5/13 Wed.
この日 夕方、、長野市内で18例目となる「新型コロナウィルス陽性感染者」が発生したことが、議員対象の一斉メールで伝えられてきました。市域を移動中だった私、車首の向きを変えて 報告会見が行なわれた保健所の会議室に飛び込みました。
そこで知らされたのは、この18例目となる陽性感染者は、さきに公表された感染者の関連感染(濃厚接触者)であったとのことでありました。
現時点で報告されている内容は 次のとおりです。
陽性感染者 (18) 50歳代(男性) R男さん とします。
・症状及び経過は下記のとおりです。
5月10日 嗅覚異常・耳鳴り・鼻閉感アリ、発熱は無いものの、保健所に相談
5月11日 医療機関Aを受診し、検体を採取
5月12日 PCR検査の結果「陽性」の判定、感染症指定医療機関Aに入院
症状 → 軽症
・行 動 歴 県外へは出ていないとのことだが、詳細は調査中
・濃厚接触者 同居者 4人 (それ以外の濃厚接触者については調査中)
今回の陽性感染者(18)R男さんは、さきに公表された (17)Q男さんと、5/10以前に接触(濃厚接触)しており、(18)R男さんは、(17)Q男さんから感染した可能性が高いとのことです。
この日の陽性感染者の発生を踏まえると、(16)P男さん・(17)Q男さん・(18)R男さんとは関連性があり、3人の感染経路は明確であります。
ただ、今回 3名の感染経路はつながっているものの、その前段階(Q男さんが どこから感染したか)が判っておらず、よって 今回の3事例を総じて言えば「感染経路不明」と判断せざるを得ないところです。
ただ(繰り返せば)、上記の3名ならびに その濃厚接触者については、いずれも経路が特定されていることから 現時点で市(保健所)は、職場名などの特定情報について「公表する段階に無い」とのことであり、もって 適切対応に務めております。
なお、それぞれの事例のうち「濃厚接触者」について 新たに明らかになった事実がありましたので、整理しておきたいと思います。
(16)P男さん 濃厚接触者が25名に→うち5名に何らかの症状があり、現在 経過観察中
(17)Q男さん 同居者以外の濃厚接触者は11名(うち5名は(16)P男さんと重複)
その11名のうちの1名が (18)R男さん
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この報告会見が行なわれる前、私は 文化スポーツ振興部々長と電話で打ち合わせを行ない、明14日、政府の『緊急事態宣言』が 地域別に緩和される見通しであることを踏まえ、せめて屋外のスポーツ施設については、クラブハウスや交流スペースを使用しないこと(=3密回避)を前提に使用を許可するよう具申し、市(所管)も「その方向で検討中」とのことでありました。
と いうのも、(従前にも触れましたが)市民の中で 新コロ対策のために自粛を全(まっと)うする中、運動不足が深刻となり〝新たな健康被害〟が発生しかねないことが警鐘として伝えられてきているのです。
このまま〝引きこもり状態〟が続けば、特に高齢者の中で 身体の硬化や血行不良などによる 宅内転倒や血栓・梗塞などの突発疾病の温床となることが懸念され、新コロで倒れるより早く、そっちの方で重篤な状態に陥る可能性の方が高いのではないかとも言われるほどなのです。
そんな健康被害リスクを回避し、一方で 新コロの蔓延をも防ぐ〝折衷案〟を模索する中で、屋外運動施設の「条件付き再開」を提唱したところ、市も その方向で動いていることとのことで やや安堵していたところでありました。
が…そのタイミングでの 新たな陽性感染者の発生であります。
このことが、明日以降の行政判断に どう影響してくるか。
市(保健所)に その影響について照会すると、ここ数例の感染報告は 感染経路がハッキリしており(=不特定多数によるクラスターでは無い)ので、これをもって 再開を躊躇(ちゅうちょ)する理由にはなりにくいとのことではありましたが、いずれにしても予断の許さない中「市民にとって何が一番有益か」の観点に立って 今後の判断に臨むべきと考えるところです。
なお その後の報道で、加藤長野市長が 会見で、管内(長野市域)での 新型コロナウィルスの情報公開において「(感染者の情報を)公開しないことが市民の不利益とならない場合には、企業は(自社の)感染の事例を公表すべきではない。」と、敢えての形で言及したことが伝えられていました。
これは、感染者ならびに勤務先、ひいては当該の企業への風評も含んだ「さまざまな逆風」を憂慮しての発言であろうと拝察します。
その陰(かげ)には、さきに ご自身も〝濃厚接触者〟となってしまい、その後(ご自身も)さまざまな風評に晒(さら)されることとなってしまった「体験談」が「当事者目線」となって表されたことと思います。
今回の「新型コロナウィルス禍」は、収束の目処が立たず またワクチンが存在しないなどの〝感染への不安〟が人々の心の中に渦巻く中、その不安が〝他者への攻撃〟に転嫁され、今や大きな社会問題となっています。
「あいつが犯人だ!」という風に感染者を特定したり、他者の行動を激しく攻め立てる「自粛警察」なる世論の風潮も側聞される中、万が一 感染者を出してしまったときに、関係者の〝中身〟を どこまで公表すべきか、は、特に行政関係者にとっては 情報公開と個人のプライバシー保護の観点で 難しい判断を迫られるところです。
そんな中で 長野市(市長)は「疑わしきは公開せず」を 改めて確認することとしたものであり、そのことは、今後 新コロに関係するようになってしまったとき、ややもすれば「公表すべし」の風潮の傾向の中にあっても、長野市の企業においては「市民益に反しないならば 公開しない。」との判断基準にもなるところでありましょう。
これまでも 長野市保健所のK所長は、マスコミの「聞く権利」を慮(おもんばか)ったうえで、公表・非公表を毅然とした中で適切対応に務めておられます。
そのうえでの この日の市長発言は、長野市の「(新コロ問題における)個人情報公開の在り方」を明確にしたものと申せます。
但し、さきの 権堂の飲食店とか 整骨院など「不特定多数の客」や、感染によって市民に悪影響が及ぼされる恐れがあるときは 逆に積極公開に臨むことであることから、そんな〝メリハリ対応〟の中で、今後もこの問題に対峙してゆくことになります。
いずれにしても、明14日の政府見解が待たれるところです。