要となる智を継ぐもの

株式投資についてつらつらと書くブログ(走り書き)。誤字脱字錯誤に計算間違い多数。補正・修正は読み手側でしてください。

かっこいいお城の定義。

2009-12-13 16:53:48 | 投資日記
かっこいいお城の定義とは何か。

目標とする利回りが20%なので、それに合わせる形でお城が変わってくる。基本となる構造は同じだと思われる。

・総資産利益率が15%以上
・株式益回りが20%以上
・借入金がゼロ
・有能な(株主を見ている)経営者
・高い参入障壁
・安定成長する市場/尽きる事のない需要

おおかたここら辺に収まる。継続的に年率20%の利益を株主に還元するにはこういう水準が必要。で、そんな水準を満たせる企業は普通ない。と言うか大暴落時に優良企業がたたき売りされるときぐらいしか買うときはない。株価益回りと総資産利益率、そして市場成長は三つ巴。株価益回りが低くてもその分を総資産利益率でカバーし成長すればいい。ただ、年率20%なので、勿論最終的にPER5倍以下になって、配当利回り20%以上を確保すればいいんだけど、そこに至るまでの利潤と言うのも加味しなくちゃいけないから結構面倒くさい。

一番いいのは、PER5倍でROE20%の企業を買う事。どちらに振り分けても還元率は20%なのでどっちでもいい。

これがPER100,ROE100%,市場余地10倍とかだと悲惨。すぐ飽和してPER10倍どまりになり(この場合株価は急騰して急落する)そしてPER10倍でできる範囲の還元しかされないだろう。市場余地が20倍でやっと益回り20%、これでも成長期間の配当が無下に扱われる。約5年間分の空白のリターンを埋めるのは難しい。それだけで2倍にもなってしまうから。。

市場余地が50倍ならば7年間で飽和完了となる。この場合の累積必要リターンは150%、PER2倍、配当利回り50%ならば、30%のプレミアム付きなので全然行ける。それでも少し返済には時間がかかりそう。そして通常、ROEはそんなに高くないし高い企業でもROE30%が関の山。拡大余地も50倍なんて普通にありえない。そうすると、成長株で長期投資を行い高いリターンを上げようとする事は事実上不可能であると言える。

まぁ、いずれにせよ、いいもの(総資産利益率15%以上の無借金、投資家優遇経営者、安定事業)を安く(PER5倍以下)で手に入れる事によって20%の株主還元が可能になる。その点を肝に銘じておくべきだろう。


後、経営者に関しては別に経営権を剥奪するレベルまで株をこちらが買い込めるのであればいちいちそういう経営者のいる企業じゃなくても問題ない。

複利と直利と市場と事業と借入金と内部留保…

2009-12-13 16:39:59 | 投資日記
やっぱ投資は二桁超えてこないと話にならないね。10%以下の投資なんて正直、何の魅力も感じない。この環境だからこそ言える事なのかもしれないけどさ。さてさて、直接利益と複利の関係、と言うか複利なんてそんな簡単にできるわけではないってのを最近しみじみ感じている。

複利をするには再投資する対象をリーズナブルな価格で買う必要がある。一回投資をして、そこから得られるリターンを再投資しなければならない。で、投資->刈取->再投資のスパンってのは通常数年かかる。特にファンダメンタル投資x長期投資なんて行うと長いと5年とか10年とかかかってくる。その間に投資対象の値段はどんどん変わってくる。

同じ投資先に再投資はできないと考えたほうがいい。一回きりのいい値段で買取って、そこからのリターンは直利にしかならない事を心得るべし。刈取った金をどこに突っ込むかはまた別問題。株を再投資すれば勝手に複利にはなる。銀行への預金もそう。でも結局そういうのって大したリターンにならない。いつでも得られるリターンでしかない。俺が得たいのは数倍、もしくは十数倍のリターンであって、そういうのは通常市場にはない。あってもすぐになくなっちゃう。ボーナスステージみたいなものだから。

いい銘柄は常に世の中に存在する。社会も新陳代謝を繰り返してるので真皮な企業は爆発的な勢いで成長する(勿論その背後にあるのは需要逼迫と差別化とそれらの結果となるコアな高収益とその拡大)。

で、概してそういう企業は途方もなく高い。例えば今なら価格コムとか馬鹿みたいに高い。ミクシも高い。ヤフーも高い。みんな高い。エベレスト級に高い。なるほど、フリーライドなんてできたもんじゃない。

ただ、たまにこういう企業が転げ落ちてくる。エベレストの頂きから雪崩のように落ちてくる。例えば成長性が一気になくなったとか、赤字になったとか、そういう類の話のせいで勢いよく転げ落ちてくる。もともと成長率重視の株主で構成された銘柄だから、標榜するアイコンが消えたら売りに走る。だから逆にものすごい安く売られる。ま、成長株だけではないが。。例えばローランドの子会社である大型プリンタメーカのDGなんかは前期の利益でいえばPER4倍台で取引されている。今期は赤字だけど、その事業自体が駄目になったから赤字なんじゃなくて、市場的に、経済的に駄目だから赤字なんだよって言いたい。それにこのくそ悪い不況の中でも柔軟な財務と統率のとれた管理で結構いい動き見せてくれてる。

話がずれた。

まぁ、複利ってのはいまおれがやろうとしている投資ではなかなか難しいという事。まずチャンスが限られている。だから直利でまわして、その時その時で複利になる機会をうかがうしかない。

非常に面白いのは、利回りにも色んな層があるんだよね。市場の層に事業層に債券層とか色々。とにかく色々。でもま、この三つが主体となるんだけれども。どこに層が一番効率的に動いてくれるかってのはもちろん事業層に決まっている。これが一番堅い。ここの層でどれだけ高い利益率&成長率を見出しどこまで広げられるかが大事。また成長しきったらちゃんと市場層を通じて自社株買いをするなり直接配当という形で株主に還元するなりしないとだめ。あ、俺はここでもう一つ思うんだけど、利回りは大抵、配当>自社株>債券(借入金返済)と言う感じになる。

配当は買った時にPERに対してどれだけEPSが伸びたかによって決まる。自社株買いは会社のその時の市場価格で決まる。債券は借入時の利回り。バフェットは配当は駄目だと言うが、俺は全然ウェルカム。彼が嫌がったのはあの恐ろしい配当税(最高90%だったかな?)のせいだろう。

安値で買って拡大して、結果として増えた利益を配当として直接株主に還元してほしい。配当利率は1/(PER*累積利益成長率)だから例えばPER5倍、利益が2倍、配当性向100%,配当無税ならば、40%の配当が得られる事になる。自社株買いではこんな事できない。何と言っても株自体が値上げしてしまっているから、例えばPER20倍とかになっているのであれば、1年間の利益をまるまるつぎ込んで株を買っても5%のリターンにしかならない。そんなの話にならない。そんな複利ならば、40%の直利のがまだまし。

勿論これには裏があって、その分株価が上がっているので、例えば実質PERが2.5倍で、現在の株価がPER20倍ならば投資額の8倍が回収可能と言う事になる。でもなんか、それはナンセンスと言うか美しくないんだよね、個人的に。極力市場性を排したいと思っているので、そういうゲスな事はしたくない。ま、する時はするけどね。

次に借金返済。これは正直最悪の"投資"である。財務の健全化とかそういう事を名目に借金を買取るってのはなかなか見上げた根性であると言える。たかだか年間利息2-3%の金を買取る必要なんて本当になるのか、と。そんな利回りの投資案件があったら問答無用に、パスしろと言いたいところ。むしろ資産から余分な所がないかもう一度見まわして、その上で上がった金を借入金返済に充てるべきだろう。こんな利回りで投資するなんて株主は黙ってません。因みに借入総額/全資産/ROAが完済までの期間かな。その間のリターンがゼロってのは滅茶苦茶だよね。投資家殺しですよ。ここ10年間のいすゞがその例か?

もともと借金して事業をしようと言うのが間違っている。事業拡大に見合う収益が上がっていないから他人資本で補充しなければいけなかったなんていいわけ。そんなビジネスを欲してはいない。少なくともまともな投資家はそう考える。

最後にもっと駄目なのは意味もない内部留保。リターンは当座預金並み。もしくは良くわからん企業の利回り並み。そういう企業が概して事業規模の割にでかすぎる金庫がある。だから低PBRに陥る。村上さんに全部やられちゃえばいいのに。村上さんのやっている事は外道のように思われるけど、投資家サイドからすれば王道中の王道。70年くらい前にバフェットの師のグレアムも同じ事してパイプ事業業者から金を抜き取ってる。グレアムが良くて村上さんが駄目な理由が良く分からない。使うあての無い金を株主に還元することなく金庫に寝かすなんて、投資家に対する冒涜だし。経営者失格だと思う。なぜ世論は経営者の方を持とうとするのかね。本当に。投資家は貸した金返してくれと言っているだけだっての。


まぁ、まとめよう、まず、黙ってても複利は回らない。企業の再投資に駆けている間は複利は回るが、それが還元されてきた時にどうするのかの手立てを打っておかないと、その企業のコア事業が伸びきった時にものすごい低い利回りでまわされる可能性が高い。唯一配当位が直利で導き出せるところか、後は売却しか手立てはない。自社株買いの複利率は、残念ながら低いので期待はできない。

コア事業への再投資が終わった時点でその企業の複利は終了。直利、もしくは低利率な複利に移行してしまう。だから投資家サイドとしては可能な限り早く次のコア事業(高い利率で複利が回せる事業)に乗り換える必要がある。ここが投資家としての難しい所かな。