クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

埼玉大学からの「卒業まで」

2024年01月25日 | コトノハ
調査報告検討会。
ムジナモに関する仕事で埼玉大学へ行く。
それぞれ専門的な観点から調査した今年度の結果を報告し合う。

毎年春先に開かれるこの会を楽しみにしている。
北浦和駅で下車してバスに揺られる。
金子康子教授の研究室のドアを開き、「知」に触れる。

この仕事をしていなければ、出会わなかった世界かもしれない。
静かな語り口調でも、その言葉の一つ一つが熱い。

冷たい風が吹き荒れていた。
そのせいとクスリを忘れたせいかもしれない。
一人になると、悲しいわけでも苦しいわけでもないのに時々にわか雨に見舞われる。

検討会が終わったあと、同大学の図書館へ足を運ぶ。
なぜだろう。
脈絡もなく、遠い記憶が浮かんでは消えていく。
書架に手を伸ばしても、つかみたいものはずっと遠くにある気がした。

混雑したバスに揺られて北浦和駅へ戻る。
駅前の居酒屋で雨宿り。
にわか雨に酒が効くときもあれば、荒天になることもある。
今回はそのどちらでもなかった。
持ち歩くカバンには常備薬をしのばせよう。

一人飲んでいたら、フォークギター調の綺麗な音色にふと肩を叩かれた。
検索してみると “僕が見たかった青空”の「卒業まで」という曲だった。

アオハルに弱い。
この年なのに。
この年だからなのか。
あの頃手を伸ばしてつかみたかったものは何だったのだろう。
グラスを傾け、鼻で笑った。
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