二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2016明治安田生命J2リーグ第37節 水戸vs京都

2016-10-24 | 蹴球

水戸ホーリーホック△1-1京都サンガF.C.
76'宮本拓弥
 (――)
             90+6'アンドレイ
               (PK)


[警告・退場]
・水戸
37'田向泰輝(C1反スポーツ的行為)
90+4'細川淳矢(C1反スポーツ的行為)
・京都
53'石櫃洋祐(C1反スポーツ的行為)


【全体の印象】
 ピッチコンディションの悪さに適応できない京都は、ボールタッチにミスが目立ち、次第に加速度を落としながら積極性も欠いていった。この出方に水戸の出足鋭いプレスがハマり、水戸が主導権を握った。後半は立ち上がりから水戸の仕掛けがさらに積極的になり、完全に水戸の攻勢を受ける形に。どうにか凌いで1枚目の交代で3-5-2に陣形を変え、流れを引き戻したかにみえたところで、水戸・宮本に中央からきれいに決められ失点。水戸にゲームの流れまで掌握される中、敵も味方も予測不能な“パルプンテ”キロス大作戦に打って出たが、枠に行くシュートは打てず。敗色濃厚なアディショナルタイム、こぼれ球目掛けて突っ込んだ石櫃が細川に倒されPKを奪取。内容的は完敗だったが、勝ち点1を拾う「幸運」に恵まれた。

【雑感】
■実質完敗
 千葉戦以降、ボールを速く動かす、攻守の切り替えを早く、という戦い方は継続している。ただしピッチが悪いと、沼地に騎馬隊を入れるようなもので、思い通りに進退することもままならない。実質完敗とも言えるこのゲームに関しては、そういうコンディションの中でボールをうまくコントロールできなかったということに尽きる。
 足元が不安定なところで1人1人が少しずつ思い切りを欠くようになり、その総和が水戸との積極性の差になって表れた格好。失点シーンが象徴的で、誰も激しく当たることなく、宮本に持ち上がられてシュートを打たせてしまった。京都側で思い切りの良いプレーを見せていたのはダニエルロビーニョで、19分にダニロビが奪ってエスクデロがふんわりパス→堀米が呼応してエリア内に侵入→落としはイヨンジェに合わず…という場面は、非常に良いシーンだった。
 あるいはミスが目立ち覇気もなかったセルを早めに交代させ、ダニロビを前線に据えても面白かったかもしれない。このゲーム、交代策もパッとしなかった。多分に「今後を見据えたテスト感」もあったけれども。

■ラスト5試合
 この1試合の勝ち負けだけを考えれば、ピッチコンディションに応じた戦い方を選択すべきだった。例えば早い時間からキロスを使って地上戦→空中戦にシフトするとか。がしかし、千葉戦で得た好感触をどうにか継続しようとしたことは評価したい。残り試合数も少なくなり、上とも下とも勝ち点が開いた今は、自分たちのサッカーの基本形をアジャストしながら突き詰めていくチャンスでもあるのだから。大局を見据えれば、その場しのぎの戦い方は血肉とならない。

ということでちょっと現在の順位を確認。

 78 1位札幌
 77
 76
 75
 74
 73
 72 2位松本
 71
 70
 69 3位清水
 68 4位C大阪
 67
 66
 65
 64
 63 5位岡山
 62
 61
 60 6位京都
 59
 58
 57
 56
 55 7位町田
 54
 53
 52 8位横浜

 残り5試合(最大勝ち点15)で自動昇格圏内まで12差。←これはもう無理。
プレーオフのホーム開催権のある4位まで8差。←これもちと厳しい。
すぐ上の5位までは3差、すぐ下の7位までは5差。
現実的には、岡山と5位6位を争うという展開だろうか。(プレーオフは5位でも6位でも大勢に影響はない)。もし下に追いつかれるならば、こちら側も相当崩れてしまうということ。そうなった時はそれまでのチームだということで論外。

 現状をきちんとわきまえれば、今後とるべき戦い方はおのずと見えてくる。

・上も下も、他のチームの結果を気にする必要はない。
 大事なのは自分たちがいかに戦うか


・絶対に勝たなければいけない!何が何でも勝ち点3!
 そういう悲愴感や気負いは不要。むしろマイナス。


・自分たちの目指すサッカーを突き詰めること。
 精度や連携を上げていくことの方が重要


・自分たちの持てる力を100%発揮できるようにすること。
 気負いすぎず、できればのびのびとプレーすること。


・ただし、どうしても負けたくない試合が2つだけある。

〈残り試合の相手〉
第38節 岡山(Home)前半戦は△
第39節 清水(Away)前半戦は○
第40節 熊本(Away)前半戦は△
第41節 愛媛(Home)前半戦は○
第42節 長崎(Away)前半戦は△

 どうしても負けたくない2つの試合は、もちろん岡山と清水。プレーオフに進出すれば(おそらく)2/3の確率で当たることになるチーム。この2つは松本山雅ほど決定的な相性の悪さもまだなく、結果次第では「相性が良いチーム」まで持っていくこともできる。絶対に勝てとは言わない。そういう相手に対して「京都は簡単なチームじゃない」「京都は嫌なチーム」という印象を植え付けることが重要。大袈裟に例えれば、徳川家康が終生「真田嫌だな~」と思ってたのと同じこと。一発勝負の短期決戦では、最終順位よりも相性の善し悪しや苦手意識が勝負を左右するファクターとなる。

 思えば31節の松本山雅戦で相手に合わせた戦いを演じてしまい、自動昇格への“天王山”を失った。同じ轍を踏んではいけない。残り5試合の“ヤマ場”は、次節と次々節。結果よりも、いかに気合の入った戦いぶりができるか、相手よりも死力を尽くせるかどうか。そして水戸相手に気合負けしてしまった反省を糧として、再び挑戦者の心に火を灯すしかない。