花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

ひたち海浜公園に咲く絶滅危惧種・オオウメガサソウ

2010年06月27日 | 写真
全国でも六ヶ所しか自生地が無いという「オオウメガサソウ」
そのオオウメガサソウの特別公開がひたち海浜公園で行われ、本日が最終日
と言うので、怪しい空模様にもかかわらず飛んでいった。


オオウメガサソウ イチヤクソウ科ウメガサソウ属 (草状低木 小さくても常緑樹)
ひたち海浜公園は、オオウメガサソウの南限で、これより南には自生しない。
ひたち海浜公園では、砂丘の砂質土壌で日当たりの良いアカマツ林の林床に生息しています。
貧栄養な砂質土壌に、地下茎を深く伸ばして、松の根共生菌と共生しています。
そのため移植は出来ません。

他の植物との競争に弱く、下草や小木が生えてくると生息出来なくなります。
そのため里山の手入れがされなくなった昭和40年代から自生地が減り
加えて、海外から輸入した松から、松食い虫が国内に持ち込まれ、国内の松が
ほとんど枯れてしまうと言う打撃を受け、それによっても自生地が激減したと
言います。また開発によっても自生地が失われています。

うつむくように下向きの可憐な花をつけるオオウメガサソウは「森の妖精」と
言われています。
根元から花まで5cm~15cm程度と、小さいながらも、樹木の仲間・低木です。
補足、葉っぱに注目、輪生状に数段つきます。


本日は、3回のガイドツアーが行われ、私が参加した午後1時30分の3回目の
ツアーは、生憎の雨降りとなり、雨で花の輪郭がボケてしまいました。
しかし今年の最後なので、何とか頑張って撮影して見ました。
気の毒に思ったのか、他の参加者が私の傘を持って差し掛けてくれました。
皆さん協力ありがとうこざいました。


ここに写っているオオウメガサソウは、これ全部で実は一株なのだそうです。
総てが地下茎でつながっており、他の草のように一株だけ取り出す事は出来ません。

種からも増えますが、普通は地下のランナー(地下茎)で増えていきます。
芽が出てから花が咲くまで、5年から7年かかると言われています。
松の根共生菌と共生していること、地下茎がつながっていること、環境の変化に
弱いことなどから、移植は絶対出来ないそうです。

今年見損ねた方、来年の6月中旬になったらひたち海浜公園にお出かけ下さい。
海浜公園のホームページにお知らせが出ます。


こちらは同じ松林に咲いていた「イチヤクソウ」イチヤクソウ科イチヤクソウ属
花名を漢字で書くと「一薬草」全草を乾かして薬草として使われた事による命名

ただの「ウメガサソウ」も沢山あったが、そちらは残念ながら花が終わっていた。
オオウメガサソウの自生地は、普段は保護のため閉鎖されて入れません。

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ひたち海浜公園では、今年から里山パートナーという公園内の里山の手入れを
して下さるボランティアを募集しています。
詳しくは国営ひたち海浜公園管理センター TEL 029-265-9001 までお問い合わせ
下さい。
最初は勉強会から始める予定だそうです。
申し込んでも強制はしないという事でした。
ひたち海浜公園のホームページはこちらです。
国営ひたち海浜公園

国蝶のオオムラサキ観察

2010年06月27日 | ボランティア
26日土曜日、「つくば環境フォーラム」主催の「オオムラサキの棲む里山づくり」の
行事が有り、保健保安林の草刈りをする前に、島名小学校のオオムラサキの飼育ゲージ
でオオムラサキの観察会があった。


島名小学校の敷地に建つオオムラサキの飼育ゲージ、以前オオムラサキの棲む里山が
面野井と言う地区に有り、開発で里山が無くなるため、オオムラサキの卵を採集し
面野井が島名小学校の学区内であったから、当時の校長先生に御願いして有志が飼育
ゲージを建設して地元のオオムラサキを保護してきたといいます。


オオムラサキのオス (タテハチョウ科オオムラサキ属)
翅の表面は、光沢の有る青紫色で美しい。


こちらはメス、オスより一回り大きいが、光沢は無く、焦げ茶色をしている。


オオムラサキの幼虫


オオムラサキの蛹


幼虫と蛹が、葉の表と裏にいるという観察の絶好の見本


蛹の抜け殻

観察会の後は、学園駅の近くにある保健保安林に行って、雑木林の草刈りをした。
風が無く、蒸し暑い気温で、全身汗びっしょり、慣れていない学生さんは参った
みたい。