は スペインをはじめ世界75の国や地域で1万6千人を超える感染者発生が報告され、さきには WHO(世界保健機構)が「サル痘緊急事態宣言」を発出するに至っています。

 

 

 

サル痘ウィルスに罹患してから発症するまでの潜伏期間は 通常7~14日間とされており、潜伏期のあと 発熱・頭痛・リンパ節の腫れ等の症状が5日程度続き、発熱1~3日後に全身に発疹が出現するそうです。これまで流行してきたものでは2~4週間で自然回復する例が多いとされていますが、小児や妊婦・免疫不全者が罹患すると重症化する場合もあるとのことです。

 

 

 

このサル痘、ヒト⇔ヒトの感染が顕著のようですが、その経路は やや特殊なルートを辿るようです。

感染者の皮膚病変などとの濃厚接触・感染者からの飛沫感染 さらには感染者が使用した寝具などを介する感染の可能性も考えられているとのこと。最近の感染では 主に男性同士(同性間)での感染ルートが多いものの それを端緒に女性にも感染し、女性の感染も報告され始めているとのことです。

 

 

 

サル痘の治療は「対症療法」のみだとのことですが、予防には天然痘ワクチンが有効とされており、厚労省では 今後必要に応じて接触リスクの高い人への天然痘ワクチン接種を「特定臨床研究」の枠組みで(接種を)検討する、と伝えられています。

 

 

 

【参考】サル痘感染者発生に伴う厚生労働省のサイト

         ↓

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27036.html

 

 

 

今回の「サル痘 国内初の感染者確認」に際し、専門家は「発症から10日間をめどに どの位の第三者と接触したかが感染拡大の成否を分けることになりますが、感染ルートは コロナ感染症と違い「接触感染」が主になっているので(コロナのように)異常に広がることは考えにくいと思いますので、1人の感染者が出たからといって非常に危険だというレベルにはなってないと考えられます。」とコメントしていました。

他方、他の専門家は「サル痘に効果がある「天然痘ワクチン接種(種痘)」は、1976年くらいまでは全国民に接種され、それは一生続く免疫を残すとされていますが、それ(1976年)以降に生まれた人は接種していないので免疫がありませんしたがって、現在のサル痘≒天然痘への対処などの考え方は (天然痘)ワクチン接種を行なっていた頃の状況が前提となっていることから、全く免疫がない世代が(サル痘に)感染するといったい何が起こるのかは未知数と言えるのではないでしょうか。」と警鐘を鳴らしておられました。

 

 

併せての報道によると、国内ではこの他にも「手足口病(感染症)」が 新潟や千葉で拡大の様相となっていることも報じられ、今や列島は コロナウィルス感染症のみならず、さまざまな感染症の発生に見舞われているようです。

 

 

 

 

私たちは この3年間「コロナ禍」と対峙し、苦杯を舐めながら それでもそこから いろんなことを学んできたハズです。

一方、社会を跋扈(ばっこ)する感染症については コロナ感染症だけが全てではなく、今後も(サル痘や手足口病のように)さまざまな感染症が発生することが予想(懸念)されるでしょう。

そんな 如何(いか)なる場合においても、これまでの経験や知見を活かし 冷静かつ適切に対応することこそが、コロナ禍で失われたとされる今までの時間を 次に活かす機会に他ならないと考えるところです。

そのうえで言えば、今 多くの識者が宣(のたま)う「サル痘は(コロナのように)広がらない」と決めつけるような見解(判断)には、一抹の不安を覚えずにおれません。

顧(かえり)みれば、さきの新型コロナウイルス感染症も 最初の頃は「大したことない 水際で封じ込める」との安易とも言える判断(対応)が、あたかもボヤが大火事を招くような甚大被害につながってしまいました。

今後、この「サル痘」が コロナの如く変異しないとも限らないことから、従来の〝天然痘の延長〟程度の認識に止(とど)めず ここは初期のうちに徹底した対応に努め、よもやコロナのような感染拡大にならないよう取り組むべきと思うところです。

 

人民を守るための「安全保障」…今こそ「国民の健康を守る安全保障」を発動し、あらゆる感染症に対峙する取り組みを早期かつ適切に履行することを願って止まないところであります。