大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

まさかのさかのギリシャ

2015年06月29日 | 経済
ギリシャ政府のとんでもない愚挙に驚きました。
国家破産の危機に際して、そのカギを握る緊縮政策の是非について、国民投票に委ねるということです。
詳細を何も知らされていない国民に委ねて、責任転嫁を図ろうというものですね。
この愚挙を知ったEU諸国もさすが堪忍袋の緒が切れました。
緊縮政策に踏み切らないギリシャに対して30日以後の金融支援には応じないことを決定しました。
そうなるとギリシャは30日期限のIMFへの返済がデフォルト(債務不履行)し、事実上の国家破産となります。
複雑なのはその後の展開です。
ギリシャ通貨はEU統一通貨ユーロのため、ギリシャが破産しても大戦前のドイツのようなハイパーインフレにはなりませんが、支援のためのユーロ通貨は入ってきません。
公務員の給与や年金は即時ストップするでしょうし、輸入品も買うことができなくなり、国民生活は大打撃を受けます。
かといってユーロ圏から離脱するにせよギリシャ通貨はありませんし、今から準備しても旧通貨ドラクマの発行までは相当期間かかります。

第一次世界大戦勃発前夜の1913年、ドイツのマルク、イギリスのシリング、フランスのフラン、イタリアのリラ、これら4通貨の価値はほぼ等しいものでした。
それが大戦終了後1923年の末には、1シリングや、1フランや、1リラで、最大1兆マルクが交換できました。
といっても、実際にはどれだけマルクの大金を積まれても、それを受け取る者はいませんでしたが…。
マルクはかつての1兆万分の1まで値下がりし、もはや紙くず同然だったのです。
これが国家破産の姿です。
追い込まれたドイツはナチスの戦略で第二次世界大戦への道を歩みます。

それにしても国家財政の危機は我が国でも同様です。
夕張市の破綻もどこか他人事のように見ていましたが、ギリシャ問題もどこ吹く風と流してしまうんでしょうか?
下表は先進国の政府債務残高(対GDP比)推移です。

みなさんはどう考えるでしょうか。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿