二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2015明治安田生命J2リーグ第37節 横浜FCvs京都

2015-10-19 | 蹴球

横浜FC△0-0△京都サンガF.C.


[警告・退場]
・横浜FC
36'永田拓也(C1)
71'野村直輝(C1)
・京都
77'駒井善成(C1)
79'清水圭介(C1)

【全体の印象】
 前半、京都がボールも陣地も制圧。コンパクトな陣形を布いた京都は、両サイド、中央いずれの局面でも能動的なプレスが機能。前線には攻撃陣が入れ替わり立ち替わり侵入し、横浜の牙城に迫ったが、シュート精度を欠いた。後半、大黒を投入後は攻撃パターンが読まれるようになり、互いにプレー精度を欠いたまま膠着。終わってみれば、両者ともゴール前でミスを重ねてチャンスを潰したスコアレスとなった。

【雑感】
■たくさんの△
 △を8つ重ねたことに注目が集まりがちだが、実はゲームの中にもたくさんの△があった。左サイドには駒井-下畠-原川の三角形、右サイドには伊藤-石櫃-山瀬の三角形、中央には山瀬-原川-金南一の三角形…。前半、京都はあらゆる局面で素早くトライアングルを作り、網を狭めるようにボールを絡め取っていく。奪えば三角形を変形させながらパスを繋ぎボールを前に運ぶ。とりわけ山瀬の動きは好守をつなぐ潤滑油のようで、スムーズな連携から守→攻の素早く切り替えて横浜を圧倒。サイドバックの上がり方も最終ラインコントロールも相当強気だったが、縦を圧縮して陣形をコンパクトに保たねば、この戦術は成立しない。

■ポジティブな失敗
 1トップで起用された宮吉は、三角形の頂点にいることは少なく、柔軟に左右に流れたり、下りてきたり。宮吉の“目立たないことに意味がある”動きは、伊藤や駒井、山瀬、原川が次々に飛び込むスペースを生んだ。どこか大木監督時代を思い出すような“人もボールもよく動くサッカー”。前半の京都は決定機をたくさん作り、同時に技術的なミスもたくさん露呈したが、それは挑んだからこそ起こるポジティブな失敗と割り切りたい。
 後半、決定不足に痺れを切らして大黒を投入したが、宮吉がいた時はみんなで使えていたスペースに蓋をしてしまう格好となり、人の動きもパスコースも激減。予想通り“ボールだけが動くサッカー”になった。それでも好機をモノにさえすればアタリ采配だったのだが、残念ながらビッグチャンスを潰して尻つぼみ。前半の戦術を継続しつつ、1枚目のカードで有田投入で収まり所を構築、という選択肢が見てみたかった。