4/15 Wed.
この日の午後、また新たに 長野市内における「新型コロナウィルス陽性感染者」の発生が伝えられました、
そして その感染者ならびに経路(不明)を知らされ、新たな不安を感じさせられることになったのでした。
この日も、私(たち)の元(もと)に「長野市内で6例目となる 新型コロナウィルス陽性感染者が発生した」との一斉メールが入りました。
午後3時半頃、市内で そのメールを確認した私は、篠ノ井方向へとクルマを走らせていましたが 直ちに踵(きびす)を返し、会見の行われる保健所に車首を向けました。
私自身は、この新たな感染者の報を聞いた時点では、先日発症した 権堂の飲食店(「林檎館」)従業員の関係者の誰かに症状が出たのだと思ったものでした。
4時ギリギリに保健所に着くと、会見場の入り口で 出番を待つK保健所長が居られたことから「林檎館の従業員ですか?」と水を向けると・・・何とK保健所長は、苦々しい表情で 首を横に振るではありませんか。
それを見た私は、一瞬 足が止まりました。
「また 別ルートの感染者が出たのか?」
そのうえで、会見での報告内容は、私(たち)を 非常に複雑な思いにさせる内容だったのでした。
報告(会見)によると、今回の陽性感染者は、市内在住の70歳代の女性。
これまで感染者との因果関係は 今のところ無い、とのことでした。
そして この「従来者との因果関係ナシ」これは 非常にやっかいなことと申せます。
前述のとおり、新たな感染者については これまでの感染者と何らかな因果関係があれば、それはそれで判りやすいものです。例えば「林檎館」の同僚とかお客とか。
しかし、今回の陽性感染者は 高齢の女性で「林檎館」をはじめ 今までの感染者とも無関係。
しかも この人は「独り暮らし」で 市外へ出た経過も無い、とのことなのです。
今までの感染者と無関係の、独り暮らしの高齢女性が「新型コロナウィルス」に罹(かか)ってしまった。
その事実を聞いた瞬間、私は動揺を抑えきれませんでした。
「独居のおばあちゃんが、いつ、どのように罹患したんだ?」
そして私は懸念せざるを得ませんでした。「長野市内において、ランダム(無作為)に感染が広がっているのではないか。」と。
こちらのおばあちゃんは 下記の経過を辿っていたそうです。
4月 9日 倦怠感と熱感を覚える(体温は平熱だった)
4月10日~12日 倦怠感が続くため自宅待機
4月13日 医療機関A医院を受診、肺炎が確認されたことから 検体を採取し そのままA医院に入院
4月14日 感染症指定医療機関B病院に転院後「陽性判定」が出たので そのまま入院
また、濃厚接触者は 同居者ではない人 3名とのことです。
今回の6例目の事例は、私たちに新たな懸念材料を示すこととなってしまいました。
今までの陽性感染者と関係が無くても、また 仕事に行くなどの社会活動の無い 独り暮らしの場合であっても、新型コロナウィルスに罹患する可能性がある。
独り暮らしの高齢者、これは 最も社会との窓口が小さいケース、すなわち 感染する可能性(リスク)が最も低いハズであります。
そんな人にまで ウィルスの魔手が及んでいる事実に接し、その感染経路をはじめ「いつ、どのように???」の思い(疑問)が渦巻くばかりであります。
もはや「自分は、今までの感染ルートと関係ないから大丈夫。」との〝無関係なら移らない方程式〟は成立しないことになってしまいました。
現在、このおばあちゃんの行動歴については調査中であり、その中で 今までの感染者との何らかの接点が見えてくるかもしれませんが、いずれにしても私たちは「いつでも どこでも新型コロナウィルスに罹患する。」との厳しい認識に立ち、これからの社会生活に臨むべきことを思い知らされることとなったのでした。
なお会見では、先日の「林檎館」に関係する内容として〝不特定の客〟として新たに23人の申し出があったこと(合計34名)、濃厚接触者のうち〝職場スタッフ(29名)〟のうち15名に症状が出たものの全員が陰性や検査の対象外となったこと、また 5例目感染者の20歳代ホステスさんに 新たに5名の濃厚接触者がいたことが判った などの報告がされ、それぞれ継続的に経過観察が行なわれていることが報告されました。
長野市における 新型コロナウィルスは、池に投ぜられた石が波紋を広げるように、徐々にその輪を大きくしている感であります。
2例目の〝夜の街クラスター〟に驚かされた私は、この日 非常に意外なケースとして報告された〝独居者にも魔手〟の事例に新たな恐怖を覚え 会見場を後にすることとなりました。
今後の展開は、全く予想がつきません。