くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

どっちが余計なお世話?

2012-04-26 22:47:50 | 総務のお仕事(いろいろ)
環境省が今年度の「クールビズ」の実施について発表しました。
これにあわせ、わが社でも環境省と同じように開始時期を前倒しして、
5月1日から「クールビズ」をスタートすることになりました。

早速、会社の社外ホームページに「お知らせ」を掲載します。

「当社では冷房設定を28℃に設定し、
 ノーネクタイ・ノー上着で業務を行いますので
 お客様のご理解とご協力をお願いいたします」

これは、「軽装で接客することを許してね」というメッセージです。
これに続けて、お客様への呼びかけが続きます。

「弊社にご来訪のお客様におかれましても、 お気軽に軽装でお越しください」

すると、ホームページを見たという一般の方から、
予想もしなかったクレームの電話がかかってきました。

「おたくの会社は、お客様に服装を指示するのか!
 お客様がどのような格好で行こうと自由ではないのか。
 このような文章は、すぐに削除してもらいたい」

要するに、お客様の方が立場が上なのだから、
おまえがお客様の服装をあれこれ言うのはおこがましい、
余計なお世話だということのようです。

もちろん会社としては、お客様の服装を指示したつもりはありません。
むしろ、「お客様に気を使わせてはいけない」 と配慮したつもりです。

一般の方も、お客様としての権利意識が行過ぎると、
このような、歪んだ正義感タイプのクレーマーに変貌します。
「自分は間違ったことは言っていない」 と自信たっぷりに話します。
クレーマーの中でも、もっともやっかいなタイプのひとつです。

杓子定規に解釈すれば、間違ったことは言っていません。
だからこそ、ここで相手の言い分を否定したり、疑問を呈したりすると、
相手はますます意地になってこじれるだけです。

このタイプが得たいのは、多くの場合が金品ではなく満足感です。
したがって、不承不承ながらも相手の言い分を聞き、
言いたいことを気の済むまで話してもらうしかありません。

「本人は『またひとつ良いことをした』と思っているんだろうなあ」
このようなクレームの後は、いつもそんな徒労感でいっぱいになるのです。