今朝、カレンダーを見ると半夏生とある。
時節を表わす七十二候の一つで、夏至から数えて十一日目にあたる。
昔は、この日までに田植えを終わらせるものとされたそうな。
子供の頃、母の実家には田んぼがあり、
田植えの時期には、親戚一同が駆り出されて手伝いに行かされた。
小学生の私は、専ら苗を運ぶのをさせられたものだった。
田植えを終えて半夏生の日を迎えると、「ダレやめ」とか「ノロ落し」とか。
「ダレやめ」とは方言で「疲れをとる」という意味。
「ノロ落し」は、田植えで身体に沁み付いた泥を洗い流すこと。
この日ばかりは御馳走なども用意され、
子供たちも大人に交じって、近くの磯辺で「ノロ落し」を愉しんだ。
トコブシや貝類なども獲れた。
今日では、田植えと言えば機械仕事だし、田植え時期も早い。
わが里の「ダレやめ」とか「ノロ落し」の習俗も、いつの間にか消えた。
半夏生は、カレンダー上の言葉だけになった。