倉野立人のブログです。

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コロナ感染者の避難所対応について

2022-07-20 | 日記

列島は 東北地方を除いて梅雨明けを迎えています。

総じて空梅雨(からつゆ)だった今年(の梅雨)でしたが、ここへきて その分を取り戻すかのように雨がよく降る陽気となっています。

長野エリアにおいても 断続的に雨の降りやすい日々が続く中、九州をはじめ西日本地方においては 数年前の豪雨災害を彷彿(ほうふつ)とさせるような激しい雨が降っていることが報じられています。

ここ数日 前線に向かって非常に暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、九州は南部や東シナ海側で雨雲が発達し 激しい雨が降っています。

 

 

 

20日の早朝は 雨雲が鹿児島県や宮崎県などに次々と流れ込み、その後は雨雲のラインがやや北上したことから 雨の中心は長崎県や熊本県などに移り、断続的に激しい雨になっているとのこと。9時までの1時間に 熊本県人吉市で30mmの激しい雨を観測したとのことです。

さきの令和2年に大きな水害を起こした球磨川にも氾濫注意情報が出され、流域の住民に 再び注意喚起がなされているとのことです。

 

 

 

但し この雨、夕方以降は湿った空気の流れ込みが少しずつ解消し 雨の降り方はだんだんと弱くなる見込みとのこと。

しかしながら、警戒しなければならないのは むしろこれからなのかもしれません。

これまでの大雨によって 既に土の中には多量の水(雨水)が滞留していることから、状況によっては大規模な土砂災害が発生しやすい状況となっています。

急な斜面や崖の近くの建屋などは土砂災害の危険に晒されることから、雨足が弱まったからといって油断せず、引き続き警戒しながら過ごすよう呼びかけられています。

 

 

 

とりわけ九州エリアにおいては、常に大雨による水害の危険に晒(さら)されることとなっており、同情に堪えないところであります。

とりわけ昨今は 強力な雨雲である「線状降水帯」の発生に伴い、際限のない降雨が続き 思わぬ災害の要因となっていることから「たかが雨」と侮(あなど)ることなく イザというときには速やかに避難できるよう「備え」を怠りなくすることが求められているのは ご案内のとおりです。

 

そんな中、(これまでも触れていますが)災害時の避難において〝難儀な課題〟として挙げられているのが「コロナ陽性感染者・濃厚接触者の避難所対応」であることは コロナ禍発生以降の焦眉の課題となっています。

特に 7月に入って以降、列島は〝コロナ第7波〟に見舞われつつあり、もし 今、避難所設営の危機が到来したとき どのように対応すべきか、関係者は頭を悩ますところです。

被災者(避難民)の中にコロナ陽性感染者がいた場合、または被災した時点で 当該の市民がコロナ陽性になっていたときには、避難所を運営する行政当局は 非常に慎重かつ丁寧な対応が求められることになります。

被災した住民は、等しく被災者として それぞれの社会環境やそのときの状況を度外視したうえで等しく避難所に受け入れられることとなります。

それが、如何なる疾病を抱えていても たとえそれがコロナ感染症であっても、それを理由に(避難所の)受け入れを拒むこと(拒まれること)は あってはならないところであります。

一方で コロナ陽性者を同じ空間に留め置くことは、そこ(避難所)でのコロナ再拡大を助長することにもなりかねないことから、避難所の運営者は 平等避難⇔感染拡大防止の狭間(はざま)の中で難しい選択を迫られることになってしまいます。

さきの「令和元年東日本台風」の際には、コロナ感染症のような疫病は存在しなかったことから、いわば混在のままに避難所へ(被災者を)収容できました。

 

 

 

しかし、現下のコロナ禍の最中(さなか)においては 感染者とそれ以外の人を混在させるワケにはゆきません。

全ての被災者の受け入れと感染拡大防止という いわば相反するものを〝共存〟させることは難しい限りであると思います。

このことについて 長野市に紹介してみると「ケースバイケース」とのことでありました。

避難民の中にコロナ陽性者がいた場合、先ずは医療機関と連携し 病院に収容すべき人はそちらに行っていただくものの、そうでない場合(自宅療養程度)は 避難所において 別の空間(別室・別棟)を設営することを検討するとのことです。

 

 

 

また 避難所においても、これまでの混在型では無く キチンと世帯ごとに区画を設け、ある程度の距離をおいた配置に努めるとのことでありました。

 

 

 

そのうえで 私や行政機関が再確認したことは、たとえコロナ陽性者といえども (避難所の)受け入れを拒否するようなことはあってはならない、ということであります。

災害の危険が迫ったら「迷わず避難」このことを住民相互の合い言葉に据え、コロナ禍などによって避難のためらいが生じたり 避難行動に支障が生じたりすることの無いよう最大限配慮してゆくことを、関係者と共々に再認識するところです。

 

 

 

各地で、またも聞かれる災害の報。

それはコロナ禍の如何に関わらずやって来るものであり、私たちは 如何なるケースにおいても、等しく住民(被災者)の保護にあたらなければならないところであります。

 

【参考】長野市避難所運営マニュアル

     ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/747441.pdf