大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

政治とはなにか(5)

2016年05月30日 | 政治
こうして封建制度は崩れたが、国家を運営するシステムも機能しなくなった。
富を持つ資本家と富を持たない労働者で構成される社会において、誰からどのくらい税金を徴収するのか、労働者の生存権をどのように保障するのかが問題になっていった。
そこで民主的な手続きである選挙を通じて国家の運営方法を決することとなる。
しかし最初は税金を多く徴収される豊かな資本家など1%に満たない者が選挙権を独占した。
これでは聖職者と貴族にかわって大金持ちだけに選挙権が与えられたにすぎないので、個人の自由と権利の確保は全国民にも及ぶとして、選挙法の改正運動が起きていく。

また産業革命以降の社会的不平等が広がる中で、社会主義思想が誕生し、イギリスでは労働者が連帯する労働組合が生まれた。
本来的には産業革命とともに起こした社会革命は、啓蒙思想が原動力になっており、封建主義から民主主義に移行すれば、人間の尊厳・平等は守られるはずであった。
しかし実際には資本家と労働者の格差は広がるばかりであり、民主的な手続きを経てもこの差を埋めるのは難しいと説いたのがマルクスである。
この理論から、そうであるとするならば資本家(ブルジョアジー)をなくし、すべてが労働者(プロレタリアート)の国をつくれば人間の尊厳・平等は達成できると考えたのがレーニンである。
ここに新しい共産主義というイデオロギーが誕生し、第2次大戦後の冷戦にまでつながるが、共産主義の実験は失敗に終わる。

長い歴史を簡単に説明してきたが、そのなかにあった政治的権力闘争は凄まじい。
ピラミッドの頂点にいて権力を握ってきた存在、それは…こういうふうにデフォルメできないだろうか。

神官(聖職者)→貴族(国王)→軍人(武力)→富裕層

そして下図が現代の姿である。
上流階級のはるか上にいるとてつもない大金持ちの存在をまずは意識しよう。
そして労働者の団結を図れなければこの強敵に打ち勝つことはできないことを知ろう。


(つづく)