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著者の山本さんは、京都・銀閣寺の近くにお住まいの古本エッセイスト(”古本ソムリエ”と自称されている)。
世の中に古書を愛する人の裾野は意外と広いらしい。
土曜日に神保町に行くと若い女性が多いのに驚いたりもする。
大手の書店でも、古書関連を集めたコーナーというのが、
(それと明示はされていないが)歴然とある(たとえば、八重洲ブックセンターなら一階の右奥、京都四条のジュンク堂なら一階左手の棚の中ほど)。
高橋徹さん、岡崎武志さん、北尾トロさんなど、古書について綴られる著述家も多い。
そのなかで、私にとって身近に感じられるのが、この山本善行さんだ。
ご本人自身当惑の気味の、いつしか身についた習性(古本ファンなら誰でも膝をたたく)について、軽妙な、そして、臨場感溢れる、記述が随所にあり、思わず笑ってしまう。
とにかく、山本さんにとって、京都三大祭りとは、
岡崎で行われる春の古本祭り、下鴨の夏の納涼古本祭り、知恩寺で開かれる秋の古本祭り、のことらしい。
いずれにしろ、私にとって、竹岡書店、京阪書房、赤尾照文堂など、
京都の古書店の名が次々にでてくる山本さんの本は、
東京にいながらにして、「京都古書店巡り」をした気分にさせてくれる、
得難い座右の書となっている。