いまや少々の暴言や失言には驚かなくなった政治家の発言ですが、
前田国交相(74)の弁明には「ぶったまげ」ました。
それは、前田国交相が岐阜県下呂市長選の告示前に、
特定候補支援を依頼する文書へ署名し、
公職選挙法違反に問われていることに対する釈明の言葉です。
「文書の内容を確認しないまま署名したのは、 誠に軽率で深く反省している」
民主党の別の議員から秘書を通じて頼まれたもので、
文書の内容や送付には関与していないということを強調したいようですが、
とても74年も生きてきた経験豊かな人物の言葉とは思えません。
本当に彼は文書の内容を確認しなかったのでしょうか。
「公職選挙法のことくらい知っているし、
文書の内容を知っていれば署名なんかしなかった」
彼はそう言いたかったに違いありません。
しかし、素直に「公職選挙法違反になるとは知らなかった」
と言えば「無知」「勉強不足」と言われるだけで済むものを、
なまじ見栄を張り、責任を回避しようとするものだから、
大臣としての資質はおろか、
社会人としての常識さえ疑われる結果となってしまうのです。
不祥事を起したときの謝罪としては最悪です。
下心のある謝罪は、必ず見透かされるものです。
謝罪では、責任回避をしようとした時点で、違った責任が生じます。
なぜなら、責任があるか否かは、自分で決めることではないからです。
一流大学を卒業して官僚になり、政治家になった彼は、
いわゆる社会常識も知らなければ、人への謝りかたも、責任の取り方も、
まるで知る必要もなく生きてきたのではないでしょうか。
そんな対応に見えます。