広汎性発達障害(自閉症・ADHD)の男の子を育てるクリスチャン・ホームの日記

素敵な青年に育ったにいにと一緒に、サポート活動もするようになりました☆

僕は、字が読めない

2015年06月30日 | 日々のこと
先日、こちらの本を読みました。
南雲明彦さんという方の本です。

僕は、字が読めない。 読字障害(ディスレクシア)と戦いつづけた南雲明彦の24年



(amazonにとびます)


発達障害の中に、読字障害というものがあるのは知っていましたが、ちゃんと知らないなあと思い購入してみました。

読字障害(ディスレクシア)とは?
→wikiより
「学習障害の一種で、知的能力及び一般的な理解能力などに特に異常がないにもかかわらず、
文字の読み書き学習に著しい困難を抱える障害である。」


我が家の息子は漢字が苦手です。
苦手というよりも、理解できないのかな?と思うことがあります。

1・2年生の頃はまだ簡単な漢字が多いのであまり思わなかったのですが、
最近(5年生)だと複雑な漢字が多いからか、必要なところに線がなかったり、
むしろくっついていないといけないところがくっついていなかったり。

担任の先生からも、
「どこまで注意していいですか?やる気をそぐのも良くないので…」と相談されていました。

これまでは「いいですよ!トメ、ハネ、ハライ、注意して下さって」とお答えしていましたが、
そういうレベルの話ではなくなってきたかも…と思い始めていて。


南雲さんは、成人してからディスレクシアと判明しました。
それまでは、小学校では周りができていることがなぜ自分にはできないのかが分からず、
中学や高校からは授業についていけない自分を責めてしまっていたそうです。

努力して暗記物は全て覚えテストに臨み、どうにか周りに悟られないようにと頑張ったそうです。

明るくて人気者だった彼は、その努力により高校は進学校へと進みます。
もちろん大学にも進むつもりで、将来の仕事にも希望を持っていたそうです。

そんな中、高校2年生のときにとうとう学校へ行けなくなります。

不甲斐ない自分を責め、理解してもらえないと周りの家族を責め、自殺未遂も繰り返してしまいます。


読みながら心が痛かったのは、南雲さん自身が常に「こんな状況はだめだ」と感じているところです。
どうにか改善しようと精神科に通ったり、病院への入院治療も自ら希望しているのです。
それでも、学校の先生や病院でも発達障害が原因と分かってくれる人はいなかったとか。

投薬治療もされますが、もともとの原因が発達障害によるものなので一時しのぎにしかならず、
だんだんと症状は悪化していったようです。


もう10数年前の話なので、発達障害に対する理解もあまりなかったと思います。
実際に、南雲さんのお母様はベテラン保育士でしたが、読字障害という言葉は知っていても
まさか自分の子供がそれにあたるとは思いもしなかったとおっしゃっています。


私は息子の発達障害が分かった時点から、様々な本を参考にして、
「どうにか二次障害が出ないようにしたい」と思いながら過ごしてきました。

南雲さんの場合は致し方なく二次障害が起こり、それをどうにかしたいと
悩み葛藤しながらここまで闘ってこられたと思います。


南雲さん本人も、実名での公表を決意した理由は
「自分のような思いをしている人を助けたい」というものだったと書いていました。


今、私が息子に対してどのような態度を取るのか。
また、気付いてあげられることはあるのか。


この本には、南雲さんがどのように苦しかったのか、そして今でも苦しんでいるのかということが
隠されることなく書いてあります。

南雲さんの経験を通して、息子自身の葛藤を、少しでも追体験できたような気がします。
また、将来このような苦しみを経験せずすむよう、
息子本人の今の状況をただただ受け入れてあげることはできるかな…と思いました。