歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

Twitterを再開してみた

2009-06-15 21:49:16 | Weblog
 ブログとチャットの中間的サービスのTwitter。要は「つぶやき」という短文のみのミニブログだと認識しているのですが、IT関係の方々を中心に流行っているようです。昨年アカウントを取ってちょっと「つぶやき」を投げかけただけで放置していましたが、再開してみることにしました。しかしこれがどんな風に役に立つのか、正直言ってまだよくわかりません。さて今度はいつまで続くでしょうか。
 ちなみに私の「つぶやき」はこちら。http://twitter.com/erzeroum

蛍が舞う小川の水質検査

2009-06-14 18:44:15 | Weblog
 私が週末に農作業をしている谷戸の田んぼの脇を流れる小川では、この時期は蛍が舞うのを見ることが出来ます。昨夜は農作業を終えて夕食をとって一風呂浴びた後、子供たちと一緒に蛍観察をしてきたのですが、ゲンジとヘイケの両方の蛍を見ることが出来ました。

 蛍が現れる小川です。細々とした小さな流れですが、貴重な農業用水です。この水はどの程度きれいなものなのか、簡単な水質検査キットで調べてみました。


 こちらが今回使用した小学校高学年向けの水質検査キット、芝田科学株式会社の「水のチェック隊シリーズ 川の水」です。


 pHの計測結果です。7.5といったところ。ほとんど中性ですね。


 CODの計測結果です。6mg/lぐらいでしょうか。
 CODとはChemical Oxygen Demand(化学的酸素要求量)の略で、「水中にある物質(主に有機物)が酸化剤によって酸化や分解されるときに消費される酸素量のこと。(特定の物質を指すものではない。) CODの測定値(mg/l)が高い(5~10mg/l)と、生活排水や工場排水などの汚水が混入している可能性が高く、水中の酸素が不足して魚などが棲息できず、自然浄化作用も止まってしまう。」(http://www.gijyutu.com/ooki/kankyou/kensa/suishitsu.htm)のだそうです。ちょっと汚れていますね。


 リン酸の計測結果です。0.5~1mg/lといったところ。河川下流レベルです。


 亜硝酸の計測結果です。0.02mg/lといったところ。これは河川上流レベルです。


 ちょっと清流とは言えない結果でしたが、蛍はある程度富栄養化した水でなければ住めないそうなので、水質はこんなものなのかもしれません。
 計測方法はとても簡単でした。この検査キットはかなり昔に興味本位で購入したのですが、ずっと使わずにそのままになっていました。このため、実は今回の計測時には試薬の有効期限が切れており、結果は正確ではない可能性があります。

公園探訪 日比谷公園

2009-06-12 20:33:27 | Weblog
 午前中に霞ヶ関の官庁で仕事した後、日比谷公園に立ち寄りました。ニューヨークのセントラルパークなどに比べると規模は小さいとはいえ、都会の真ん中にこのような広大な緑地があるのは素晴らしいことです。

 背丈の高い木々に囲まれた小さな広場にて、ベンチに座ってお弁当を食べたのですが、これは食堂などで食べるよりもずっと快適でリフレッシュできますね。同好の士も多いようで、多くの老若男女がお弁当を食べる姿を見ることが出来ました。厚生労働省に対する抗議活動の音声が少々耳障りなのと、この時期は蚊に刺されるのがちょっとデメリットですが、また機会があれば昼食はここで食べようと思いました。

芸「農」人は農業活性化の切り札となるか

2009-06-11 23:55:31 | Weblog
 リーマンショック後の不況の中、新規雇用の創出源の一つとして農業が注目されています。農水省の役人と最近話をする機会があった後輩曰く、農水省氏は「不況になるといつもウチが注目されるんですよ」と述べたのだそうです。

 サービス業、製造業共になかなか景気が良くならない中、慢性的な人手不足の状態にある農業が失業者の受け皿にならないか、と国が考えるのも無理がないように思われます。確かに歴史を振り返ると、かつて農業は多くの失業者を吸収する重要な役割を担ったことがありました。戦後間もない頃の日本は、都市が焼け野原になっている状況の中で、外地から多くの復員兵と引き揚げ者を受け入れざるを得ませんでしたが、これにより発生した膨大な数の失業者のうち相当数を一時的に吸収したのは農業です。しかしながら、戦後間もない頃と今とでは社会構造が変容しており、現在の多くの国民は農村との紐帯を失っているため、都会の失業者が大挙して農業での就業を目指すとは思えません。

 とはいえ、農業に対して国民が抱いていたマイナスイメージが最近少なくなっていることは事実です。農業はダサいというイメージが本格的に変わり始めたのは、イケメンのアイドルたちが様々な農作業にチャレンジするテレビ番組ザ!鉄腕!DASH!!の放映が開始された頃からではないか、と個人的には考えています。彼らはアイドルとはいえ体育会系のイメージを有するメンバーもいるので、農作業を行う姿にさほど違和感は感じませんが、近頃では農業とのあまりのミスマッチぶりに驚いてしまうような芸能人の姿が報じられています。

(以下引用)
 農業タレントといえば、15年前から秋田で米作りをしている俳優の永島敏行さんか、新潟で稲作に励むタレントの大桃美代子さんといった人が思い浮かぶ。ところがここへきて、若い世代にも農業芸能人が急増している。
 ≪米ドルでマイドル≫
 現役女子高生の末永佳子(よしこ)さん(18)は、「米ドル」として売り出し中のアイドルだ。所属事務所によると、「ファンにとって自分だけのアイドルになってほしいとの思いを込め、米(まい)(my)ドルと名付けた」そうで、「米国のお金の米(べい)ドルではありません。間違えないでくださいね」と末永さんは屈託なく笑う。
 5月10日。末永さんは千葉県香取市の水田で、地元の小学生ら30人と田植えに挑戦した。慣れない農作業に悪戦苦闘した。「翌日はすっかり腰を痛めてしまいました。でも日ごろ腰を曲げて草を刈る農家の方たちの苦労が身にしみて、食べ物を残すのはできないと思いました」と振り返る。
 「農ドル」を名乗るアイドルもいる。モデルの田中冴花(さえか)さん(22)は埼玉県の兼業農家に生まれ、小さいころから農業に親しんできた。特技は大型の農機具「コンバイン」を運転することというから驚きだ。
(引用終わり)

出所:http://sankei.jp.msn.com/entertainments/game/090609/gam0906090816001-n1.htm

 こちらが「米ドル」こと末永佳子さんです。


 田植えをやると泥んこになるので、その格好は合理的であるかもしれませんが、虫に刺されたり蛭に血を吸われたりロクなことにはならないと思うのですが。。。
 農業に対する国民の関心が高まることは大変喜ばしいことなのですが、さすがに「米ドル」のような芸「農」人は、農業に対する妙な先入観を人々に与えてしまいそうで、ちょっといかがなものかと感じてしまいます。

実は知ったかぶりをしているオトナ語ランキング

2009-06-11 00:32:10 | Weblog
 会議や打ち合わせにおいて横文字や業界の一種の符牒のような言葉を多用する人は、実はたいしたことを言っているわけでもないのに、なんとなくデキる人物であるかのように見えてしまいがちです。gooランキングにて「実は知ったかぶりをしているオトナ語ランキング」(http://ranking.goo.ne.jp/ranking/014/otona_word/)が発表されているのですが、ランキングにはそんな「いかにもデキるビジネスマン」として振舞う上で格好の用語がずらりと並んでいます。

「実は知ったかぶりをしているオトナ語ランキング」
  1位・スキーム、 2位・イニシアチブをとる、 3位・マター、
  4位・架電の件、 4位・バーター、 6位・ポテンシャル、
  7位・NR、 8位・ガラガラポン、 8位・ASAP、 10位・ペンディング、
 11位・ドラスティック、11位・カウンターパート、11位・サマる、
 11位・リスケ、 15位・アサインする、 15位・マンパ、 
 17位・コミット、17位・デフォルト、17位・たたき台、 
 20位・ルーティン、20位・アグリー、 22位・ボトルネック、
 23位・バッファ、 23位・ジャストアイデア、 25位・キャパ、
 25位・ペイする、25位・オンスケ、28位・ニアリーイコール、
 28位・ごとうび、 30位・アクションアイテム


 「あーこれ使う使う」な言葉が多いです(笑)

 特に1位の「スキーム」はシンクタンク業界がやたらと使う言葉です。日本語にすれば単なる「仕組み」ですが、これではわかり易いけれども有難味がなんだか感じられないので多用されるんでしょうね。6位の「ポテンシャル」、22位の「ボトルネック」もプレゼン(これもオトナ語かも)でよく使うなあ。。。
 しかしながら、「わかりにくいことを、誰にでもわかりやすく」伝えることができるのが、本当の「デキる」ビジネスマンなのだと思います。自分を価値ある人物であるかのように印象付ける上で便利なオトナ語ですが、できるだけ使用を避けるよう心がけたいものです。

 某巨大掲示板では、このランキングに対してこんな反応が。

160:名無しさん@十周年:2009/06/03(水) 11:27:40 ID:7T5R/+w90
  今期のプロダクトストラテージとタクティクスについては、
  まずマーケティングセグメントのマターでリサーチ後、
  エビデンスという形で具体的なアクションプランをフィックスして、
  それらをベースに、セールスセグメントとデベロッパーに
  おいてどういうアウトプットをもたらすのか?
  QCDの形でコミットメントしてください。

  コアコンピタンスが何か、具体的なシナジーは?これをアサインして
  具体的なミッションとしてプランニングしていただきたい。

  こんな感じ?

出所:http://nukohiroba.blog32.fc2.com/blog-entry-1488.html


 このような横文字連発で相手の目を眩まそうとする人、結構いるような気がするなあ。

伊藤章治「ジャガイモの世界史 歴史を動かした『貧者のパン』」

2009-06-10 22:14:42 | 読書
 伊藤章治「ジャガイモの世界史 歴史を動かした『貧者のパン』」(中央公論新社)を読みました。暇つぶしのつもりで手に取りましたが、これはあたりでした。

(以下引用)
南米生まれのジャガイモは、インカ帝国滅亡ののち、スペインに渡った。その後、フランスやドイツの啓蒙君主たちも普及につとめ、わずか五百年の間に全世界に広がった。赤道直下から北極圏まで、これほど各地で栽培されている食物もない。痩せた土地でも育ち、栄養価の高いジャガイモは「貧者のパン」として歴史の転機で大きな役割を演じた。アイルランドの大飢饉、北海道開拓、ソ連崩壊まで、ジャガイモと人々をめぐるドラマ。
(引用終わり)


 著者は元新聞記者の経歴を有する桜美林大学の教授です。文献調査に加えて、元新聞記者らしく著者が現地に直接足を運び、丹念に行った取材結果をもとに本書は書かれているため、具体的かつ説得力がある内容になっています。
 ジャガイモというポピュラーな農産物が、実は歴史の激動期において大活躍をしてきたという意外性を鮮やかに描いた好著です。大航海時代以降の世界史のポイントと農業問題の両方を学べるお得な一冊、と言い換えてもよいかもしれません。

湘南の公園探訪 腰越かに公園

2009-06-10 01:21:22 | 公園探訪
 先週末、公園に行きたいと息子にせがまれて出かけたのですが、いつもの場所ではつまらないので新しい公園を開拓してきました。見つけたのは腰越かに公園です。場所はこちら。



 敷地内に郵便ポストが設置されている公園は初めて見ました。子供たちが悪戯で葉っぱなどを入れたりしないのかな。


 住宅街の中の小さな公園です。遊具は滑り台とブランコのみ。ベンチは4つもあります。高台にあるため風通しが良く、大きな木に囲まれており、また手入れが行き届いていてゴミも少ないため、とても爽やかで居心地が良い公園です。


 水飲み台があります。この種の水道は、ちょっと蛇口をひねると想像以上の勢いで水が出るので服が濡れたりすることがありますね。これは蛇口の構造上どうしても勢いが強くなってしまうのだそうです(→「公園にあるアノ水飲み器の勢いが想像以上にすごいのはなぜか」exciteニュース)。


 かにがしっかりいました。公園の名前に偽りなしですね。

労働災害防止のためのカナダ職場安全保険局のすごいCM

2009-06-07 21:21:52 | Weblog
 労働災害が発生しないよう、労使共に安全意識の向上に努めなければならないことは言うまでもありません。厚生労働省の外郭団体の労働衛生情報センターがまとめた平成9年から平成19年までのデータによると、全産業の労働者1,000人あたり1年間に発生する死傷者数は緩やかに減少しており、平成9年に3.2人であったのが平成19年には2.3人にまで減っています(こちら)。しかしながら産業によっては依然として多くの死傷事故が発生しています。特に多いのが、鉱山(平成19年で33.3人)、林業(同29.5人)、漁業(同17.2人)で、製造業でも造船(同10.3人)、鋳物(同10.1人)、木材・木製品(9.2人)は特に高い数字を示しています。これらの業界は労働災害の発生防止に向けて今後も一層努力していくことが求められます。

 さて、労働災害の発生を防ぐため、厚生労働省は写真のようなポスター等を通じて安全意識の高揚を図っているところですが、高速道路のSAで時々見かける交通事故写真のように、「安全意識を怠るとこんな悲惨なことになりますよ」というポスター等は見かけたことはありません。それが当たり前だと思っていましたが、海を越えた外国では労働災害防止のためにものすごいCMを放映する国がありました。カナダの職場安全保険局のCMなのですが、これは怖すぎます。気の弱い方には視聴はお勧めしません。




 登場人物のセリフがわかれば、単なる衝撃映像ではなく深い意味が込められたCMであることが理解出来ると思います。ありがたいことにセリフの和訳をコメントに寄せている方がいらっしゃるので、以下に引用させていただきます。なお、CMの最後にThere really are no accident.というメッセージが表示されますが、セリフの和訳を寄せているこの方の解説によると、「accidentは、自然発生的な事故という意味。つまり、人災は防げるってことが言いたいんでしょう。」とのことです。

1番目:ブティックにて
「事故よ!誰か助けて!」
「事故?事故じゃないし。会社がずっと前にハシゴを取り替えてくれてたら。あんな高いとこ届くわけないわ。働いてる人少ないのになんでちゃんとした規則がないの?」

2番目:レストランの厨房にて
「私はここの副シェフなの。運良ければ来年までにはシェフになれそう。私には素敵な婚約者もいる。でも今週末の式は挙げられないの。私がひどい事故に遭ってしまって。本当に、私はこのあたりの床の(上に飛び散った)油をきれいに掃除しておくべきだった。そうしておけば、私が「揚げ物」になることもなかったのに。」(悲鳴)
(男性の声)「誰か手を貸して!」

3番目:工場にて
「おい、ジム!あの部品をよこしてくれ」
「ああ!」
「110番!(911)事故だ!」
「これは事故なんかじゃない。会社は上にあんな重荷を積むのが規則違反だってわかってるはずだ。オレもやってることに集中してなかったけど。上司たちが壊れた棚も買い換えられないとはね。」

4番目:建設現場にて
「オレは家族をいい旅行に連れてってあげたいから残業しているんだ。でも、もうすぐ家族はオレが『事故』で殺されたって電話を受けるんだ。でもオレはすげぇハーネス着てるだ。でも、会社はタンクを点検するべきだった」
「事故だ!助けを呼べ!」



 「労働災害が発生しないよう、労使共に安全意識の向上に努めなければならない」、というメッセージは実によく理解できるCMなのですが、この映像の衝撃度は日本では許容されないでしょうね。

高橋五郎「農民も土も水も悲惨な中国農業」

2009-06-06 20:51:06 | 読書
 高橋五郎「農民も土も水も悲惨な中国農業」(朝日新聞出版)を読みました。

 著者は経済学者ですが、日本の商社マンも訪れないような中国の農村を訪れ、畑の土を握り、悪臭を放つ肥溜めや汚染された農業用水を見て歩き、農民たちから直接話を聞いて回り、本書を書き上げています。タイトル通り、本書で描かれた中国農業は悲惨としか言いようがありません。農民を「二等公民」という低い社会的地位に縛り続け、農民の農地への愛着や生産へのインセンティブが働きにくくした上に、汚染を垂れ流し農地や農民の健康を損なう工場を放置する、中国の政治経済の体制がその大きな要因です。

 本書を読むと、「毒入り餃子」、「メラミン入り牛乳」のような事件は、中国の農業と農民たちが置かれている劣悪な環境と深く関係していることがわかります。これらの衝撃的なニュースに、日本では中国製であることを掲げる食品が店頭から一時消え去ったことは記憶に新しいですし、今でもはっきりと中国製であることを謳った食品はあまり目にしません。

 しかしながら、著者によると日本の加工食品産業はもはや中国製農産物抜きには成り立たなくなっており、現在のような加工食品に多く頼った食生活を続ける限り、日本人は中国の農業と深く関わらざるを得ないのです。日本人の食の安全を確保するためには、加工食品という「袋の味」から、手間がかかり面倒であっても自ら原材料を加工するプロセスを必要とする「おふくろの味」に回帰すること、そして農業への新規参入を事実上阻害する現行の農地法を見直すなど、日本の農政の改革の必要性を著者は主張します。
 
 著者による中国農業の実態を伝えるルポの内容は衝撃的ですし、背景にある中国の政治経済体制の問題分析は鋭く、それだけでも十分本書を読む価値があります。しかし、著者が本書を通じて読者に最も訴えたい箇所は、日本の食生活と農業の問題であるように思います。食生活について考えてみたい方に本書の一読を勧めます。