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森の空想ブログ

姫女苑<ヒメジョオン>で黄色と鶯色が染まった  [空想の森の草木染め<29>] 


・ヒメジョオンは帰化植物だが、空き地や道端など至るところに自生し、日本の里山の風景に同化している。
・写真は、「九州民俗仮面美術館」前の広場。ここは20年ほど前まで、「石井記念友愛社」の子供たちが使った運動場の跡地である。森の中にぽっかりと開いた空間に群れて咲くヒメジョオンが、メルヘンの世界を描き出している。
・ヒメジョオンは、北アメリカ原産で江戸時代に観葉植物として移入された帰化植物だが、一個体あたり47000以上の種子を生産し、その種子の寿命は35年といわれるほど繁殖力が強く、明治時代にはすでに「雑草」と認識されている。当初は「柳葉姫菊」と呼ばれたり、鉄道線路に沿って繁殖したため「鉄道草」と呼ばれたりした。現在では、「小さな紫苑」を意味する「姫女苑」が定着している。「ハルジオン」と良く似ているため混同されることが多いが、「ハルジオンは春先に開花、ヒメジョオンは初夏に開花」「ハルジオンは茎が空洞、ヒメジョオンは茎の内部が詰まっている」「ハルジョオンは花が下向きに咲く、ヒメジョオンは上向きに咲く」などの違いがあるので見分けられる。
・旺盛な繁殖力で駆除も難しく、在来種の植物の生育を邪魔するケースもあって、セイタカアワダチソウとともに嫌われものの代表格の「要注意外来植物」に指定されているが、花は可憐で新芽および花は天ぷらで食べられる。

・今回はそのヒメジョオンで「黄色」と「鶯色」を染めることに。


・まずは採集。空き地で刈り取る作業。
・黄色用と鶯色用の二つのタンクに分けて煎じる。

・ヒメジョオンで黄色を染めるためには「先媒染」という、布を前日から媒染液に漬け込んでおく作業が必要となる。
・媒染材はミョウバン。
・前日、生ミョウバンをお湯に溶かし、水で増量。その溶液にシルクストールを漬け込み、80度まで熱した上、一晩漬け込んでおく。
・アンモニア(水1リットルに対しアンモニア4cc)を水に溶かし、前日先媒染した布を30分漬け込む。


・煎じる。茶系の黄色っぽい染液が得られた。


・布を水洗いし、アンモニアを落として、染液に浸け、約30分煮沸。この時点で黄色に発色。
・水洗いして染め上がり。


・「色の古名」では「浅黄(うすき=赤みのうすい黄色)、「花葉色(はなばいろ=赤みのあざやか黄)に近い。
*以上がミョウバン媒染。


*鉄媒染は、これまでに他の草木で何度も実行してきたので、データは省略。
・同じ工程で得られた染液に、布を入れて煮沸し、鉄媒染液に漬け込み、さらに元の染液に戻して煮沸し、染め上がり。


・「色の古名」では「鶯色(うぐいすいろ=緑みの暗い黄)」または「柳鼠(やなぎねず=黄みの明るい灰緑)などに近い色がある。
・色は、素材の質によって少しずつ違いがあるので念のため。
・写真は夕暮れ時でストロボを用いたため、実際の色とは少し違いがある。

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