ブログ 古代からの暗号

「万葉集」秋の七草に隠された日本のルーツを辿る

字母歌に仕組まれた暗号 「あめつち」2

2009-11-07 08:14:15 | 日本文化・文学・歴史
前回は村上通典著『いろは歌の暗号』で「あめつち」の五段書きの図から村上氏
の気付かれた「山」の形に納まる「やまうへぬくら」を「やまうへおくら」と正し
い表記に変えることが出来たと思うが、漢字「山」の形の中から「やまうへぬくら
」を抜きさった残りにもなんらかの意図が隠されているのではないか?



村上氏は「もきり」に注目、捥ぎ「り」と考え、底辺の「ひりた」の「り」を取り
さらに九行目の「えのえ」のふたつある「え」を「ひ た」の空いた所に挿入し、
上段左右の「あ・れ」とあわせ「ひえたあれ・稗田阿礼」とした。
魅力的な説だが、「り」を「え」に変える根拠を下記のように記している

 「いろは」が四十七文字であるのに対して、「あめつち」が四十八文字になって
 いるのは、「え」が重複しているからである。定説によれば、この重複は、平安
 初期にア行の「エ」とヤ行の「エ」に発音の区別があったことを反映するものだ
 という。
  しかし、「あめつちの歌、四十八首」の「え」の歌二首は、どちらも始めが
 「えも・・・」となっているので、順は「え」の発音を区別をしていないことに
  なる。それに「いろは」の絵文字『上』でも「え」を特に意識させるためか
 「上=うへ」を「うえ」としなければ解読図が得られないようになっていた。
 したがって、「あめつち」の「え」の重複には、発音の区別とは関係のない、な
 にか別のねらいがあるに違いない。

「え」を挿入する指示がみつかれば賛同するのですが、皆様はいかがでしょうか?
「いろは」の絵文字『上』の「え」と「へ」の問題は面白い答があります。後のお
楽しみにしましょう。

私は憶良の「秋の七草」の暗号解読に始まり、古今伝授「三木三鳥」、「伏見稲荷
神符」の謎を解いて来ました。これらの暗号で何をつたえたいか、どんな発想を用
いているか、言葉の奥に秘めたるものを察する力を多少とも身につけてきたと思う
ので、知恵をしぼって問題提起をしたいと思います。

絵文字「山」から憶良の名を除いた部分からは「くもきり=雲・蜘蛛切り」と「ひ
た=日田」あるいは「たひ=田霊」が思い浮かびました。

「くもきり=雲・蜘蛛切り」とはずばり「出雲を切った(倒した)」という意味。
その次の「日田」あるいは「田霊」がそれを補強していると思われ、そう考えた
理由は「日田」と「田霊」にある。

日田は九州の大分県の地名であるが、奈良時代に成立した『豊後国風土記』の日田
郡・直入郡・大野郡・速見郡の条に土蜘蛛とよばれた人々の記事があり、速見郡の
土蜘蛛は「みな、人となり強暴で輩多く、みな唱えていうには『皇命には従はじ。
もし強引に喚さば、兵を興して防がん』と申す。ここに、天皇、兵を遣りその要害
を遮えぎり、ことごとく誅し滅ぼしてしまった。」とある上、この速見郡は「伏見
稲荷神符」で取り上げた、「餅の白鳥変容伝説」の地でもある。
 
「田霊」は、出雲大社の神殿が「田」の字形に仕切られ、神坐は正面ではなく、
西を向いているという『出雲大社』の記述を思い出した事による。しかも出雲大社
の瑞垣に囲まれた神域への入口は<八足門>。大国主へのお供えは<八足机>に載
せられるという。まるで蜘蛛の社である。
何年か前に出雲大社を参拝し、レンタカーを借り、長女夫婦と出雲巡りをした時に
感じたのは、「現在でもこんなに山に囲まれ、平地が少なく、狭い土地に、日本を
代表するような王朝が成立っただろうか?」という疑問だった。
神坐が西を向き、第一に祀られるのも「筑紫社」であるという事から考えると、弥
生時代の九州に居住していた記紀でいう「土蜘蛛」が戦いに敗れ、追い出された地
つまり「いづる蜘蛛」が「出づる雲」となり「出雲」となったのではないだろか?

そう考えると、日本の正史から「倭国」あるいは「鵜伽耶」を消し去った自身を嘆
いた、山上憶良の辞世歌の心情がより深く理解できる。




































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