二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2016明治安田生命J2リーグ第17節 讃岐vs京都

2016-06-09 | 蹴球

カマタマーレ讃岐●1-3京都サンガF.C.
           72'堀米勇輝
            (↑アンドレイ)
81'仲間隼斗
 (↑こぼれ←仲間隼斗)
           87'石櫃洋祐
            (↑エスクデロ競飛王)
           72'堀米勇輝
            (↑ダニエルロビーニョ)


[警告・退場]
・讃岐
55'ミゲル(C5遅延行為)
・京都
3'本多勇喜(C1反スポーツ的行為)※次節出場停止
90+3'アンドレイ(C1反スポーツ的行為)


【全体の印象】
 前半京都がボールを支配するも、讃岐が浴びせるプレスが行く手を阻む。ならばとロングボールで前線にボールを運ぶが、ラストパスの精度を欠いた。前半の終盤、讃岐はミゲルが決定機を外す。手応えを得た讃岐は後半も攻めの姿勢を取り、京都はカウンターの受けるようになった。一方で敵陣への侵入も容易になり、72分アンドレイの絶妙なパスから堀米が先制。がしかし、アーリークロスから失点。終盤は勝ち越し点を奪いに行く京都、カウンターを繰り出す讃岐の撃ち合いとなったが、菅野の好守やエスクデロのキープなど持ち味を発揮した京都に軍配。讃岐は後半堅守の姿勢を崩したことが仇となった。


【雑感】
■vs製麺プレス
 去年までの「とにかく堅守」から脱皮している名将北野率いるうどん軍団・讃岐。前半の讃岐のプレスの激しさたるや、それはもう強く圧力をかけてこねてゆく製麺作業のよう。京都は敵陣に侵入するや、この「製麺プレス」を浴びせられ、パスミスを誘発せしめられた。そう、京都はハイプレスのチームへの対策がシーズン当初からの課題なのだ。それでも長いボールを使って前線に基点を築いてはチャンスも作っていた。ただ、そこから先、プレッシャーの強い地帯でミスやズレをいかに減らしていけるかは、J2レベルとJ1レベルを分ける差となるだろう。
 一方で守備は安定。讃岐にまともな攻撃もさせなかった。44分にミゲルに決定的なシュートを打たれるまでは…。当初あまり前に出て来なかった讃岐は、前半の終盤から木島徹也を前線に上げ、意図的に前にスピードアップをはかるようになっていた。緩→急のペースチェンジを仕掛けてきて、京都が対応しきれない隙を衝くという「策」にハマりかけたが、ポストにも助けられ命拾い。うどん軍団はこの時、守のチームから攻のチームへと変身した。

■vsいりこ出汁カウンター
 讃岐のカウンターは、シンプルながらも力強い。ボールを速く動かしては、中央にアタッカーを走り込ませてピンポイントで合わせてくる。うどんで言えば、シンプルでありながらパンチの効いた「いりこ出汁」のようだ。だが後半の讃岐は、この「いりこ出汁カウンター」を発動させるために、「製麺プレス」の強度が時間とともに落ちていた。カウンターさえ凌げば、前半はまるで侵入できなかった敵陣内でもボールが持てる隙があった。その空間に活路を見いだしたのがアンドレイ。ピッチをじろっと見渡して繰り出すパスは冴え渡り、堀米の先制ゴールのアシストの前から、存在感を示していた。
 両監督とも「オープンな展開」と語った通り、攻め合いになると今の京都は底力を発揮する。紙一重で危ないシーンもあったが、エスクデロの強靱なキープ力や石櫃の無尽蔵のスタミナなど、攻撃面ではやたらと馬力が出るのだ。3節岡山戦では手負いの状態で捨て身になって馬力を発揮して同点に持ち込んだが、今回は捨て身でも偶然でもなかった。次節の相手は「攻め合い」を自ら願うレノファ山口。いいイメージを持って3連戦の3戦目に挑みたい。