大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

巨匠の眼

2014年04月16日 | 日記
本日は急きょ(?)お休みをいただきました。
昨晩は面白い居酒屋に出会った嬉しさからついつい深酒をしてしまいまして、「明日はなんの予定や会議もないから年休取ってもいいかしら?」とパートナーに甘えてのお休みです。
あまり褒められる事ではありませんが、予定外のお休みってなにか得したように思えてワクワクしてきます。

ゆっくりと朝寝するつもりでしたが、寝ているのは損な気がしてきて、布団の中で予定外の予定を立てて起床。
朝の連ドラを見てからバスに揺られて向かった先は「静岡市美術館」です。

開催中の展覧会は「巨匠の眼 川端康成と東山魁夷」です。
大親友だったという二人のコレクションや彼らの作品がたっぷり堪能できそうです。

「巨匠の眼」のタイトルどうり、そのコレクションは素晴らしいものでした。
同時に巨匠たちは芸術家であるとともに哲学者でもあるなあと感じ入りました。
大文豪川端康成は当然のことでしょうが、彼らの言葉のひとつ一つが輝いているし、やることなすことが洒落てますね。

川端康成は、ノーベル賞受賞が発表された夜に読んだ句を、東山魁夷にプレゼントします。
東山は、それを屏風仕立てにして裏絵をつけました。
その中の一句。
「秋の野に 鈴鳴らし行く 人見えず」
野はノーで、鈴はベルでノーベル。
裏絵には素敵な秋の野が描かれていました。

展覧会エピローグにあった東山魁夷の文章です。
「私は生かされている。
野の草と同じである。
路傍の小石とも同じである。
生かされているという宿命の中で、せいいっぱい生きたいと思っている。
せいいっぱい生きるなどということは難しいことだが、生かされているという認識によって、いくらか救われる」

両巨匠、さすがですね。