maruの多分日記

ネコに癒されています。
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愛のきずな

2011年11月11日 | テレビ・映画・ビデオ

映画『愛のきずな』のDVDを観ました。

松本清張の短編『たづたづし』を映画化した園まりさん主演のサスペンスです。
映画初公開が昭和44年2月となっています。
内容を少しご紹介。

専務の娘と結婚した小心者の課長代理がふとしたことで不倫に陥る。
数ヶ月が過ぎた頃、独り者だと思っていた不倫の女性に夫がいる事を打ち明けられた。
その夫は過去に、妻と食事をしたというだけで逆上し相手の男性をナイフで刺している。
嫉妬深くて凶暴な男だ。
傷害罪で4年前から服役中だったが、あと10日で出所すると言う。

「えー!そんな事聞いてないよー!えらいこっちゃがな~。」
しかも、女性は自分の気持ちをその夫に話して離婚すると言い出した。
「えー!そんなこと言ったら殺されるで~。」
それでも女性は「大丈夫よ。わたし達のこともちゃんと話すから理解してもらえるわ。」
「えー!それってめっちゃまずいですやん。理解どころか僕も殺されるがな~。」
「わたしがあなたを守ってあげるわ。わたしは殺されてもいいの。」
「殺されてどうやって僕を守れるねん。」

てな感じ(こんな台詞じゃありません。)で進行し、課長代理は女性に対し殺意をいだく。
そして殺人計画を決行するのだが・・・
その後のあらすじにご興味がある方は
愛のきずな - goo 映画でどうぞ。


キャスティングは、妻に頭の上がらない課長代理を藤田まことさん。
この辺は必殺仕事人の中村主水とダブりますね。
不倫相手の女性に園まりさん。このとき24歳だとか。
コケティッシュで天然っぽい役柄が絶妙です。
前半は和服姿で寝巻きは浴衣。後半は洋服で寝巻きはネグリジェ、と二通りの園まりさん
が楽しめます。
藤田さんも園さんも若いけどよい演技してはりますわ。
サスペンスなんだけど何箇所か思わず笑ってしまうシーンがあります。
どろどろした内容の割りに気分的に暗くならずに済んでいるのは、監督の資質と演出、
それと藤田さんのとぼけた味と園まりさんのほんわかムードが効いているのでしょう。
お笑いシーンといっても、おちゃらけにならない程度に収めているので良い按配です。


最近、2時間TVのサスペンスものを見ていると、被害者・加害者・容疑者とその周辺の
人物がやたら出てきて、途中でもう誰が誰を何して誰と誰がどんな関係なん?って事が
ままあります。
最終的には断崖の上で主人公と犯人が一から説明してくれるから何となくわかったような
気になるんですけどね。
(それでも時系列がわからなかったりするけど。)

この映画は登場人物は少ないし余分なストーリー展開もありません。
無駄がない分、俳優さん達の個性と役どころがよりはっきりして、感情移入もしやすく出来
ています。
今は映画にしてもTVドラマにしても、のべつBGMがかかったり無理やり盛り上げよう的な
演出や演技が多くて鬱陶しく思いますね。


ところでこのDVDのamazonのカテゴリーは“DVD>日本映画>エロス”となっており、
また、商品説明には『異色のエロティックサスペンス』と書いてあります。
『エロス』に『エロティック』です。
それが目的ではないにせよ、やっぱり期待しますよね、ちょっとは。
というか、かなり。とっても。
で、そんな嬉しいシーン。
・・・ひとつもありません。
シャワーシーンがありました。園まりさんの肩を観ました。首から下15cm位の背中だけ。
濡れ場シーンがあります。着衣のまま横になったと思ったらすぐに場面転換だす。
他にも、温泉マークの電飾がある宿に入ろうと、道の角を曲がって前を見たら普通の銭湯
だったり。ここは笑いを狙ってますね。んで笑いましたけどね。
つーことで、どこがエロスやねん!なにがエロティックやねん!てなもんです。
しいて言えば・・・しいてもありません。
その当時はこれでもエロティックだったのでしょうかね~。
で、どこが?どこが?もしかして寝巻き姿とか?

エロエロ度はがっかりですが、十分楽しめる内容の映画には違いありません。