『古事記』の天語歌として伝わる雄略天皇の「鶉とり」の歌謡から、5世紀後半に日本列島にあった鵜がや
系の吉備加夜と火明系の穂の国(尾張・伊勢)が雄略天皇(倭王武)によって征服されたのではと推量して
いるが、『日本書紀』巻14の雄略天皇紀(大泊瀬幼武天皇・おほはつせのわかたけのすめらみこと)を
大まかに分類し、その気配を検証してみたい。
雄略天皇 即位前記
1 出自 雄朝嬬稚子宿禰(をあさづまわくごのすくね)=允恭天皇の第5子
雄略天皇の即位に至る経過
16代 仁徳 →子 17代 履中 →子 市辺押磐皇子・・・雄略に殺される
子 18代 反正
子 19代 允恭 →子 木梨軽皇子
子 境黒彦皇子・・・雄略に殺される
子 20代 安康(穴穂皇子)・眉輪王に殺される
子 八釣白彦皇子・・・雄略に殺される
子 21代 雄略(大泊瀬幼武皇子)
2 仁徳系の一族は皇位継承をめぐって同族で殺戮をくりかえすが、雄略天皇の兄・安康天皇が皇后(履中
天皇皇女で仁徳天皇の子・大草香皇子に嫁ぎ眉輪王が生まれるが、夫は安康天皇に殺される。後、安康
天皇の皇后となる。)の連れ子に殺される話。
3 有力な皇位継承者である市辺押磐皇子を殺す話。
雄略天皇 即位後
1 皇妃について
皇后 草香幡梭姫皇女(仁徳天皇皇女、母は日向髪長媛、大草香皇子の妹)
妃 1 葛城円大臣の娘 韓媛
2 吉備上道臣の娘 稚姫
3 春日和珥臣深目が女 童女君
2 百済関係記事
* 池津媛の説話
* 昆支王派遣と武寧王出生の説話
3 葛城氏に係わる説話
* 天皇と一事主神とが葛城山で狩りをする説話
* 葛城山で猪におそわれる話
* 蜻蛉野(あきづの)の地名起源説話
4 吉備関係記事
* 吉備下道臣前津屋(きびのしもみちのおみさきつや)が天皇に対する不敬行為により誅殺される話。
* 吉備上道臣田狭の話(きびのかみつみちのおみたさ)が任那に拠って天皇に反逆する物語。
* 「清寧即位前紀」に吉備稚媛とその子星川皇子が皇位を纂奪しようとした際、吉備上道臣らがこれを
救援しようとした話がある。
これらの三つの物語を歴史学では吉備氏反乱伝承と総称している。
5 朝鮮関係記事
* 天皇が新羅を討ちたいと思うが果たせなかった話。
6 秦氏関係記事
* 秦造酒が天皇に仕える話。
7 伊勢関係記事
* 伊勢の斎宮である𣑥幡皇女が妊娠を疑われ自殺する話。
* 伊勢の朝日郎(あさけのいらつこ)を伐たせる話。
8 その他
* 宍人部、史戸、河上舎人部、土師部を置く話。
* 鳥養部と黥(入墨)の話。
* 采女を奸したと疑われたり、奸した罪で殺される話。
* 少子部連の由来譚。
* 田辺史伯孫が交換した馬は応神陵の土馬であった話。(ブログ「女郎花と鵲26」参照)
『日本書紀』巻14の雄略天皇紀には、私の推量を後押ししてくれそうな<吉備氏反乱伝承>と<伊勢の朝日郎
討伐伝承>がありました。どんな伝承かは次回に。
系の吉備加夜と火明系の穂の国(尾張・伊勢)が雄略天皇(倭王武)によって征服されたのではと推量して
いるが、『日本書紀』巻14の雄略天皇紀(大泊瀬幼武天皇・おほはつせのわかたけのすめらみこと)を
大まかに分類し、その気配を検証してみたい。
雄略天皇 即位前記
1 出自 雄朝嬬稚子宿禰(をあさづまわくごのすくね)=允恭天皇の第5子
雄略天皇の即位に至る経過
16代 仁徳 →子 17代 履中 →子 市辺押磐皇子・・・雄略に殺される
子 18代 反正
子 19代 允恭 →子 木梨軽皇子
子 境黒彦皇子・・・雄略に殺される
子 20代 安康(穴穂皇子)・眉輪王に殺される
子 八釣白彦皇子・・・雄略に殺される
子 21代 雄略(大泊瀬幼武皇子)
2 仁徳系の一族は皇位継承をめぐって同族で殺戮をくりかえすが、雄略天皇の兄・安康天皇が皇后(履中
天皇皇女で仁徳天皇の子・大草香皇子に嫁ぎ眉輪王が生まれるが、夫は安康天皇に殺される。後、安康
天皇の皇后となる。)の連れ子に殺される話。
3 有力な皇位継承者である市辺押磐皇子を殺す話。
雄略天皇 即位後
1 皇妃について
皇后 草香幡梭姫皇女(仁徳天皇皇女、母は日向髪長媛、大草香皇子の妹)
妃 1 葛城円大臣の娘 韓媛
2 吉備上道臣の娘 稚姫
3 春日和珥臣深目が女 童女君
2 百済関係記事
* 池津媛の説話
* 昆支王派遣と武寧王出生の説話
3 葛城氏に係わる説話
* 天皇と一事主神とが葛城山で狩りをする説話
* 葛城山で猪におそわれる話
* 蜻蛉野(あきづの)の地名起源説話
4 吉備関係記事
* 吉備下道臣前津屋(きびのしもみちのおみさきつや)が天皇に対する不敬行為により誅殺される話。
* 吉備上道臣田狭の話(きびのかみつみちのおみたさ)が任那に拠って天皇に反逆する物語。
* 「清寧即位前紀」に吉備稚媛とその子星川皇子が皇位を纂奪しようとした際、吉備上道臣らがこれを
救援しようとした話がある。
これらの三つの物語を歴史学では吉備氏反乱伝承と総称している。
5 朝鮮関係記事
* 天皇が新羅を討ちたいと思うが果たせなかった話。
6 秦氏関係記事
* 秦造酒が天皇に仕える話。
7 伊勢関係記事
* 伊勢の斎宮である𣑥幡皇女が妊娠を疑われ自殺する話。
* 伊勢の朝日郎(あさけのいらつこ)を伐たせる話。
8 その他
* 宍人部、史戸、河上舎人部、土師部を置く話。
* 鳥養部と黥(入墨)の話。
* 采女を奸したと疑われたり、奸した罪で殺される話。
* 少子部連の由来譚。
* 田辺史伯孫が交換した馬は応神陵の土馬であった話。(ブログ「女郎花と鵲26」参照)
『日本書紀』巻14の雄略天皇紀には、私の推量を後押ししてくれそうな<吉備氏反乱伝承>と<伊勢の朝日郎
討伐伝承>がありました。どんな伝承かは次回に。