二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2013 J2第42節 京都vs栃木

2013-11-24 | 蹴球

京都サンガF.C.●1-2○栃木SC
           38'廣瀬浩二
           49'クリスティアーノ
90'+4秋本倫孝

■守力不在
 勝とうが負けようが3位であることを変わりがないという微妙すぎるモチベーションの最終節。こういう時に欧州人ってのは現実的なもんだなぁ、というのが一番の感想。ミロシュ・バヤリッツァのことである。気力が充溢してる時の“バキ”はそれはもう鬼神の様で、相手に厳しく寄せてはボールを跳ね返すし、掻っさらうし、アプローチした後にも神経尖らせて背後をケアする。だけども今日のバキはわかりやすく流し運転で、相方の染谷悠太のカバーリングを鍛えているかのようだった。(2失点目の時、染谷が陥落してもゆったりランニングしてたのはもはや潔い!)。
 福村貴幸のボランチ起用については一定の成果。長いパスが得手な福村を置いておけば、ピッチを広く使うサッカーができるし、実際前半は広い展開、長いパスも多かった。真ん中の福村は機動力があって守備範囲も広く、ボールへの寄せの速さも武器だが、こちらは今までの中盤の底に3人置く布陣の方がタイトだっただろうか。特に後半バイタルがスカスカになり、栃木パウリーニョをフリーでウェルカムにしていたのはいただけない。
 まぁ、今日守備がダメダメだったのは割と理由がハッキリしてる。バキの精神面とか、実験モードで慣れない組合せとか。今日出てない選手も含めて、どんな組合せを「ベストチョイス」にしてくるのか。そこは割と楽しみな部分である。

■攻感度調査
 どちらかといえば問題は攻撃面。この試合では裏狙いを多用したり、両サイドバックの駆け上がりを待ってサイドからのクロスを狙ったり、攻撃のバリエーションを増やそう(試そう)としていた意図はよくわかった。ただし、本番でこれらのバリエーションを使えるかはちと疑問。ここ数試合できれいに点を奪えたのは水戸戦の横谷繁のゴールくらいで、ゴール欠乏症は結構深刻に思える。プラス思考で考えれば、山瀬のミドル精度がちょっとずつ戻りつつあり、三平和司の「点で合わせる」長所も見えてきた。そして工藤浩平は相変わらず飄々と相手の穴を狙っている(受け手があんまり感じてないけれど)。今更急に強靱なFW頼みの、サビアやクリスチアーノのいる栃木ようなサッカーができる訳でもないので、ここ数試合の実験調査の結果を分析しつつ、“攻感度”を上げていくしかない。何だったらフリーキックやコーナーキックなどのセットプレー頼みでもいいので。
 ただ、パスミスでみすみすボールを失って逆襲を浴びるのだけは避けなきゃね。今日は意図的にそうしてたんだろうけど、選手間の距離が遠すぎてパスがズレまくっていた。良い材料も悪い材料も出尽くしていると考え、いろんな部分をアジャストしてガッチリギアが噛み合うことを願うのみでこざいます。


〈京右衛門的採点〉
 オ 6.0 …広い守備範囲と反応の良さを発揮して何度も危機救う。1失点目は声掛け不足?
下畠 5.0 …守備の応対が遅れ気味で近藤に再三突破を許す。クロス精度も欠いた。
染谷 5.0 …タイトな守備といいカバーを見せていたが、クリスチアーノの個人技に完敗。
バヤリッツァ 4.0 …気の入ってないプレー連発。安易に相手に食い付いては背後に大きな穴。
 黄 5.5 …粘り強い守備もあったが、遅れ気味のアプローチも。後半はよく攻撃に絡んだ。
秋本 5.5 …相手のボール回しの前に潰しは発揮できず。ヘッドで9年連続得点を更新!やっと!
福村 6.5 …機動力を生かしてよく奪い、有効なパスも出す。ミドルの威力と精度は武器になる。
倉貫 5.5 …福村や工藤が動きやすいようにバランスを取った。攻撃には積極的に絡めず。
工藤 5.5 …ボールを持っては敵の手薄なところを狙う。フリーでのシュートはせめて枠に。
三平 5.5 …右で左でボールを収めたり、収めきれなかったり。セットプレーには合っている。
山瀬 5.5 …シュート多かったが、ほぼ独力での突破や打開。追い越す工藤を使えばいいのに…。
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中山 5.0 …投入以後栃木にペースを奪われ気味。プレスもハマらず、存在感もなかった。
 原 4.5 …消え気味→終盤はチャンスに顔を出すが、ボールが足に付かず。絶好機も外し痛恨。
中村 ――

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大木監督 5.0 …今日の数々の実験は失敗が多かった。けれど失敗から学ぶものもあるはず。