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最後の将軍  徳川慶喜   司馬遼太郎

2010年06月08日 20時07分23秒 | Books
  最後の将軍  徳川 慶喜       司馬 遼太郎

江戸幕府 15代将軍  徳川 慶喜 が 将軍として鎮座していたのは 最後の1年間であった。  しかし その業績は、大政奉還 という大仕事であった。  江戸幕府200年の終止符を打つと決断したと時の心の葛藤は いかなるものであったろう? 文中では、この慶喜という人物の 生い立ちから受けた教育による 貴族性によるものだと述べられているが、果たしてそれほど簡単に片付けられるものだろうか。    
 後世の人は、長州と幕府軍との最後の一戦、鳥羽伏見の最中形勢不利と判るやあっという間に江戸に帰ってしまった。このようなことからこの将軍は、智謀、策謀には 長けていたが最後の胆力は欠けているとあまり良いように評価していない。しかし、大政奉還をなし、日本を分裂させなかったことが、いかにその後の日本を救ってくれたは 計り知れない。開国を迫った諸外国に中国のごとく蹂躙されずに済んだのである。
 慶喜は 比較的長命で、大正2年まで生き永らえたそうだ。  明治の時代になり、敵対した西郷隆盛、大久保利通、伊藤博文、などの活躍を見守り、そして彼らより長生した。 どんな思いで彼らを眺めていたのであろう。
 文中より 『慶喜の死は、江戸を一挙に遠い過去のものにした。この日以来、慶喜は江戸を懐かしむ人々の感傷の中にいきはじめた。』

 『時勢という魔物には勝てぬ』と 慶喜は つぶやくが、  
かの諸葛孔明も 曰く 『人 事を計り 天 事を成す』と。  同じような思いがここにはある。

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