環境省が今年度の「クールビズ」の実施について発表しました。
これにあわせ、わが社でも環境省と同じように開始時期を前倒しして、
5月1日から「クールビズ」をスタートすることになりました。
早速、会社の社外ホームページに「お知らせ」を掲載します。
「当社では冷房設定を28℃に設定し、
ノーネクタイ・ノー上着で業務を行いますので
お客様のご理解とご協力をお願いいたします」
これは、「軽装で接客することを許してね」というメッセージです。
これに続けて、お客様への呼びかけが続きます。
「弊社にご来訪のお客様におかれましても、 お気軽に軽装でお越しください」
すると、ホームページを見たという一般の方から、
予想もしなかったクレームの電話がかかってきました。
「おたくの会社は、お客様に服装を指示するのか!
お客様がどのような格好で行こうと自由ではないのか。
このような文章は、すぐに削除してもらいたい」
要するに、お客様の方が立場が上なのだから、
おまえがお客様の服装をあれこれ言うのはおこがましい、
余計なお世話だということのようです。
もちろん会社としては、お客様の服装を指示したつもりはありません。
むしろ、「お客様に気を使わせてはいけない」 と配慮したつもりです。
一般の方も、お客様としての権利意識が行過ぎると、
このような、歪んだ正義感タイプのクレーマーに変貌します。
「自分は間違ったことは言っていない」 と自信たっぷりに話します。
クレーマーの中でも、もっともやっかいなタイプのひとつです。
杓子定規に解釈すれば、間違ったことは言っていません。
だからこそ、ここで相手の言い分を否定したり、疑問を呈したりすると、
相手はますます意地になってこじれるだけです。
このタイプが得たいのは、多くの場合が金品ではなく満足感です。
したがって、不承不承ながらも相手の言い分を聞き、
言いたいことを気の済むまで話してもらうしかありません。
「本人は『またひとつ良いことをした』と思っているんだろうなあ」
このようなクレームの後は、いつもそんな徒労感でいっぱいになるのです。