大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

政治とはなにか?(1)

2016年05月20日 | 政治
某労組から「労働運動と政治活動について」の講演依頼を受けた。
同じようなテーマで過去何度も話をしたことがあるが、これだけ政治不信が高まっていると切り口を変えないと耳を傾けてはくれないだろう。
私の頭の中の整理も含めて、政治の“そもそも”を世界史から眺めてみることとした。

民主主義は格段新しいものではなく、古代ローマの支配下以前からギリシャに民主主義は存在していた。
ギリシャの都市国家群(ポリス)の政体は多様であり、王侯・貴族を中心とする寡頭制や、全市民参加の直接民主制を採用するポリスがあった。
プラトンは古代ギリシャの哲学者でソクラテスの弟子だったが、ソクラテスは恨みを持つ者から告発され市民の投票によって死刑を宣告される。
この事件からプラトンは民主政治への疑念を抱くようになり、哲人政治への思想にたどりつく。
民主政治はその自浄力を失ったとき衆愚政治に化すから、偉大なるリーダーの手による政治を目指すべきだというものである。
プラトンはアカメディアを創設し、哲人王となる人材を育成しようとした。
多くの優秀な人材が輩出されたが、結果的に哲人政治は独裁制につながるため、その試みは失敗に終わる。
古代ギリシャは次第にローマ帝国に飲み込まれていく。

(つづく)

協同労働の協同組合法案に期待する

2016年05月19日 | 労働者福祉
連合会長や中央労福協会長を務めあげた(故)笹森清氏の念願であった「協同労働」に法人格を認める法案が成立する可能性が高まっている。

この法案は超党派による議員連盟の手によって次期国会で提案される。

協同労働の協同組合は、個人が協同で出資し、経営し、働く協同組合であり、組合員の自由な意思に基づき、協同で決定した「就労規定」によって事業に従事する。
似たような法人でNPO法人があるが、NPO法人には出資や分配の制度がないから、自らが出資し、自らが働くという働き方はできない。
この法案が成立すれば、出資した個人個人が経営者であり労働者であるという「協同労働」の世界が一気に広がり、特に地域密着型の協同事業が起業しやすくなるだろう。

しかしこの法案には労働界から異論が出る可能性がある。
それは気をつけないと悪用される恐れがあるからだ。
出資して働けば、労働者であっても経営者だから、原則的には労働法の適用から除外されてしまう。
たとえば労働基準法以下の労働条件で働いても許されることになる。
これらの問題をカバーするために法案では、労働条件は「就労規定」で定めることになっているが、労基法以下の場合は労基署が変更を命ずることができるとなっている。
細かい部分までは示されていないが注意深く見ていく必要もある。
だからといって評論家にならず、むしろ私たちが先頭に立って今から準備を進め「協同労働」の正しい姿を示していく覚悟を持ちたいと思う。
高い志を持って、新たな社会を築いていきたい。

法案をつくって魂を入れるのは私たちだ。
笹森さんはきっとそういう姿を草葉の陰からみたいはずだ。


一万歩クラブ episode1→episode2へ!

2016年05月18日 | 遊び
定例会当日の朝からアクシデント発生。
集合場所は「東静岡駅南口ではなく、静岡駅南口だよ!」とのメールが私のもとに届きました。
会員のひとりが早立ちのウォーキングで気がついて連絡をくれたので事なきを得ましたが、幹事役はミスしないよう気をつけねばなりませんね。
今回コースのメインは「トレインフェスタ2016」でしたが、タイミングよく開催していた「ホビーショー」と「ドイツビールの祭典」にお株を奪われていました。
でもいずれも楽しい企画で参加者は大満足です。


楽しかった一万歩クラブ定例会も5月14日(土)をもって終了。
当初は6月までの予定でしたが、幹事役の私の日程が調整できなかったために幕を閉じました。
なにやら寂しい思いの私です。

そこに朗報が入りました。
これまでの一万歩クラブは終了するが、新幹事のもとで一万歩クラブ(episode2)を再開してくれるとのこと。
私の楽しみは増幅して延長されることとなりました。

新幹事は大滝さんです。ありがとうございます。
あらためて会員を募りますので、入会を希望される方は大滝さんまで連絡ください。
mail:ootaki@za.tnc.ne.jp

私の運動史(連合静岡時代 最終回)

2016年05月17日 | 労働者福祉
「JAM静岡」時代に思いが残るとしたらそれは「教育活動」です。
連合静岡事務局長に就任した2005年に掛川に3階建ての「JAM静岡会館」が完成します。
この会館を私たちは「人づくり会館」と名付けました。
入れ物だけつくって魂を入れられなかったことを悔やみながら私はJAM静岡を去りました。

私の連合静岡時代の最後の仕事も「教育」でした。
2011年1月の賀詞交歓会の新年のあいさつでも「今年は教育の年だ」と誓っています。
1月7日ブログ
第22回定期大会ではこんなあいさつをしています。
『…希望をつくりだすためには、「自らが考え、自らが決定し、自らが実行する」という自力と、「思いを共有する人たちとヨコの連携を図る」協働の力を高める以外はないと思います。
…最後は「教育機能」です。
「政治・政策機能」も「組織対策機能」も結局、人の手によって為されます。
やはり最後は「人の教育」です。新年度より新たに2つの挑戦をいたします。
ひとつは「連合未来塾」。
もうひとつは人財育成web「ワーカーズ・ライブラリー」の開設です。
労組リーダーの育成だけでなく、一般組合員や未組織労働者のみなさんの勉強の場にもなるような素晴らしいものをつくっていきたいと燃えています』

また第22回定期大会第1号議案「実現に向けた行動指針」でも、具体的に3つの(「相談対応スキルのアップ」「オルガナイザーの育成」「コミュニケーション能力アップ」)「リーダー教育」を訴えています。
これまでにないような「リーダー教育」をと工夫し「連合未来塾」がスタートしたのは2012年5月でした。
10年12月29日ブログ11年5月17日ブログ12年3月24日ブログ5月13日ブログ

「連合未来塾」は今でも継続して開催されており将来が楽しみです。
その後、県労福協に軸足を移した私の最後の仕事も「語り部1000人PJ」という「教育」の仕事です。
若かりし頃夢中になった少林寺拳法で教えられたことが、最後まで私の中心にあるような気がします。

「人・人・人・すべては人の質にある」

(終わり)



私の運動史(連合静岡時代 その32)

2016年05月16日 | 労働者福祉
「教育の再構築」を目指して事務局・3役会を中心に議論を重ねました。
その結果、見えてきたことがいくつもありました。
大単組においては、一般組合員から職場委員、執行委員、そしてトップリーダーに至るまでの教育体系も整っています。
しかし中小労組では、なかなか教育活動まで手が回りません。
労働組合がない人たちはその機会すらありません。
「なんとかしなくては…」「勉強したい」と思うリーダーや勤労者のために、研修のツールとしての“データーベース”をつくれないものかとの思いから、10年12月10日「人材育成システムPJ」初会合が持たれました。

連合静岡3役会議構成組織から8名、福祉事業団体から5名、雇用能力センター・富士社会教育センター・労科研から1名ずつ、連合静岡からの2名を合わせ18名の委員が集まりました。
会議では海のものとも山のものとも分からない、まるで雲をつかむような話だと集まった委員から言われたことを思い出します。
こうして人材育成のための“研修ツールの棚”をネット上につくろうという活動が始まりました。
10年12月10日ブログ11年2月8日ブログ5月16日ブログ7月8日ブログ12年5月9日10月29日ブログ13年1月25日ブログ
そして2012年年末に「Workers Library」が誕生します。



(つづく)