歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

日清食品「イタリアンシーフード」

2009-06-17 23:46:59 | Weblog
 コンビニで「新商品!」とPOP広告で宣伝していた、日清「イタリアンシーフード」を食べてみました。スープが真っ赤なので一瞬辛いのかと思いきや、これはトマトスープであるためで、それでいて名作「シーフードカップヌードル」の風味がしっかりと踏襲されています。チーズも入っているのですが、うまく溶けきれていなかったのがやや残念でした。
 驚くようなペースでカップ麺の新商品が市場に投入されていますが、そのほとんどがすぐに姿を消していきます。この商品はさていつまでコンビニの店頭に並んでいるのでしょうか。

「経済社会政策のオルタナティブ・ビジョン」とは

2009-06-17 00:57:03 | Weblog
 シンクタンクの受託研究部門にとって最大の顧客は中央官庁です。この時期になると私たちはいろいろな省庁の「公募情報」をチェックしては応札すべきか検討しているのですが、時々「おや」と思う案件に出会います。たとえば、経済産業省の「オルタナティブ・ビジョンに関する調査研究」(http://www.meti.go.jp/information_2/data/20090527190311.htm)という案件です。

(以下「仕様書」より引用)
1.調査研究の目的
・ 平成20年9月のリーマンブラザーズ破綻に端を発する金融危機に対し、各国政
府はケインズ主義的な財政金融政策をとるに至った。しかし、金融危機に端を発す
る不況は一般に長期化する傾向があり、雇用の回復は景気回復よりもさらに遅れる
ことが多い。
・ そこで、経済危機脱却後の10年以上先を見据えた中長期の視点に立ち、我が国
としていかなる政策的対応が可能か、検討を進める必要がある。
・ また、今次金融危機を契機として、経済的価値より高次の価値から社会的な課題
の解決も含め議論する動きが欧米を中心に活発化している。そこで、経済成長のみ
ならず、社会的閉塞感や共同体意識の崩壊などに対し、いかなる社会的・道徳的価
値観から対処に臨むべきか
、検討を進める必要がある。
・ 本調査研究は、上記問題意識に基づいて経済社会政策のオルタナティブ・ビジョ
ンを提示すべく調査を行い、今後の経済産業政策の立案に役立てることを目的とす
る。
(引用終わり)

 「経済的価値より高次の価値」、「いかなる社会的・道徳的価値観から対処に臨むべきか」と、仕様書には経済産業省らしからぬフレーズが目立ちます。これは面白い、と思ったのですが、ちょっと私の能力の範囲を超えると考え、応札は断念しました。

 お金を儲けることを罪悪視する社会は健全とは思えませんが、人の道を外れるような強欲が横行する社会はごめんです。しかし、何が「人の道」で何が「強欲」なのか、と問われると私は適切な言葉が見出せません。

 一方、世界には「経済的価値より高次の価値」を明らかに重視している経済圏が存在します。イスラム世界です。イスラム世界の人々の多くは、1日5回の礼拝を励行し、断食月は昼間の空腹と渇きに耐え、利子を否定し、そして富者は貧者への施しが義務とされます。とりわけ断食月には昼間彼らはフラフラになって働きますから、職場の生産性は極端に落ちます。経済的価値から考えるとそのような行為は誠に非合理的なのですが、彼らにとってはアッラーの教えという「高次の価値」に基づく行動が優先するのでしょう。

 ただし、そんなイスラム世界は、サウジやクウェートのような石油に恵まれた一部の国を除くと、経済状況は決してよいとは言えませんし、国民の貧富の格差も小さくありません。また言論の自由は大きく制限され、民主的とは言いがたい政治体制の国が目立ちます。そんな事例を想起すると、「高次の価値」を重視しすぎるのもいかがなものか、と思ってしまいます。

 果たしてこの経済産業省の調査研究ではどのような報告書がまとめられるのでしょうか。興味があります。