二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2016明治安田生命J2リーグ第20節 京都vs松本

2016-06-27 | 蹴球

京都サンガF.C.1-2○松本山雅FC
           66'飯田真輝
            (↑CK宮阪政樹)
           76'飯田真輝
            (↑後藤圭太)
90+2'山瀬功治
 (↑こぼれ)


[警告・退場]
・京都
42'堀米勇輝(C2ラフプレー)
72'有田光希(C2ラフプレー)
・松本
17'喜山康平(C1反スポーツ的行為)


【全体の印象】
 立ち上がりからお互い球際の当たりが激しく、バチバチと火花を散らす激戦に。流れとしては京都が崩そうと仕掛け、松本がセーフティに守りを固めるゲーム運びだったが、途中から両者の繰り出すカウンターの速度も一気に上がって見応えあり。後半、京都はイヨンジェのチャンス(だったが負傷交代)など、流れを掴んでいたが、CK献上から飯田に決められ失点。さらにFKからも再び飯田に追加失点を許してしまった。2点を追う京都は秘密兵器矢島を投入しパワープレーモードに。矢島を前線の基点に松本を攻め立てるものの、ようやく堅守を割れたのはアディショナルタイム。ライバルに勝ち点3を与える手痛い敗戦となったが、強敵に互角以上の闘争心を見せ、戦いを全うした。


【雑感】
■紙一重
 菅野のコメントの通り、勝負を分けたのはセットプレー。ここで取られて負けることもあれば、取って勝つこともある。もちろん、セットプレーも重要な実力のひとつで、失点に至った下畠のCKの与え方や、今回に限ってやたらと競り負けたアンドレイの動き等、見直すべき原因もある。逆に言えば、松本の「セットプレーをモノにできる勝負強さ」は相当なもの。流れ関係なくもぎ取れる武器を持っているチーム ―飯田(+宮阪のキック精度)とか岩政(+片山のロングスロー)とか― は、単純に羨ましい。
 松本反町軍団は、かなりの確率で自動昇格もしくはプレーオフに絡むだろう。相手の長所を消しにかかる戦術と、それを遂行する選手個々の(球際の)ストロングさ、守備モードへのスイッチングの速さはとにかく堅牢。試合運びとしてはリスクを避けつつも、逃げるのではなく相手を殴る闘争心を持ちつつ、少ないチャンスを奪い取るしたたかさは、J2ならば合理的に勝ち抜けるスタイルだ。そんな“昇格有力候補”相手にしても、京都石丸軍団は球際も闘争心も技術も、何ひとつ劣る部分はなかった。むしろ最後の砦(GK)を脅かす攻め手の豊富さは京都の方が上。まぁ、ことごとく止めたシュミット・ダニエルが素晴らしかったのだが。実力は互角、勝負は紙一重だった。ただし、その紙一枚の差が全ての命運を分けてしまうことになる。今後、自動昇格を賭けた一戦とか、プレーオフとか、「紙一重」の結果が求められる時が必ず来る(…気がする)。その時、一重の紙を突き破るために何を磨くか。それがリーグ後半戦の大きなテーマになる。

■エスクデロ対策対策本部
 最近、にわかにエスクデロ競飛王の実力が曝かれつつある。「あ、こいつヤバいヤツだ!」と。当然ながらマークがキツくなるのは本人も織り込み済みのようで(曰く「試合ごとに僕へのマークは厳しくなっているけど、僕が抑えられたら京都の攻撃が終わるというものではない」)。このゲームでは、エスクデロはマークを受けにくい位置にまで下がってゲームを組み立てようとしていた。目に付いたのは堀米にボールが入る(と予測される)場面で、エスクデロは堀米の右後方まで引いてきて、本来その位置にいるアンドレイが前に出てトライアングルを作った。そこからエスクデロの配球→アンドレイor中央のイヨンジェを走らせる…という形を見せたが、イヨンジェがなかなかボールを収めきれずに決定的なチャンスには至らず。あるいはイヨンジェ役を、後半から入って存在感を見せた矢島卓郎に置き換えればもう少し収まって、チャンスは広がるかもしれない。
 指揮官はエスクデロが下がり気味だったことによる迫力不足を指摘しているが、たぶん前に出ても潰されるだけだっただろうし、実際潰されていたし。今後どのチームも講じてくることが予想される「エスクデロ対策」。マークされても突破口を見いだしたいところだが、「引いて組み立て役に変わるエスクデロ」+堀米、アンドレイのコンビネーションには、対策の対策になりうる可能性も感じたのである。