歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

増田剛己「思考・発想にパソコンを使うな」 (幻冬舎新書)

2009-06-27 19:18:15 | 読書
 増田剛己「思考・発想にパソコンを使うな」 (幻冬舎新書)を読みました。幻冬舎新書らしい刺激的なタイトルですが、これは看板に偽りなしです。

内容(「BOOK」データベースより)
あなたの思考・発想を凡庸にしているのはパソコンだ!コピー&ペーストで、記憶力、構成力、表現力が衰える。パソコンは大量の情報の収集・整理には便利だが、知的創造には不向き。そこで「手書きノート」だ。ふと浮かんだアイディアは、断片をメモするだけでなく、可能な限り文章化する。文章にすれば記憶に定着しやすいし、そのプロセスが、自己分析力と他人に伝える力をつける。漱石、熊楠から、野村克也監督、中村俊輔選手まで、古今各界一流人の使えるノート術も一挙公開。


 本書によるとパソコンのキーを打っている間は脳はほとんど使われていないのだそうです。一方、手書きは脳を刺激する行為であり、単なる手書きの「メモ」を自分なりに整理した手書きの「ノート」に発展させるとその効果はさらに大きなものになる、ということを古今の文人などのノートの内容を紹介しつつ著者は説明しているのですが、これは大いに納得しました。

 最近、新しいことを勉強しようとしてもなかなか頭の中に入らないのは年のせいかなと思っていたのですが、これは情報のインプット、アウトプットをパソコンに大きく依存していることに原因がありそうです。かつて学校に通っていた頃、先生が黒板に書いた板書や教科書の内容をそのまま書き写す行為にどのような意味があるのか、と思ったこともありましたが、それには大きな意味があったのだ、ということを今更ながら気がつかされました。本書の終盤には具体的な「ノート術」が書かれていますが、他人の流儀やテクニックを真似る以前に、とにかくまずは手書きというアナログな行為を復活させることが私にとっての課題になりそうです。