第3と言う事は1も2もあることになるが、実際には確認がとれないから幾つあるのか分か
らないのが本当。第3は観光客も体験できるように整備されており、敵の戦闘侵略行為
にも近い結果から生まれた異色の観光スポット。でも、それは表面上だけのことで実態
を知ると観光スポットではなく、北朝鮮の恐怖と韓国征服の鬼気を感じざるを得ない。
私たちはTVのニュースで北朝鮮のことを知るが、それは言葉や一部の映像だけのこと、
その恐ろしさ執念深さはここのトンネルを見れば、百聞は一見にしかず。
トンネル入口からトロッコ列車が出ており、約70m下にあるトンネルまで連れて行ってく
れ、そこから徒歩でトンネル内を見学する。入口はDMZから500mくらいの所にある。つ
まり国境を越えて韓国側に侵入してきている。どこまで掘り続ける計画だったのか知る
由はないが、このトンネルは1時間に約7000人の兵士を韓国側に送り込むことができ、
ソウルまで1時間ほどだから、他のトンネルが完成すれば大型武器や兵站、車なども運
ぶことも可能になり、本格的にソウル制圧の絵図面でも描いていたろう。
トロッコで下に降りると、高さ2m弱のトンネルが続いている。音が漏れないように全て手
作業、壁には石ノミで削られた跡がそのまま残されており、何かで黒く塗られている。こ
れはばれた時に炭鉱だと言い逃れをする口実に使う為ではなかったのかと推測されて
いる。トンネルは韓国側の最終、北との国境で閉じられており、そこから折り返して出口
に戻る。歩いたトンネルの行程は全て岩石の部分だから、工事は大変困難だったと思
われる。少しの区間は硬くて人手では無理だったらしく、少量の発破が行われたらしい。
その際、発破音が聞こえなくするために地上では大音量の音楽を流して作業を進めた
と推察される。
あの手、この手で掘り続けたが、韓国にとっては運のいいことがあり発見に至った。それ
は何かの調査中に穴があり、そこに石を落したら深い位置までいったことが手掛かりに
なった。その後、脱北者の証言や地質調査で10本ほどのトンネルを確認できたが、正確
には幾つのトンネルがあるのかは分からない。
こうした危ないエリアの見学が終わり、帰りにあるDMZショップに行くと今まで、サングラス
をして怖そうな付き添いだった兵士と一緒に写真を撮ることができた。サングラスを外すと、
あどけない顔をした若い兵士で急に親しみを覚える。
ここは休戦協定で休戦している緊張のエリア、過去に何度も銃撃戦や殺し合いになった
歴史がある。トンネルを掘る執念、休戦から停戦に向かうような気すらしなくなった。