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老後は京都で !

京都の町中(堺町六角)と東京(青山)を気ままに行き来する二地域居住を実践中。 

京都・三月書房(寺町通り・二条上ル)

2008年12月03日 | 京都 & 東京の書店

京都読書空間 (act books) 京都読書空間 (act books)
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2005-10

二条通りを越えて、寺町通りを北上すると、左手(西側)に、三月書房という、有名な書店がある。

(→古書店と間違える人が多いが、あくまでも新刊書店)

なんで、そんなに有名か、というと品揃えが凄いのだ。

サイズ的には、全国どこの街にもある、普通の書店、といった程度の広さなのだが、文学、思想、哲学などの、選りすぐった本が、ところ狭し、と棚につまっていて、見飽きることがない。

どうやれば、ああいう品揃えになるのか、分からないが、相当の知識人の書斎でも、ああはいかないだろう、と想うような内容なのだ。

しかも、個人の愛書家なら、どんな高尚なコレクションをしようが勝手だが、書店となると、売れないと意味がない。

この店のような高尚な品揃えをして、果たして、売れるのだろうか、と誰しも危惧するところだが、

この店では、それらが良く売れているのだ(→店内にいると、レジをする人の多さで分かる)。

ここまでくれば、書店経営はアートだと思う。

(→愛書家が一流のコレクションを作るのは、一定以上の知のレヴェルがあればできるが、そのうち、売れるものを選んで並べて置く、というのは特殊な才能を要する)

かつて、大手の書店の、新人研修のプログラムに、この店の見学、というのが組み込まれていたというのも、頷ける。

そして、新刊書店という、最も創意工夫の余地のなさそうな分野で、あれだけ強い自己表現をされている店主、それを支持している読書人層(買っている人)について考えると、京都という街は、底深い、とつくづく思う。

(追記)

この店の品揃えの良さは、先代の頃かららしく、脇村義太郎さんの、「東西書肆街考」にも、三月書房の名前が見え、「ここはよい学術書を揃えている」旨の記述がある。

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京都・尚学堂(寺町通り・二条下ル)

2008年12月03日 | 京都 & 東京の書店

京都市役所の古風な建物を右に見ながら、御池通りを越えて、寺町通りを北上すると、右手(東側)に、「尚学堂書店」、という古書店がある。

以前、本ブログでも紹介したことのある、経済学者の脇村義太郎さんの書いた、「東西書肆街考」によると、開業は、昭和12年とのこと。

店の左手の台に無造作に、和本が積んであるのだが、

(→なぜか、その和本を熱心に漁っている、外人をよく見かける、日本文学の研究者だろうか。いずれにしろ、和本を置いている古書店というのは、神保町でも数は少ない)

別に和本の専門店というわけではなく、大学で教科書として使われるようなものやノベルズなど現代ものも結構置いてある。

要するに、書籍なら何でもあり、といった感じで、それほど広くもない店内は、さながら、時空を超えた書物のワンダーランド、といった感がある。

作家の池波正太郎さんが、よく通った店としても知られるが、

何があるか分からない、と云ったワクワク感の味わえる、今では、数少ない古書店の1つだ。

京の古本屋 (京都モザイク) 京の古本屋 (京都モザイク)
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2003-06

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新橋・古本まつり(11月15日まで)

2008年11月12日 | 京都 & 東京の書店

新橋駅前のSL広場で、恒例の「新橋・古本まつり」が行われている。

新橋は、日本で最初に開通した鉄道の始発駅(⇔横浜)だけに、駅前の広場には、汽車が飾られており、その広場がSL広場と呼ばれている。

(→テレビのニュース番組などで、街の声、といったものが放送されるとき、酔っ払い気味のオジサンたちのコメントは、なぜか、昔から必ずここで収録される、という場所)

そして、そのSL広場で、年に何回か、古本まつり、が開かれるのだ。

あまり、宣伝されるイベントではないが、とにかく人の往来の激しい場所だけに、この古本まつりは、通りがかりにチョット覗いていくという人を含め、いつも夜遅くまで結構な賑わいを見せる。

(→霞ヶ関が近いから、官庁勤めの役人らしき人が多い)

どんな古書店が、この古本市に出店しているのか、私はよく知らないが、

自由が丘の「文生堂書店」や、広尾の「一路」、代沢の「由縁堂」、などが出店しているところを見ると、東京の城西地域の古書組合支部のイベントなのだろうか。

開催は、11月15日(土)まで。

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神田古本まつり、初日は夕刻から雨

2008年10月27日 | 京都 & 東京の書店

昨夜(26日)遅く、京都から、戻ったばかりだったが、今日(27日)は、「神田古本まつり」の初日、ということで、夕方から、神保町に出かけた。

靖国通りの、古書店の前の歩道に、古書が詰め込まれたワゴンや仮設本棚が、延々と並ぶ、この催しを、「青空古本市」、とも呼ぶらしいのだが、

私は、昼間(青空市)よりも、通りに裸電球が一列に灯る夕暮れ時が、(縁日の夜店のような風情があって)好きで、毎年、「神田古本まつり」には、日が暮れてから、出かける。

ところが、今日は、夕方五時を過ぎてから、急に、雨が降り出したらしく、

私が神保町の地下鉄の出口から地上にでた時には、雷まで鳴っていた。

歩道に、青いシートの掛けられたワゴンが、並んでいるのを見て、一瞬、思案に暮れたが、「神田古本まつり」の期間中は、ほとんどの古書店が7時まで開いているというので、店内を見て回ることにする(→普段は、6時には、ほとんどの店が閉まる)。

高山書店と、長島書店で、歴史関係の本を何冊か買って、外に出ると、雨は小降りになっていたが、すぐに止む、という風ではない。

夜の神田古本まつりの風情を味わうのは、また、後日、ということにして、6時半頃、神保町を後にした。

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神田古本まつり(10月27日~11月3日)

2008年10月18日 | 京都 & 東京の書店

今日、久し振りに、神保町に出かけた。

地下鉄半蔵門線の神保町の駅から、地上に出ると、靖国通りがいつもより華やかだ。

なんだろう、と思って、よく見ると、通り沿いに、10月27日から始まる、「神田古本まつり」の幟が、立てられていた。

「神田古本まつり」とは、駿河台下から専大前交差点まで、靖国通り沿いの歩道に、延々と、ワゴンや書棚が並べられる「青空掘り出し市」(「本の回廊」と呼ばれる)のことで、

この期間中、神保町界隈では、東京古書会館で開催される「特選古書即売会」(10月31日~11月2日、東京古書会館で開催)や、

新刊書店や出版社による「神保町ブックフェスティバル」(11月1日~3日、すずらん通り)など、

さまざまなイベントが行われる。

神保町というのは、機能的な街で、普段は、あまり見栄えがするという街ではないが、「神田古本まつり」の期間は、

夕暮れ時になると、裸電球の橙色の列ができて、なにやら、縁日の夜店にでも来たような、独特の風情があって、私の大好きな催しの1つだ。

今年は、10月27日(月)~11月3日(月)の開催ということで、京都で開催される「秋の古本まつり」(→「京都・百万遍・秋の古本まつり」参照)と、完全に日程がダブッている。

2年ほど前、この「神田古本まつり」から始まり、京都の「秋の古本まつり」、その後の「新橋古本まつり」と、1日もダブルことなく、日程が組まれていた年があり、

それらの古本まつりに、1日も欠かさずに通い、精も根も尽き果てた経験のある、私としては、ホッとしたような、残念なような、なにやら、複雑な気持ちがしている。

(神保町・関連ページ)

→「神保町という街」、「神保町・中山書店・閉店セール

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京都・吉岡書店(百万遍交差点・東入ル、京大北門前)

2008年10月11日 | 京都 & 東京の書店

三十年以上前の私の学生時代の頃と、全く変わらない風景の1つに、吉岡書店がある。

この吉岡書店は、今出川通りが、東大路と交わる、百万遍の交差点を、少し東に歩いたところ、ちょうど、京都大学の北門の向かい(今出川通りの北側)にある古書店だ。

(→ただし、古書販売業務のほかに、物理学などの学術書の出版を手がける出版業務も行っている)

通りに古本を乗せたワゴンが置かれているのも、右側の入り口を入った通路の左側に文庫本の棚があるのも、昔のままだ。

昔と違っているのは、10メートルほど東にある建物の二階に、分室のような売り場ができたこと。

ここには、理工系の学術書のほか、美術関係の本や、展覧会の図録、京都本などが置かれている。

この吉岡書店には、「サービスカード」というシステムがあり、ブルーの用紙に、この店で買物をした金額が記録され、合計が1万円になると、500円分の金券として使える。

秋に、近くの、知恩寺で開かれる、古本市の際には、

(吉岡書店自体は、知恩寺の境内には出店しないものの)、開催期間中、店の前の歩道一杯に、この店の商品が並べられるので、

「秋の古本まつり」の帰りには、是非、立ち寄られることをオススメする。

(追記)

→今年の「秋の古本まつり」については、下記ページを参照ください。http://blog.goo.ne.jp/kyocafe306/d/20080914

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早稲田青空古本祭&早稲田古書店街

2008年10月04日 | 京都 & 東京の書店

早稲田大学のキャンパスの近くにある、穴八幡宮で、早稲田青空古本祭が開かれている、というので、早稲田界隈に、今日の午後、出かけた。

東京に30年以上住んでいるのに、早稲田の古書店街には、一度も、行ったことがなかった。

古書(古本)というと、どうしても、神保町というイメージが強く、早稲田の古書店街に行く、という発想は、今まで、湧かなかったのだが、

最近、向井透史(むかいとうし)さんという方の書いた、「早稲田古本屋街」や、「早稲田古本屋日録」、といった本を読んで、東京に住んでいる間(京都に移住する前)に、一度行ってみたい、と思っていたのだ。

早稲田古本屋街 早稲田古本屋街
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2006-10
早稲田古本屋日録 早稲田古本屋日録
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2006-02

(→しかも、どうせ行くなら、有名な早稲田青空古本祭が開かれている時に、と以前から考えていた)

拙宅の最寄り駅である、東京メトロの「表参道」から、半蔵門線に乗り、「九段下」で東西線に乗り換え、東京メトロの「早稲田」で降り、地上に出ると、穴八幡宮は、すぐ近くだった。

青空古本祭の方は、広場を一巡しただけで、そこそこに切り上げ、

本日のメイン・ターゲットである、早稲田古書店街の、探索に向かう。

実際に歩いてみて驚いたのだが、穴八幡宮のある辺り(東京メトロの「早稲田」駅前)から、東京メトロやJRの「高田馬場」駅のある辺りまで、

「早稲田通り」と呼ばれる通り沿いには、実に、多くの古書店が並んでいた。

(→後で、地図で確認したら、30店舗強あった)

最初は、古書店1つ1つ見ていったのだが、きりがない。

後日、改めて出直すことにした。

ただ、覗いた印象では、いかにも、学生街の古書店らしい、品揃えで、

同じ東京にある神保町よりも、

この早稲田古書店街は、京都の、丸太町通りや、今出川通りの、古書店のそれに似ている、という感じがした、いろんな意味で。

この点、詳細については、後日、改めてお伝えしたい。

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京都・百万遍・秋の古本まつり

2008年09月14日 | 京都 & 東京の書店

昨日、河原町三条を少し上がったところにある、キクオ書店に寄った際、

「秋の古本まつり」のパンフレット(一枚もの)が置いてあった。

もう、そんな季節なのだ、と思う。

期間は、10月30日(木)~11月3日(月)、

場所は、例年通り、京大の近く、百万遍の知恩寺の境内、

主催は、京都古書研究会

京都市勧業館で開かれる、「春の古書即売会」が、今年の春で26回目、

下鴨神社糺の森で開かれる、「下鴨納涼古本まつり」が、今年の夏で21回目だったのに対し、

この「秋の古本まつり」の方は、今秋で32回目だというから、

「京の三大古本まつり」、といわれるもののなかで、

最も古い古本まつり、なのだろう。

そういえば、以前、キクオ書店のご主人と、立ち話した際、「秋の古本市が、最も、本格的な、古本市」、と仰っていたのを憶えている。

キクオ書店のご主人といえば、仕入れに海外まで行かれるという本格派。

そのキクオ書店のご主人、イチオシの古本市が、この「秋の古本まつり」。

本好きの方は、今から、秋のスケジュールに、京都・百万遍の知恩寺で開かれる、この「秋の古本まつり」を、入れておかれては、いかがだろうか?

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「古本泣き笑い日記」(山本善行著)

2008年09月03日 | 京都 & 東京の書店
古本泣き笑い日記 古本泣き笑い日記
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2002-09

京都・銀閣寺の近くにお住まいの、「古本ソムリエ」と自称されている、山本善行さんの書かれた本。

同じ著者の、「関西赤貧古本道」については、既に、本ブログでも紹介した。

古書マニアというのは、価値のある古書をいかに安く入手するか、

というゲームに興じる人、という側面があるが、

山本さんほど、そうした古書マニアの心理を、面白可笑しく語れる人も珍しい。

なんでも、山本さんには、古本の女神というのが憑いていて、

古書店で何かを見つけ思わず手が伸びたときでも、

「やめときなはれ、あんさんはもっと安う買うお方どす」、

というお告げがあったときは、買いを見送るのだという。

まもなく秋、百万遍・知恩寺で、恒例の青空古本市の開かれる季節だ。

古書好きの人は、それまでに、山本さんの本でも読んで(あるいは、読み直して)、

気分を高めておくのも、いいかもしれない。

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「渋谷大古本市」

2008年08月20日 | 京都 & 東京の書店

古書店めぐりは夫婦で (ハヤカワ文庫NF) 古書店めぐりは夫婦で (ハヤカワ文庫NF)
価格:¥ 714(税込)
発売日:1999-09
下鴨納涼古本まつり」が終わったと思ったら、渋谷の東急東横店で「渋谷大古本市」をやっている、というので、昨夜、家内と出かけた。

渋谷は、私の住んでいる南青山からは歩いて20~30分の距離。

青山通りと呼ばれる大通りを、左手に青山学院大学のキャンパスを、右手に国連大学を見ながら、南西に少し歩き、宮益坂と呼ばれる坂を下っていくと、もうそこが渋谷だ。

この「渋谷大古本市」は、東京の古書店を主体に、関西の店も参加している、というので、目録を見ていたら、京都からは、石川古本店が、参加していた。

本が売れなくなった、と言われて久しいが、こういう場所にくると、いつも人が多いのに驚く。

若い女性から、杖をついた年老いた女性まで、開催場所が百貨店ということもあってか、女性の姿も多かった。

開催は今日(20日)まで。期間中は夜9時までやっていたが、最終日の今日だけは夕方5時までらしいので、注意!!

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神保町・中山書店・閉店セール

2008年07月27日 | 京都 & 東京の書店

神田神保町古書街 2008―全171軒エリア別最新ガイド (2008) (毎日ムック) 神田神保町古書街 2008―全171軒エリア別最新ガイド (2008) (毎日ムック)
価格:¥ 1,500(税込)
発売日:2007-10
京都から戻って最初の週末の昨日、家内と神保町に出かけた。

家内が探していた本を最初に入った厳松堂で偶然ゲットした後、

いつも通り、悠久堂では博物館の図録を、村山書店では講談社学術文庫を、

とそれぞれの店が力を入れている分野の棚をチェックしながら、

靖国通りを駿河台下の交差点の方向に歩く。

途中で大屋書房に和本を見に行く、という家内といったん別れ、

少し戻ったところにある古瀬戸という喫茶店で待つことにする。

古書店巡りの醍醐味の1つは、珈琲を片手に、その日買った本をパラパラめくること。

その後合流した家内と古瀬戸を出、すずらん通りの方に回ると、

中山書店のウィンドーに、「閉店セール20%引き」と書いた紙が何枚か貼られている。

神保町の古書店の閉店時間というのは、意外と早く、夜6時になると、閉まる店が多い。

そのなかで、この中山書店は、比較的夜遅くまでやっていて、

靖国通りに面した店々が閉まった後は、すずらん通りの中山書店へ、

というのが、長い間の習性となっていた。

その店が閉店する、というのだから本当に驚いた。

店は8月上旬位まではやっている、というが、

いきつけの古書店や喫茶店がなくなる、というのは、

それが京都であれ、神保町であれ、いつも寂しいものだ。

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「関西赤貧古本道」(山本善行著)

2008年07月24日 | 京都 & 東京の書店
古本泣き笑い日記 古本泣き笑い日記
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2002-09
関西赤貧古本道 (新潮新書) 関西赤貧古本道 (新潮新書)
価格:¥ 735(税込)
発売日:2004-02

古本屋めぐりが楽しくなる―新・文學入門 古本屋めぐりが楽しくなる―新・文學入門
価格:¥ 2,415(税込)
発売日:2008-06-24

著者の山本さんは、京都・銀閣寺の近くにお住まいの古本エッセイスト(”古本ソムリエ”と自称されている)。

世の中に古書を愛する人の裾野は意外と広いらしい。

土曜日に神保町に行くと若い女性が多いのに驚いたりもする。

大手の書店でも、古書関連を集めたコーナーというのが、

(それと明示はされていないが)歴然とある(たとえば、八重洲ブックセンターなら一階の右奥、京都四条のジュンク堂なら一階左手の棚の中ほど)。

高橋徹さん、岡崎武志さん、北尾トロさんなど、古書について綴られる著述家も多い。

そのなかで、私にとって身近に感じられるのが、この山本善行さんだ。

ご本人自身当惑の気味の、いつしか身についた習性(古本ファンなら誰でも膝をたたく)について、軽妙な、そして、臨場感溢れる、記述が随所にあり、思わず笑ってしまう。

とにかく、山本さんにとって、京都三大祭りとは、

岡崎で行われる春の古本祭り、下鴨の夏の納涼古本祭り、知恩寺で開かれる秋の古本祭り、のことらしい。

いずれにしろ、私にとって、竹岡書店、京阪書房、赤尾照文堂など、

京都の古書店の名が次々にでてくる山本さんの本は、

東京にいながらにして、「京都古書店巡り」をした気分にさせてくれる、

得難い座右の書となっている。

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神保町という街

2008年07月12日 | 京都 & 東京の書店

神田神保町とヘイ・オン・ワイ―古書とまちづくりの比較社会学 神田神保町とヘイ・オン・ワイ―古書とまちづくりの比較社会学
価格:¥ 2,625(税込)
発売日:2008-07
私の住んでいるところ(南青山)の最寄り駅は表参道で(徒歩10分程度)、そこから半蔵門線で一本(10分程度)で神保町に出れる。

今日はPAPASでランチをすませた後、家内と神保町に出かけた。

私は、東京という都市がすでに巨大化しすぎ、人間が人間らしく生きれる規模をはるかに超えている、と思っている。

オフィス街なら丸の内、絵を見るなら上野、百貨店なら新宿、古書店なら神保町と都市機能が散らばっており、とにかく疲れるのだ。

川べりや森の中を歩きたい、山に登りたい、となると一日がかりだ。

これに対し、京都は、東京と遜色ない金融やショッピングなどの都市機能(烏丸や四条)に加え、高度の水準の医療施設(京大や府立大の付属病院)、芸術関連施設(岡崎)、豊富な自然(鴨川、京都御苑、糺の森、東山)、古書店や老舗喫茶(寺町通り、河原町)、東京にはない世界遺産クラスの寺社などの多様性を1つの徒歩圏にあわせもつ、奇跡的な都市だ、と私は思っている。

そして、現代社会の多様性を見失うことなく、人間らしく生きられる街として、私も家内も老後は京都に住みたいと考えている。

それでも、これだけは東京にしかない(従って、京都に移住した後も、年に何度かは東京にくることになるのだろう)、と私が思っている街(都市機能)が実は1つだけある。

それが、この神保町という(圧倒的な古書集積機能をもつ)街だ。

京都は「街全体がワンダーランド」と言われる。

似たような意味で、神保町は街全体が「書物のワンダーランド」なのだ。それは東京という大都会が続けてきた各街の機能分化(専門化)の珍しい成功例だと私は思っている。

日本という国が1200年かけて京都という街を創ったように、近代日本は100年以上かけて神保町という街を創ったのだ、とさえ思う。

神保町という街の魅力については後日あらためてお伝えしたい。

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「古書店めぐりは夫婦で」

2008年07月04日 | 京都 & 東京の書店
古書店めぐりは夫婦で (ハヤカワ文庫NF) 古書店めぐりは夫婦で (ハヤカワ文庫NF)
価格:¥ 714(税込)
発売日:1999-09

ウォール街で勤務した経験をもつ著者である若い作家夫婦が、

ひょんなことから古書の魅力にとりつかれ、

休日のたびに古書店巡りをするようになった経緯を綴った長編エッセイ。

夫妻には「旅に出ても古書店めぐり」という本書の続編もあって、

二人がその後ますます古書の世界に魅入られていく様子が描かれていて、

それはそれで面白いのだが、あいにく続編の方は今は絶版のようだ。

京都の魅力の1つは、古書店巡りのできる街でもあること。

シルバー世代の本好きの夫婦の方々には、

京都での時間の過ごし方の参考にしていただけるのでは‥‥。

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