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最近ちょっとお疲れ気味

「MONODZUKURI展」に行ってきました(その3)

2007-01-23 21:31:43 | ものづくり・素形材
写真は地下会場に展示されていたロボットです。子供たちの人気を集めていました。

「MONODZUKURI展」は、鋳物や金型など素形材という地味な産業にスポットライトをあて、その重要性、技術の高さを、ものづくりとは縁のない一般市民にアピールするという、画期的な展示会だと思います。
しかし、何点か課題も指摘したいと思います。
まず第一に、会場が狭く、しかも国立科学博物館の中で分散しているということです。スペースの関係上やむを得ないのは理解できますが、できればもっと広い会場で分散せずに集中して開催して欲しかったと思います。
第二に、展示された素形材を、もっとビジュアルにわかりやすく紹介する工夫が欲しかった、ということです。普通の人は複雑形状の精密な素形材を見て、その造形美に感心するかもしれませんが、いかに重要な部材であるのか、いかに高い技術であるのか、説明書きを読んだ参観者がどの程度理解してくれているのか、やや疑問に思う展示もありました。
第三は、第二の課題と関連するのですが、実際に素形材を作る模様をもっと紹介して欲しかった、ということです。JIMTOFのように、工作機械やプレス機械を設置して、目の前で実際に加工して見せることができれば良いのでしょうけれど、予算やスペースの問題で難しいでしょうし、キュポラやダイカストマシンとなると博物館での設置、稼働など論外でしょう。ビデオで製造の模様も紹介しているところもありましたが、いかんせん小さなモニターでは迫力が伝わってきません。できれば大画面のスクリーンで、素形材づくりの現場を紹介する仕組みを用意できればよかったと思います。
とはいえ、前に述べたように素形材産業にとって画期的な展示会であったことは間違いありません。今後も継続して、できれば規模を拡大して「MONODZUKURI展」が開催されることを期待します。