ブログ 古代からの暗号

「万葉集」秋の七草に隠された日本のルーツを辿る

謎解き詠花鳥和歌 薄と鶉ー7

2011-02-26 10:45:27 | 日本文化・文学・歴史
『古事記』の天語歌として伝わる雄略天皇の「鶉とり」の歌謡から、5世紀後半に日本列島にあった鵜がや
系の吉備加夜と火明系の穂の国(尾張・伊勢)が雄略天皇(倭王武)によって征服されたのではと推量して
いるが、『日本書紀』巻14の雄略天皇紀(大泊瀬幼武天皇・おほはつせのわかたけのすめらみこと)を
大まかに分類し、その気配を検証してみたい。

雄略天皇 即位前記

1 出自 雄朝嬬稚子宿禰(をあさづまわくごのすくね)=允恭天皇の第5子

  雄略天皇の即位に至る経過

    16代 仁徳 →子 17代 履中 →子 市辺押磐皇子・・・雄略に殺される
              子 18代 反正
              子 19代 允恭 →子 木梨軽皇子
                          子 境黒彦皇子・・・雄略に殺される
                          子 20代 安康(穴穂皇子)・眉輪王に殺される
                          子 八釣白彦皇子・・・雄略に殺される
                          子 21代 雄略(大泊瀬幼武皇子)

2 仁徳系の一族は皇位継承をめぐって同族で殺戮をくりかえすが、雄略天皇の兄・安康天皇が皇后(履中
  天皇皇女で仁徳天皇の子・大草香皇子に嫁ぎ眉輪王が生まれるが、夫は安康天皇に殺される。後、安康
  天皇の皇后となる。)の連れ子に殺される話。

3 有力な皇位継承者である市辺押磐皇子を殺す話。

雄略天皇 即位後

1 皇妃について 
  
      皇后  草香幡梭姫皇女(仁徳天皇皇女、母は日向髪長媛、大草香皇子の妹)
      妃 1 葛城円大臣の娘 韓媛
        2 吉備上道臣の娘 稚姫
        3 春日和珥臣深目が女 童女君

2 百済関係記事

   * 池津媛の説話
   * 昆支王派遣と武寧王出生の説話

3 葛城氏に係わる説話

   * 天皇と一事主神とが葛城山で狩りをする説話
   * 葛城山で猪におそわれる話
   * 蜻蛉野(あきづの)の地名起源説話

4 吉備関係記事

   * 吉備下道臣前津屋(きびのしもみちのおみさきつや)が天皇に対する不敬行為により誅殺される話。
   * 吉備上道臣田狭の話(きびのかみつみちのおみたさ)が任那に拠って天皇に反逆する物語。   
   * 「清寧即位前紀」に吉備稚媛とその子星川皇子が皇位を纂奪しようとした際、吉備上道臣らがこれを
     救援しようとした話がある。

  これらの三つの物語を歴史学では吉備氏反乱伝承と総称している。

5 朝鮮関係記事

   * 天皇が新羅を討ちたいと思うが果たせなかった話。

6 秦氏関係記事

   * 秦造酒が天皇に仕える話。

7 伊勢関係記事

   * 伊勢の斎宮である𣑥幡皇女が妊娠を疑われ自殺する話。
   * 伊勢の朝日郎(あさけのいらつこ)を伐たせる話。

8 その他

   * 宍人部、史戸、河上舎人部、土師部を置く話。
   * 鳥養部と黥(入墨)の話。
   * 采女を奸したと疑われたり、奸した罪で殺される話。
   * 少子部連の由来譚。
   * 田辺史伯孫が交換した馬は応神陵の土馬であった話。(ブログ「女郎花と鵲26」参照)

『日本書紀』巻14の雄略天皇紀には、私の推量を後押ししてくれそうな<吉備氏反乱伝承>と<伊勢の朝日郎
討伐伝承>がありました。どんな伝承かは次回に。 



 
                          
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