クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

夜の“さいたま水族館”は昼とはどこか違う?

2023年08月14日 | 利根川・荒川の部屋
夜の水族館は、昼間とは別の顔(のような気がする)。
水草の様子を観察しに、子どもたちを連れて羽生水郷公園へ行ったところ、
ばったり「ナイトアクアリウム」に出くわした。

8月13日~15日までの期間限定の開催という。
小雨も降ってきたので館内に入った。

日中に比べて、魚たちの動きは静かだった。
照明がついているとはいえ、体内時計では彼らは「夜」なのだろう。
夜行性の魚も日中にエサを食べていることもあり、
夜に活発化することは少ないらしい。
ライギョもナマズもオオウナギもじっとしていた。

家族連れが多かったものの、館内は静かだった。
それは、夜という心理的な静けさだったかもしれない。
自分自身、ゆっくり水底へ沈んでいくような、
煩わしい俗世から離れていくような……。
幼いころから見知ったさいたま水族館が、いつもと違っていた。

ところで、水族館も教育機関の1つに数えられる。
本の匂いのするところが好きだ。
背の高い本棚に、魚や水産関係の書籍が並んでいたのを覚えている。

飼育員や研究者も、自宅の本棚にはこのジャンルの本が詰まっているのだろうか。
「読む」のではなく、「使う」ことが多いのではないか。
フィールドワークへ行くとき、どんな本を携えていくのだろう。
この世界を知らぬ門外漢だからこそ、そんなことを想像するのが楽しかったりする。

知っている職員さんと顔を合わせた。
幼いころから水族館が好きだったという。
中学時代に親しかった同級生にどこか似ているから、妙に親近感を覚える。

とはいえ、これまでどんな本を読み、自宅にはたくさんの図鑑があるのですか?
とは、なかなか訊けない。
夜の水族館という特殊な空間ならば訊けそうな気がした。
が、これを書いているいまだからそう思っただけで、そのときは思いつきもしなかった。
まあ、そんなものである。

小雨はいつの間にか本降りとなっていた。
夜の水族館は静寂に包まれ、屋外水槽の水面には音もなく無数の波紋ができていた。
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