歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

イランの民主主義とTwitterの力

2009-06-20 19:42:44 | Weblog
 イランでは大統領選挙の結果に不満を持つ反大統領派の若者たちの抗議デモが全国に広がっています。こうしたニュースに接して、マスコミには現体制の揺らぎの現れを見る向きもあるようです。しかし私は、現職大統領の対立候補がしっかり立候補して両者の間で政策論争が繰り広げられ、そして選挙結果に対して多くの人々が不満を表明している点に、イランは中東では珍しく民主主義が根付いている国だと感じました。

 これは決して皮肉ではありません。サウジアラビアや湾岸の王国の体制は中世そのままですし、エジプトは現大統領が30年間近くも権力を維持していて息子を後継者に据えるようですし、シリア、リビア、チュニジアも独裁体制ですし、イラクの混乱ぶりは言わずもがな。そんな中で例外的に民主主義が健全な形で機能しているのが、イスラエル、そしてムスリムの国では世俗主義を徹底しているトルコとイスラム革命体制のイラン、という両極端の国であることはなんとも皮肉です。
 
 また、反大統領派の抗議活動の連絡にTwitterが活躍している、ということも驚きでした(当局規制にネットで対抗=「トゥイッター」使うイラン改革派(時事通信) - goo ニュース)。音声通話やメールでは当局に発信者が特定される上にそもそもつながりにくい一方、Twitterはそのようなことがない、というのがその理由であるようです。しかし、日本でもさほど普及しているとはいえないTwitterが、イランの若者たちの間でポピュラーな存在であるとは、今回のニュース報道がなければ知ることが出来なかったと思います。今まで思い描いていたイランのイメージを変えなければならないと感じました。
 
 イランの大統領選挙については、イランの若者たちだけでなく、世界中の人々がTwitterで英語の「つぶやき」を寄せています。Twitterの持つ、グローバルなスケールでの新たなコミュニケーションツールとしての力が、今回のイランの大統領選挙を通じて明らかになったといえそうです。Twitterで寄せられるメッセージは短文なので、私も英語でつぶやいてみようかな。。。