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歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

インクスが倒産してしまいました

2009-02-26 07:18:37 | ものづくり・素形材
 昨日、金型メーカーの(株)インクスが東京地裁へ民事再生法の適用を申請したというニュースが飛び込んできました。自動車業界からの受注の大幅減により資金繰りが逼迫したことが原因であるとのことです。

倒産・動向記事
2009/02/25(水) ソフト受託開発
自動車メーカー減産関連
株式会社インクス
民事再生法の適用を申請
負債169億300万円

http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/2935.html

 インクスは金型作りに必要な日数を大幅に短縮するために熟練技能を徹底的にデジタル化したことで、マスコミでも製造業におけるIT革命の旗手として取り上げられることが多かった金型業界では有名な企業で、中小企業庁の「元気なモノ作り中小企業300社」、経済産業省の「ものづくり日本大賞」にも選ばれています。私も2006年に長野県にある同社の茅野零工場を訪問し、その大胆なデジタル化、無人化の状況に驚嘆したことがあります(こちら)。金型業界では同社のビジネスモデルについて批判的な意見も少なくなかったようですが、業界に新風を送り込んだ同社の倒産は大変残念です。
 タイ・サミットグループが日本を代表するプレス金型メーカー、オギハラの筆頭株主になったという先日のニュースにも驚きましたが(こちら)、これも驚きのニュースです。今回の不況が金型業界に及ぼしている深刻な影響がうかがえます。

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (デハボ1000)
2009-02-27 08:43:05
驚いていますが、少し前からかなり問題にはなっていまして。資金繰りは苦労されていたのだそうです。(以下自粛)
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Unknown (Unknown)
2009-02-27 13:04:05
デジタル化・・の裏で、アルバイトと少数の職人が汗水流して苦労してた。と言うか、デジタル化したのは表向きの広告みたいなものですよ。 実際にはかなり遅れた技術を使いまわしてましたね。 なが~~いエンドミルも、まったく使えないだけの広告用でした。
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コメントありがとうございます (kunihiko_ouchi)
2009-02-28 01:09:09
>資金繰りは苦労されていたのだそうです。
確かにあれだけの設備投資をしていれば大変でしょうね。オフィスの豪華さも、とても金型屋といった感じではありませんでしたし。
>デジタル化したのは表向きの広告みたいなものですよ。 
これに近いことは金型屋さんから聞いたことがあります。
しかし多くのマスコミに登場することによって、金型が産業にとって重要な存在であることを広く世の中に知らしめたことはインクスの功績として評価してよいと思います。
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型技術とITのマッチングの負の課題 (デハボ1000)
2009-02-28 23:11:35
意見はいろいろありますし、功罪ありますが、この企業の考えるスタンスはひとつのスタイルとして、それなりに評価できるとはおもっています。
IT技術によるハンドリングで、技術工数の低減と納期短縮など(在庫低減)を図る(その代わり固定費が増大)のは、一時のオギハラの金型技術手法と実は似ているんです。だから今回の一連の動向は、ある意味非常にシンボリックな印象を持ってしまいました。
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コメントありがとうございます (kunihiko_ouchi)
2009-03-02 01:02:32
>一時のオギハラの金型技術手法と実は似ているんです。
そうなんですか。知りませんでした。てっきり山田眞次郎氏が始めた手法だったと思っていました。でも改めて彼の著書など読んでみると、ちょっと大言壮語しすぎなような気がしますね。
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不況の煽り (Unknown)
2009-03-21 14:55:01
私も以前インクスに勤めていました、私は車メーカーの試作品等の部署にいましたが、その頃は景気も良く、人手が何人あっても足りないという雰囲気で職場も活気ずいていましたが最近の日米の自動車メーカーの様子を見ていてインクスを心配していた処、やはり倒産してしまっていたのですね・・・
携帯電話の試作品のシュアは世界でも8割がインクスだったので、そちらで何とか踏ん張れるかもと思っていたのですが残念です。
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コメントありがとうございます (kunihiko_ouchi)
2009-03-22 00:23:09
元インクスの従業員の方からコメントをいただけるとは予想外です。ありがとうございます。
>その頃は景気も良く、人手が何人あっても足りないという雰囲気で職場も活気ずいていましたが
私が長野零工場を訪問したときも、案内してくださった方は自信満々という感じでした。金型業界に革命をもたらすかと思われた会社だけに、今回の倒産は非常に残念です。
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