二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2014 J2第27節 京都vs大分

2014-08-17 | 蹴球

京都サンガF.C.△2-2△大分トリニータ
           38'風間宏矢
47'石田雅俊
(assist田中英雄)
56'石田雅俊
(assist―――)
           86'後藤優介

■第3の…
 第3の~~といえば「第3のビール」とか、最近では「第3の洗剤」なんてのも登場するように、第3勢力を表すことばになりつつある。関ヶ原の合戦の時、「家康か?それとも三成か?」という局面で、九州において独自の動きを見せた黒田如水なんかも「第3の」男だった。要するに、主要な勢力とはちょいと違う価値観で勝負する、そんな存在である。サッカーにおける第3の…といえば、第3の動きをおいてほかにない。ボールの出し手(第1)→受け手(第2)という関係性が最もシンプルな関係であり、そこに第3の動きを取る選手が加わることで、攻撃に厚みが出る。
 新監督になって改築工事中の京都の攻撃が単調なのは、パスワークが第1→第2で終わってしまうところだろうか。今日は工藤浩平が入ったことで、彼自身が第1の動きも第2の動きもこなし、さらに第3の動きを狙うシーンもあったため、工藤が絡めは攻撃に幅はできた。ルーキー石田雅俊の先制シーンでは、田中英雄→石田の関係性から石田が相手を躱してシュートを打つのだが、工藤は石田の前を長躯斜めに横切って相手を攪乱していた第3の動きを見せている。
 A→B(Bは大黒将志である場合が多い)で終わってしまうのではなく、Cが絡める攻撃を、第3の監督(=3番目の監督)は、どれだけ増やしていけるだろうか?

■石田と内野
 札幌戦からスタメンを掴んだ若武者・石田。特筆すべきは、シュートへの意欲の高さもそうだけれど、リズムを変調させる独特の間合いではなかろうか。まだまだ身体の脆弱さはあるものの、高い位置で預けても独特の間合いでキープしつつ、テンポの変えるようにボールを捌いていくプレーは見る者を唸らせる。経験を積んで周囲との共通理解を深めれば、「石田の変調」は大きな武器になりうると感じさせるほど、光っていた。
 もうひとり札幌戦からスタメンの内野貴志は、高松大樹のポストプレーにまんまとしてやられて痛恨の同点ゴールの糸口を作ってしまった。前半から林容平へのマークを貫徹し、球際での強さはあった。がしかし、いわゆる「FWとの駆け引き」で相手に釣られてしまい持ち場を空けるシーンも散見。林に代わった老獪な高松は、内野を誘い込んでPKを狙ってみたり、初手から駆け引きの部分で優位に立っていた。単純にボールを跳ね返す・ボールに当たるだけならば、内野は強い。ただ、騙し騙されの最終ラインの攻防は、まだまだ…。大黒vs大分守備陣も含め、このゲームはFWとCBの駆け引きに見応えが多ございました。まだまだ勉強でござるよ。


〈京右衛門的採点〉
オ  5.5 …ミドルやシュート、クロスへの対応は安定も、バタつく最終ラインは防げず。
石櫃 5.5 …1失点目中で慌てて相手にアシスト。クロス精度は終盤にかけて上がっていったが。
酒井 5.5 …中を空けて左に流れて失点。後半はカバーリング冴え、縦パスをよく跳ね返す。
内野 4.5 …林へのマークはよく食い付いたが、不安定。高松に決定的な仕事を許す。
駒井 5.0 …ポジショニングが悪く1失点目は裏を使われボールウオッチャーに。終盤は攻撃で目立つ。
田中 5.5 …パンチのあるミドル、ボールへの執着心などよく目立つ。なぜか最終ラインを前から統率。
中山 5.5 …「田中の相棒」としていい距離感でバランスを取る。ピンチにはよくバイタルを消した。
工藤 6.0 …前からのプレス、パス出し、受ける動き、フリーランと、工藤が絡むと攻撃が多彩に。
山瀬 5.5 …気迫あふれる仕掛けやシュートをみせたが、やや力みが強くスムーズさを欠く。
石田 6.5 …2得点は積極的に狙うシュート意識の賜物。独特のリズムのキープ&球捌きにWKTK
大黒 6.0 …2点目のGKへの追い込みは1点モノ。常に狙う怖さ見せるも、89分の決定機逸は残念。
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ドウグラス 5.0 …中盤で収めてシュートに持ち込んだくらい。周りが生かせてないのか、そういう戦術か…。
伊藤 ――
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川勝監督 5.5 …内容はここまでで一番良かったが、交代が功を奏さず、勝ち点2を失った感。