二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2014 J2第21節 京都vs磐田

2014-07-06 | 蹴球

京都サンガF.C.●2-3○ジュビロ磐田
           24'前田遼一
           28'OwnGoal
32'山瀬功治
(assist――)
           43'前田遼一
46'大黒将志
(assist山瀬功治)


■出遅れからのスタート
 指揮官が変われば戦術も変わる。バドゥ→森下→川勝と、3人目の指揮官となり、それぞれやり方が変わっていく訳なので、そりゃなかなか難しい部分がある。特に守備は一朝一夕にはいかない。シーズン折り返し点にしてようやく組織的な守り方を叩き込まれている最中とあって、選手の距離感であったり、カバーリングの入り方だったり、奪いに行く位置・退く位置からラインの作り方まで、ひとつひとつ確認しながらやっている「熟(こな)れてない感」があふれていた。
 磐田がボールを速く大きく動かすチームだったこともあり、森下代行の置き土産(まだ居るけど)とでもいうべき「球際に激しく当たりに行く守備」も前半はまったく発揮できず。プレスがかからないので磐田に自由に回され、空中戦を挑まれて3失点。エアバトルでの完敗は、個々のハイボールへの弱さ+マークのやり方が明確になっていない組織面もあったかと。新監督で新シーズンをスタートしてると仮定すれば、まだ始動してすぐの2月くらいの段階という出遅れぶり。ただ、出遅れからのスタートというハンデを負っている割には、最終ラインの作り方は揃っていたかな、と。ラインコントロールでオフサイドも取れたし。

■攻撃の味付けは?
 指揮官の喝が入ったのかどうか、京都は後半から見違えるように闘うチームに変貌した。初手で奪えるようになり、今度は自分たちからボールを動かせる立場になったのだが、しっかりとボールを前に運べたとは言い難い。後半すぐに左サイドの山瀬功治のクロスから大黒将志のゴールを生んだものの、その他はサイドを経由する攻撃→クロスという流れからはゴールを脅かせなかった(シュート数は前半1本・後半4本)。
 緒戦を見た印象として、心配なのは守備面よりも攻撃面。いかに攻めるか?という部分はハッキリしなかったし、むしろバドゥ時代の即興に近い。サイドから攻めたいならば、中で待つ人、ゴール前に飛び込んで来る人が少なすぎる。放り込んでエアバトルを挑むならば前線で高さに強いタイプもいない(なので、バヤリッツァを電柱にスクランブルした?)。元々層が薄い上怪我人続出の守備陣に比べれば攻撃陣は素材豊富なはず。川勝料理長はそこをどんな味付けで料理していくか。スタメンや交代をみればまだ森下代行からチームを受け渡している段階ということはわかる(3枚目の内野貴志投入→パワープレー以外は)。さて、今後どうやってボールを前に運ぶようにするのだろう?今日みたいに安易にクロスに頼る味付けは、このチームの素材には合ってない気がするんだけどなぁ…。


〈京右衛門的採点〉
オ  5.5 …致し方ない形ながら3失点。ペクの強シュートをビッグセーブ。
石櫃 4.5 …脆弱な守備力を露呈し、ミスも多。よくクロスは上げるも精度は低かった。
酒井 5.0 …簡単に前田のマークを外し、制空権を渡して連続失点。地上戦では頼もしいのだが。
バヤリッツァ 5.5 …ラインの作り方に腐心し、思い切りの良さが出ず。まだ完調ではなさそう。
駒井 5.5 …前半ペク&駒野に破られまくり。後半は闘争心を全面に出し、球際負けず。チャンスも作る。
田森 5.5 …よく球際で身体を張るも、ゴール前の競り合いで遅れを取る。ダイレクトボレーは惜しかった。
工藤 5.5 …よくバランスを取ったがやや消極的。後半は中盤の底からどんどん配球。
田村 4.5 …前に出れず、ボールも引き出せず。磐田の厚い壁の前に何もさせてもらえなかった。
山瀬 6.0 …ただ一人敵陣でボールを保持でき、磐田を慌てさせた。チェイシングからの得点も◎。
中山 5.0 …ペクの攻勢もあり、攻守ともポジショニングが中途半端。前でよく身体は張ったが。
大黒 5.0 …前半下がりすぎたことがチームの推進力を欠く原因に。それでもゴール奪うのはさすが。
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伊藤 5.0 …仕掛けや粘りは評価したいが、崩しきれず。逆足(左)でのクロス精度が残念。
三平 5.0 …泥臭いプレーで少しずつ陣地を前に進めたが、サイドでは怖さもなく。不完全燃焼。
内野 ――
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川勝監督 5.0 …前半はチームの体をなしてなかった。後半は前節までの森下代行闘争サッカーに。