二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2014 J2第18節 千葉vs京都

2014-06-14 | 蹴球

ジェフユナイテッド千葉○3-0●京都サンガF.C.
53'ケンペス
81'兵働昭弘
86'ケンペス

■対・鶴翼
 千葉はとにかく「おれらの強みは両翼だ!」と戦術がハッキリクッキリしていて、サイドを大きく張り出させる鶴翼の陣を布いた。特に左翼に陣取る中村太亮が序盤からガンガン押し込み、京都は完全に受け身に。千葉がサイドを主戦場にするもんだから、京都もおのずと陣形が横に広がってしまう。京都としては、本来なら横谷繁・工藤浩平・中山博貴という中央にいる3人から攻撃を組み立てたかったはずだが、陣形が広がっているため距離が遠く、パスが繋がらない。頼みの綱の大黒将志は半端ないほどの孤立ぶり。結局、千葉の得意戦術に引きずり込まれて守勢に回り、サイドからのクロスという飛び道具の集中砲火に晒されたものの、どうにか跳ね返していたという前半だった。
 やられっぱなしの前半でも、35分以降は横谷が中央で受けられるようになり、いわゆる「ゲーム中の調整」は出来てるようには見えた。…のだが。

■修正と集中力
 京都の場合、ある意味出たとこ勝負みたいな部分がずっとあって、ゲーム中に調整しながら軌道修正をかけていく戦い方になってしまっている。この試合の後半からは横谷が意識して大黒の近くに寄り、山瀬も絞り気味で選手間の距離を近くしようと修正をかけた(ただし、三平和司はやはり孤立気味だった)。選手間がある程度寄れば、昔取った杵柄、このチームには推進力が生まれる。ところが相手を押し込みかけた矢先の53分、コーナーキックで酒井隆介があっさり大砲ケンペスのマークを外してしまい、失点。直後のベンチワークは横谷と三平を下げるものだった。上手く行きかけていたように見えた横谷中心のクローズ戦術はここで放棄。ただ、交代で入った駒井善成の運動量は千葉の中盤を凌駕し、駒井が掻き回して山瀬、大黒へ速く預けるやり方、酒井が駆け上がってクロスを上げるやり方でも千葉を押し込み続けることはできていた。
 そういう意味では、ここ数試合に比べれば幾分可能性のある戦い方ができていたのだと思う。しかし肝心の得点は奪いきれなかった。終盤に有田光希が受けたチャージに気を取られて足を止めたことから2点目を献上。集中力を切らしてからはチーム全体に落ち着きがなくなり、転がり落ちるようにチームは崩壊した。
 集中力が切れる原因は、あるいは一試合の中でコロコロとやり方を変えながら戦わざるをえないことに求められるのかもしれない。もっときっちり役割が整理されていれば、シンプルに走ることができるなら、こんなに脳が疲労することもないのではないかと、一介の素人は思うのでございます。


〈京右衛門的採点〉
オ  5.0 …キックがすこぶる不安定。DFへのコミュニケーション含め低調な感あり。
酒井 5.0 …1失点目のマークを外す。久々の本職右SBで落ち着きがなかったが、後半はいいクロスあり。
田森 4.5 …カバーリングは良いのだが、競り合いにすこぶる弱かった。3失点目はクリアしきれず。
バヤリッツァ 5.5 …前で刈り取る守備で攻撃を潰したが、相手が付け込むギャップにも。
福村 4.5 …大岩に押し込まれ、終盤まで攻撃参加できず。存在感なし。
工藤 5.0 …最終ラインのカバー、時折みせる闘志あるボール奪取で存在感は見せたのは守備のみ。
中山 5.0 …中盤を飛び越す千葉のサッカーの中で持ち味出せず。後半は捌き役はこなしたが…。
三平 5.0 …中村太亮の上がりに引きずられ、守備で身体を張る。前線でポストしても味方おらず。
横谷 5.5 …ボールを呼び込んで前線で身体を張れるようになってからペース掴んだが。
山瀬 5.5 …エリア内でのドリブルからのクロスなど、局面を打開するプレーを見せる。
大黒 4.0 …動き直しながらチャンスまでは作ったが、何度かあった決定機を決めきれず。
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駒井 5.5 …縦横無尽に中盤で動いてハードワーク。敵を攪乱するも、敵陣まで攻め入ることはできず。
有田 5.0 …ロングボールが入る訳でもなく、相変わらずのノープランの中で生かされず。
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バドゥ監督 4.5 …戦術のブレがあり、手駒は迷いながらプレー。今日は当たりは出なかった。